競泳のルールをわかりやすく解説!知っておきたい基本と反則

競泳のルールをわかりやすく解説!知っておきたい基本と反則
競泳のルールをわかりやすく解説!知っておきたい基本と反則
知識・ルール・タイム・大会

競泳は、ただ速く泳ぐだけでなく、定められたルールの中でいかに美しく、効率的に泳ぐかを競うスポーツです。「泳ぐのは好きだけど、細かいルールはよくわからない」「観戦していてなぜ失格になったのか気になった」という方も多いのではないでしょうか。ルールを知ることで、自分が泳ぐときの意識が変わるだけでなく、競技観戦の面白さも格段にアップします。

この記事では、競泳の基本的なルールから、種目ごとの特徴、意外とやってしまいがちな反則(失格)について、初心者の方にもわかりやすく解説します。ぜひ最後まで読んで、競泳の世界をより深く楽しんでください。

競泳のルール基本:スタートからフィニッシュまで

競泳には、すべての種目に共通する基本的なルールが存在します。まずは、レースの始まりから終わりまでの流れの中で、絶対に守らなければならないポイントを押さえましょう。

スタートの合図と「ワンスタート・ルール」

現在の競泳では、一度のフライングで即失格となる「ワンスタート・ルール」が採用されています。かつては1回までやり直しが認められていましたが、現在は厳格化されています。

審判長の笛の合図でスタート台に上がり、「Take your marks(テイク・ユア・マークス)」の声で静止します。その後、電子音(ピストル音)が鳴ってスタートします。このとき、合図より早く動いてしまうとフライングとなり、その場で失格、もしくはレース後に失格が告げられます。静止の姿勢を確実に保つことが重要です。

15メートルルールの重要性

スタート後やターンの後、潜水(水中に潜ったまま進むこと)ができる距離は「15メートルまで」と決められています。これは、水の抵抗が少ない水中を長く泳ぎ続けることで、呼吸制限による危険性が高まるのを防ぐため、そして競技の公平性を保つためです。

15メートルのラインには、コースロープの色が変わるなどの目印があります。選手の頭の一部が、この15メートルラインを超える前に必ず水面上に出なければなりません。これを過ぎてから浮上すると「15m違反」として失格になります。

フィニッシュとタッチの決まり

レースの終わり、つまりフィニッシュは、選手の体の一部が壁(タッチ板)に触れた瞬間に判定されます。近年はタッチ板を強く押し込むことでタイムが計測される電子計時が主流です。
種目によって「片手で良い」場合と「両手同時でなければならない」場合があります。特に初心者の場合、力を使い果たしてタッチが甘くなり、時計が止まらないというケースもあるため、最後までしっかりと壁に触れる意識が必要です。

クロール(自由形)と背泳ぎのルール

ここからは各種目のルールを見ていきましょう。まずは、最も馴染み深い「自由形(クロール)」と、唯一仰向けで泳ぐ「背泳ぎ」について解説します。

自由形の定義と泳ぎ方

「自由形」は、その名の通り「どんな泳ぎ方でも良い」種目です。しかし、現在の競泳界では最も速く泳げる泳法として「クロール」が選ばれるため、実質的に「自由形=クロール」となっています。

ルール上は、途中で泳ぎ方を変えても問題ありませんし、極端な話、犬かきで泳いでも失格にはなりません。ただし、プールの底を歩いたり蹴ったりして進むことは禁止されています(底に立つだけなら失格にはなりませんが、そこから蹴り出すとアウトです)。また、個人メドレーやメドレーリレーにおける「自由形」は、他の3泳法(バタフライ、背泳ぎ、平泳ぎ)以外の泳ぎ方でなければならないという規定があります。

背泳ぎのスタートとターン

背泳ぎは唯一、水中からスタートします。壁に取り付けられたグリップを握り、足を壁にかけてスタートの合図を待ちます。

競技中は常に仰向けの姿勢を保つ必要がありますが、ターン(折り返し)の時だけは例外的な動きが認められています。壁の手前で一度うつ伏せになり、前転するように回る「クイックターン」を行うことが可能です。ただし、うつ伏せになった後は、連続した動作ですぐにターンを行わなければならず、キックを打って進んだり、ためらったりすると「背泳ぎの姿勢違反」となります。

背泳ぎのフィニッシュ時の注意点

背泳ぎで最も多い失格の一つが、「ゴールタッチの時にお腹を向いてしまう」ことです。

勢いよくゴールしようとして、体をひねりすぎたり、壁を見るために振り返ったりして体がうつ伏せに近い状態になると失格になります。ルールでは「体の一部が水面から出ていて、仰向けの姿勢であること」が求められます。最後まで空(天井)を見たまま、背中で壁にタッチするイメージを持つことが大切です。

平泳ぎとバタフライのルール

平泳ぎとバタフライは、左右対称の動きやタッチの仕方に細かい決まりがあり、初心者にとって失格になりやすい種目です。しっかりとポイントを理解しておきましょう。

平泳ぎのキックと手のかき方

平泳ぎは、最も歴史が古く、かつ最もルールが厳格な泳法と言われています。基本は「左右対称」の動きです。右手と左手、右足と左足は、常に同時に同じ動きをしなければなりません。

例えば、片足だけタイミングがずれたり、あおり足(足の裏ではなく甲で水を蹴る動作)になったりすると失格です。また、手のかき(ストローク)は、スタートやターンの直後を除き、お尻のライン(ヒップライン)より後ろまで水をかいてはいけません。常に体の前方で動作を完結させる必要があります。

スタート・ターン後の「ひと掻きひと蹴り」

平泳ぎには、スタートとターンの直後に限り、水中での特別な動作が認められています。これを「ひと掻きひと蹴り(プルアウト)」と呼びます。

具体的には、「腕を太ももまで大きくかく動作」と「ひとかきのドルフィンキック」、そして「平泳ぎのキック」を組み合わせた一連の動きです。この動作中は体が完全に水没していても構いませんが、2回目のかき動作に入る前に、頭が水面に出なければなりません。この手順や回数を間違えると、即座に失格となります。

バタフライの腕と足の動き

バタフライも平泳ぎと同様に、左右の手足を同時に動かす必要があります。特に腕は、「水面上を前方に運ぶ」ことがルールで定められています。疲れて腕が水面を擦ったり、水中で前に戻したりすると反則になります。

足の動きは「ドルフィンキック」と呼ばれ、両足を揃えて同時に上下させます。クロールのような交互のバタ足(フラッターキック)が混ざってしまうと失格です。豪快に見えますが、リズムと左右のバランスが崩れるとすぐにルール違反になってしまう繊細な種目です。

両手同時タッチの絶対ルール

平泳ぎとバタフライの最大の特徴は、ターンとゴール時に「両手同時にタッチ」しなければならない点です。

片手だけでタッチしたり、両手が離れてタイミングがずれてタッチしたりすると失格になります。タッチ板に触れる位置(高さ)が左右で多少違っても「同時」であれば問題ありませんが、明らかに片手が遅れている場合は審判に見抜かれます。初心者は疲れてくると片手でタッチしがちなので、練習の時から「両手で壁を触る」癖をつけることが非常に大切です。

個人メドレーとリレー種目のルール

複数の泳法を組み合わせるメドレー種目や、チームで戦うリレー種目には、泳ぐ順番や引き継ぎに関する独自のルールがあります。

個人メドレーの泳ぐ順番

個人メドレー(IM)は、1人の選手が4つの泳法をすべて泳ぐ過酷な種目です。泳ぐ順番は以下の通り決まっています。

1. バタフライ

2. 背泳ぎ

3. 平泳ぎ

4. 自由形

それぞれの泳法の距離は均等です(例:200m個人メドレーなら各50m)。特に注意が必要なのは、背泳ぎから平泳ぎへのターンです。背泳ぎのフィニッシュ(壁へのタッチ)は必ず仰向けで行わなければならず、そこから平泳ぎに移る動作が複雑になるため、ルール違反が起きやすいポイントです。

メドレーリレーの泳ぐ順番

4人でチームを組み、異なる泳法をつなぐ「メドレーリレー」では、個人メドレーとは泳ぐ順番が異なります。

1. 背泳ぎ

2. 平泳ぎ

3. バタフライ

4. 自由形

なぜ順番が違うのでしょうか?理由は「スタートの方法」にあります。背泳ぎだけが水中からスタートするため、第1泳者でないとスムーズな引き継ぎができないからです。この順番の違いは試験やクイズでもよく出るポイントなので、覚えておくと役立ちます。

リレーの引き継ぎ違反について

リレー種目で最も緊張するのが「引き継ぎ」です。前の泳者が壁にタッチしてから、次の泳者の足がスタート台から離れなければなりません。

もし、前の泳者がタッチするよりも早く次の泳者が飛び出してしまうと「引き継ぎ違反」となり、チーム全体が失格になります。その許容範囲は「マイナス0.03秒」までと非常にシビアです(機械判定の場合)。0.01秒を争う攻防の中で、極限のタイミングを合わせる技術が求められます。

意外と知らない?よくある反則と失格

最後に、初心者の方や、久しぶりに大会に出る方がうっかりやってしまいがちな「その他の反則」について紹介します。

泳法違反(ストローク・キック)

それぞれの種目には、ここまで解説した以外にも細かい規定があります。
例えば、平泳ぎ中にドルフィンキックを打ってしまう(スタート・ターン直後の1回以外)、バタフライで足が交互に動いてしまう、といった違反です。特に疲れが出てくるレース後半にフォームが崩れ、無意識に違反をしてしまうケースが多く見られます。審判員はプールサイドから常に泳ぎをチェックしており、違反があれば失格の合図を出します。

ターン動作での違反

ターンは壁際での素早い動作が求められるため、ミスが起きやすい瞬間です。
よくあるのが、壁に足が届かずに空振りしてしまうケースです。一度壁の方向へ向かってターン動作に入ったのに壁に触れられず、もう一度水をかいて壁に近づこうとすると、泳法によっては違反になります。必ず一度で壁に到達できるよう、自身のストローク数を把握しておく練習が必要です。

水着やキャップの規定

公式大会では、着用する水着やキャップにもルールがあります。
国際水泳連盟(World Aquatics、旧FINA)の承認マークがついた水着でなければ記録が認められない場合があります。また、水着を2枚重ねて着用することは禁止されています。これは浮力を不当に得ないためのルールです。さらに、体へのテーピングも原則禁止されており、怪我などで必要な場合は事前に医師の診断書と審判長の許可が必要になります。

補足:アクセサリーについて
ネックレスや腕時計、スマートウォッチなどを着用してのレース出場は禁止されています。練習中は良くても、大会では外すのを忘れないようにしましょう。ペースメーカー代わりになる機器の使用は厳禁です。

競泳のルールを理解して観戦やレースをもっと楽しもう

まとめ
まとめ

今回は、競泳の基本的なルールから各種目の特徴、失格になりやすいポイントについて解説しました。改めて要点を振り返ります。

まず、スタートは「一発勝負」であり、フライングは即失格となります。水中に潜れるのは「15メートルまで」という距離制限も全種目共通の重要ルールです。種目別に見ると、自由形と背泳ぎは比較的自由度が高いものの、背泳ぎのターンやゴール時の姿勢には注意が必要です。一方、平泳ぎとバタフライは「左右対称」の動きと「両手同時タッチ」が絶対条件であり、技術的な違反が起きやすい種目と言えます。

また、個人メドレーとメドレーリレーでは泳ぐ順番が異なることや、リレーの引き継ぎがいかにシビアなタイミングで行われているかを知ると、レースを見る目が変わるはずです。
ルールは厳格ですが、それはすべての選手が公平な条件で全力を出し切るために存在します。これから水泳を始める方も、観戦を楽しむ方も、ぜひこのルールを頭の片隅に置いて、競泳の奥深さを味わってください。

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