「子供が急にスイミングに行きたくないと言い出した」
「長く続けてきたけれど、そろそろ辞め時かもしれない」
スイミングは習い事の中でも特に人気が高く、体力作りや水難事故防止のために通い始める方が多いスポーツです。しかし、長く続けていれば「辞めたい」と感じる瞬間は誰にでも訪れます。
子供が泣いて嫌がる姿を見るのは親として辛いですし、大人であってもモチベーションの維持に悩むことはあるでしょう。
大切なのは、その「辞めたい」という気持ちの裏にある本当の理由を知り、後悔のない選択をすることです。
この記事では、スイミングを辞めたいと考える主な理由や、その時の対処法、辞め時の判断基準について詳しく解説します。
一時的な感情で辞めてしまって後悔しないよう、冷静に状況を見極めるためのヒントにしてください。
これから紹介する情報を参考に、ご自身やお子様にとって最善の道を選んでいきましょう。
スイミングを辞めたい主な理由ランキング【子供・大人】

スイミングを辞めたいと感じる理由は人それぞれですが、多くの人に共通する悩みやきっかけがあります。
ここでは、子供から大人までよくある「辞めたい理由」を4つのカテゴリーに分けて詳しく見ていきましょう。
理由を明確にすることで、それが解決可能な問題なのか、それとも辞めるべき決定的な要因なのかが見えてきます。
進級テストに合格できずモチベーションが下がる
スイミングスクールには必ずと言っていいほど「進級テスト」があります。最初のうちは順調に進級できていた子も、級が上がるにつれて合格のハードルが高くなり、何度も不合格になってしまうことがあります。
特にクロールの息継ぎや平泳ぎのキックなど、技術的な壁にぶつかると、数ヶ月間同じ級に留まることも珍しくありません。
毎週のように練習しても合格できない状況が続くと、「自分には才能がない」「頑張っても無駄だ」というネガティブな感情が芽生えやすくなります。
テストの結果が張り出されたり、友達が先に進級していく姿を見たりすることで、劣等感を感じてしまうこともあるでしょう。
大人の方でも同様に、タイムが伸び悩んだり、フォームの改善がうまくいかなかったりすると、成長の実感が持てずにやる気を失ってしまうケースが多いです。
「停滞期」は誰にでも訪れるものですが、その期間が長引くほど、辞めたいという気持ちは強くなってしまいます。
練習がきつい・寒くて行きたくない
水泳は全身を使うハードなスポーツです。レベルが上がれば泳ぐ距離も増え、練習内容も厳しくなっていきます。
特に選手コースや育成コースに上がると、タイムへの要求も厳しくなり、肉体的な疲労だけでなく精神的なプレッシャーも大きくなります。
また、季節的な要因も無視できません。冬場のプールは、水温が管理されているとはいえ、着替えの際やプールサイドでの寒さが辛いものです。
学校が終わった後の疲れた体で、寒い中プールに向かうこと自体が億劫になり、「今日は行きたくない」という気持ちが積み重なって「辞めたい」に変わっていくこともあります。
「水が怖い」「顔をつけるのが嫌だ」という初期の段階での拒否反応とは異なり、ある程度泳げるようになってからの「きつさ」は、本人の体力や精神力との戦いになるため、親としても励まし方に悩むポイントです。
コーチや他の会員との人間関係の悩み
スイミングスクールは集団行動の場でもあります。そのため、コーチや他の会員との人間関係が理由で辞めたいと感じることも少なくありません。
コーチの指導が厳しすぎて怖い、相性が合わない、えこひいきされているように感じるなど、指導者に対する不満はモチベーションに直結します。
また、子供同士のトラブルもよくある理由の一つです。更衣室での意地悪や、練習中の接触事故などがきっかけで、スクールに行くこと自体が恐怖になってしまう場合があります。
大人の場合は、常連メンバーで作られたグループの輪に入れなかったり、コース内でのマナー(追い越しや休憩の仕方など)を巡るトラブルで嫌な思いをしたりすることもあるでしょう。
水泳そのものは好きでも、それを取り巻く環境や人間関係に疲れてしまい、辞める選択をする人は意外と多いのです。
他の習い事や仕事・学業との両立が難しくなった
学年が上がると、塾や他の習い事、部活動などが忙しくなり、スイミングに通う時間を確保するのが難しくなります。
特に小学校高学年や中学生になると、勉強の難易度も上がり、宿題やテスト勉強に追われる日々が始まります。
「スイミングに行くと疲れて勉強できない」「他の習い事の方が楽しくなってきた」といった理由で、優先順位が変わることは自然な流れです。
また、送迎をする保護者の負担が限界に達する場合もあります。仕事の都合で送迎時間に間に合わなくなったり、兄弟のスケジュール調整が困難になったりと、物理的な事情で継続を断念せざるを得ないケースもあります。
大人の場合も、仕事の残業が増えたり、家庭環境の変化(出産、介護など)があったりと、ライフスタイルの変化によって通う頻度が減り、最終的に退会を選ぶことがよくあります。
これはネガティブな理由というよりも、人生のステージが変わったことによる「卒業」に近い感覚かもしれません。
子供が「辞めたい」と言い出した時の親のベストな対応

子供から「スイミングを辞めたい」と打ち明けられた時、親としてはどのように対応すべきでしょうか。
すぐに承諾するのも、無理やり続けさせるのも、どちらが正解とは一概に言えません。大切なのは子供の心に寄り添い、納得のいく答えを一緒に探すことです。
ここでは、子供が辞めたいと言い出した時に親がとるべき具体的なアクションを紹介します。
まずは否定せずに理由をじっくり聞き出す
子供が勇気を出して「辞めたい」と言った時、反射的に「もう少し頑張りなさい」「せっかくここまでやったのに」と否定してしまうのは避けましょう。
まずはその気持ちを受け止め、「どうして辞めたいと思ったの?」と優しく理由を聞いてあげてください。
子供が話す理由は、表面的なものかもしれません。「疲れた」という言葉の裏には、「先生に怒られた」「友達と喧嘩した」「テストに落ちて悔しい」といった本当の理由が隠されていることがあります。
話しやすい雰囲気を作ることで、子供は自分の気持ちを整理することができます。親が味方であると感じさせることで、本音を話しやすくなるでしょう。
理由がわかれば、それが一時的なものなのか、解決可能な問題なのかを一緒に考えることができます。
一時的なスランプか本当に嫌なのかを見極める
子供の「辞めたい」には波があります。進級テストに落ちた直後や、練習でうまくいかなかった日などは、一時的に感情的になっているだけの可能性があります。
数日経てばケロッとして「やっぱり行く」と言うことも珍しくありません。
しかし、毎回行く前に腹痛や頭痛を訴えたり、更衣室で泣き出したりするような状態が続く場合は、深刻なストレスを抱えているサインかもしれません。
一時的なスランプであれば、少しハードルを下げて励ましたり、ご褒美を用意したりすることで乗り越えられることもあります。
一方で、精神的に追い詰められている場合は、無理に続けさせることが逆効果になりかねません。
子供の様子をよく観察し、それが「甘え」なのか「SOS」なのかを見極める冷静な目が必要です。
「休会」や「クラス変更」で環境を変えてみる
「辞める」という決断をする前に、環境を変えることで問題が解決する場合もあります。
多くのスイミングスクールには「休会制度」があります。1〜2ヶ月ほどお休みをして、プールから離れる時間を作ってみるのも一つの手です。
離れてみることで「やっぱり泳ぎたい」という気持ちが戻ってくることもあれば、そのままフェードアウトすることが最善だと気づくこともあります。
また、コーチや友達関係が理由であれば、通う曜日や時間帯を変更することで解決できるかもしれません。
クラスが変われば担当コーチも変わり、雰囲気もガラリと変わります。新しい環境で心機一転、やる気を取り戻す子も多いのです。
スクールの受付に相談すれば、クラスの空き状況やコーチの配置などを教えてもらえるので、一度相談してみることをおすすめします。
目標を再設定してやる気を引き出す工夫
漠然と通っているだけでは、モチベーションを維持するのは難しいものです。
「辞めたい」と言い出した時こそ、新たな目標を設定するチャンスかもしれません。
「次のテストで合格するまで頑張ってみよう」「あと3ヶ月だけ続けてみよう」「クロールが25メートル泳げるようになったら辞めてもいいよ」など、具体的で達成可能な目標を親子で話し合って決めましょう。
終わりが見えることで、子供は「そこまでは頑張ろう」という気持ちになれます。
そして、その目標を達成した時に、改めて「続けるか辞めるか」を問いかけてみてください。
達成感を味わうことで自信がつき、「もう少し続けたい」と前向きな気持ちに変わることもよくある話です。
もしそこで辞めることになっても、「目標を達成して卒業した」という成功体験として残るため、子供の自己肯定感を損なうことがありません。
スイミングを続けることで得られるメリットを再確認

辞めるかどうか迷っている時は、スイミングを続けることで得られるメリットを改めて確認してみることも大切です。
水泳は「習い事の王様」と呼ばれるほど、身体的にも精神的にも多くの良い効果をもたらします。
ここでは、スイミングを継続することで得られる主なメリットを3つ紹介します。
基礎体力が向上し風邪をひきにくい体になる
水泳は全身を使う有酸素運動であり、心肺機能を効率よく鍛えることができます。
水圧を受けることで呼吸筋が鍛えられ、深い呼吸ができるようになるため、喘息の改善に効果があるとも言われています。
また、体温よりも低い水の中で活動することで、体温調節機能が働き、免疫力が向上します。実際、「スイミングを始めてから風邪をひきにくくなった」「体力がついて学校生活でも疲れにくくなった」という声は非常に多いです。
基礎体力はすべてのスポーツや日常生活の土台となります。成長期に水泳でしっかりとした体を作っておくことは、将来にわたって大きな財産となるでしょう。
全身運動による心肺機能の強化と精神的なリフレッシュ
陸上の運動とは異なり、水中では浮力が働くため、関節や筋肉への負担が少なく、怪我のリスクが低いのが特徴です。
その一方で、水の抵抗は空気の何倍もあるため、短い時間でも高い運動効果が得られます。
バランスよく全身の筋肉を使うことで、姿勢が良くなり、しなやかな体が作られます。
また、水の中にいること自体にリラックス効果があると言われています。適度な疲労感と、水に包まれる浮遊感は、ストレス解消や精神的なリフレッシュにも最適です。
勉強や他のことで溜まったストレスを、プールで泳ぐことで発散できるという点は、メンタルヘルスケアの観点からも大きなメリットです。
困難を乗り越える忍耐力と達成感を味わえる
スイミングには明確な進級基準があり、目標達成のプロセスがわかりやすい習い事です。
何度も練習して、テストに落ちて悔しい思いをして、それでも諦めずに挑戦してやっと合格する。
この「努力して壁を乗り越える経験」こそが、子供の心を強く育てます。
簡単にクリアできない課題に向き合い、どうすれば上手くなるかを考え、継続して努力する力は、勉強や将来の仕事においても役立つ重要なスキルです。
「自分ならできる」という自己効力感は、小さな成功体験の積み重ねによって育まれます。
辞めたいという壁にぶつかった時こそ、それを乗り越えた先に大きな成長が待っているとも言えるのです。
本当に辞めてもいい?辞め時の判断基準とタイミング

「継続は力なり」と言いますが、無理に続けることが必ずしも正解とは限りません。
時にはきっぱりと辞めることが、子供や自分自身の成長につながることもあります。
では、どのようなタイミングが「良い辞め時」なのでしょうか。後悔しないための判断基準を3つ挙げます。
目標としていた級やタイムを達成した時
最も前向きで、後腐れがないのが「目標達成」による卒業です。
「4泳法(クロール・背泳ぎ・平泳ぎ・バタフライ)を習得したら辞める」「1級に合格したら辞める」など、最初からゴールを決めておく家庭も多いです。
区切りの良いところまでやり遂げたという達成感を持って辞めることができれば、それは「挫折」ではなく「卒業」になります。
子供も「やりきった!」という自信を持って、次のステップ(他の習い事や部活など)に進むことができるでしょう。
親としても、ここまで泳げるようになったなら、学校の授業やレジャーで困ることはないだろうと安心できます。
辞めたいと言い出した時に、もしあと少しで目標に届きそうなら、「あと1つ級が上がったら終わりにしよう」と提案してみるのも良い方法です。
スイミングに行く前に体調不良を訴える場合
精神的なストレスが身体症状として現れている場合は、無理をさせずに辞めることを検討すべきタイミングです。
スイミングの日になると「お腹が痛い」「頭が痛い」「吐き気がする」と訴えたり、表情が暗くなったりする場合は要注意です。
これは単なる「行きたくない」というワガママではなく、心からのSOSである可能性があります。
トラウマになってしまっては、水泳どころかスポーツ全般が嫌いになってしまう恐れもあります。
このような状態が見られたら、まずは休会して様子を見るか、思い切って退会して心身の健康を取り戻すことを最優先に考えましょう。
親の期待よりも、子供の笑顔と健康の方が大切であることを忘れてはいけません。
他に熱中できることや優先したいことが見つかった時
子供の興味や関心は成長とともに変化します。他にどうしてもやりたい習い事が見つかったり、受験勉強に専念したくなったりすることもあるでしょう。
時間は有限です。すべてを両立させることは難しいため、何かを選ぶためには何かを手放す必要があります。
「スイミングを辞めて、サッカーを本気でやりたい」「中学受験のために塾の日数を増やしたい」といった前向きな理由であれば、それは新しい挑戦へのステップアップです。
今までスイミングで培った体力や集中力は、次のステージでも必ず役に立ちます。
「逃げる」のではなく「選ぶ」というスタンスで辞めるのであれば、それは素晴らしい決断だと言えるでしょう。
子供が自分で考え、自分で決めた道を応援してあげることも親の役割です。
円満にスイミングを辞めるための手続きとマナー

いざ辞めることが決まったら、最後は気持ちよく終わりたいものです。
スクールへの迷惑をかけず、お世話になった感謝を伝えるために必要な手続きやマナーについて解説します。
立つ鳥跡を濁さずの精神で、スムーズな退会を目指しましょう。
退会届の締め切りや規約を事前に確認する
スイミングスクールには、退会に関する規約が必ずあります。
多くのスクールでは、「退会希望月の前月10日まで」や「当月の15日まで」といった締め切りが設けられています。
この期日を1日でも過ぎてしまうと、翌月分の会費が発生してしまうことがあります。口頭で伝えただけでは手続きが完了しない場合がほとんどで、指定の用紙への記入や印鑑が必要になることが多いです。
「辞めよう」と決めたら、まずはスクールの規約を確認するか、受付に問い合わせて締め切り日を把握しましょう。
ギリギリになって慌てないよう、余裕を持って手続きを進めることが大切です。
メモ:
休会手続きと退会手続きでは締め切り日が異なる場合があります。また、バスの利用停止手続きなども忘れずに行いましょう。
お世話になったコーチへの挨拶と感謝の伝え方
長く指導してくれたコーチには、感謝の気持ちを伝えたいものです。
直接会って挨拶するのが一番ですが、レッスン前後はコーチも忙しいため、タイミングが難しいこともあります。
そんな時は、最終日のレッスン前やレッスン後に少し時間を取ってもらえるか受付に確認するか、手紙を書いて渡すのも良いでしょう。
子供自身から「ありがとうございました」と伝えることは、礼儀を学ぶ良い機会にもなります。
菓子折りなどは必須ではありませんが、感謝の気持ちとして渡したい場合は、個包装で日持ちするものを選ぶと喜ばれます(ただし、スクールによっては受け取りを禁止している場合もあるので確認が必要です)。
最終日まで気持ちよく通うための心がけ
退会が決まってから最終日までの期間は、子供にとっても親にとっても少し気まずいかもしれません。
しかし、「もう辞めるから適当でいいや」という態度は避けたいものです。
最後の日までしっかりとレッスンに参加し、道具を大切に使い、挨拶をする。
そうすることで、「最後までやり遂げた」という達成感を持って終わることができます。
親としても、「最後の練習、楽しんでおいで!」と明るく送り出してあげましょう。
良い思い出としてスイミング生活を締めくくることができれば、またいつか泳ぎたくなった時に、スムーズに再開できるかもしれません。
まとめ:スイミングを辞めたい理由を整理して最善の選択を
スイミングを辞めたいと思う理由は、進級の悩み、練習のきつさ、人間関係、他の活動との兼ね合いなど多岐にわたります。
大切なのは、その「辞めたい」という気持ちを否定せず、親子でしっかりと向き合うことです。
一時的な感情なのか、環境を変えれば解決するのか、それとも新しいステップへ進むべきタイミングなのか。
冷静に状況を分析し、メリットやデメリットを比較検討することで、後悔のない決断ができるはずです。
続けるにしても辞めるにしても、その経験が子供やあなた自身の成長につながるよう、前向きな選択をしてください。
この記事が、悩んでいる方の背中を押すきっかけになれば幸いです。



