水泳基本用語をマスターしてプールをもっと楽しもう!初心者のための用語集

水泳基本用語をマスターしてプールをもっと楽しもう!初心者のための用語集
水泳基本用語をマスターしてプールをもっと楽しもう!初心者のための用語集
知識・ルール・タイム・大会

水泳を始めたばかりの頃、コーチや周りのスイマーが話す言葉がまるで呪文のように聞こえたことはありませんか?「今日のメニューはインターバルで、サークルは1分30秒ね」「ラストはハードで!」など、水泳には独特の専門用語がたくさん存在します。これらの水泳基本用語を知っているだけで、練習の意図がスムーズに理解できるようになり、上達スピードも格段に上がります。

また、大会に出場する際や仲間と水泳談義をする時にも、共通言語として役立つでしょう。この記事では、初心者の方が最初に押さえておきたい基本的な用語から、練習メニューでよく使われる実践的な言葉まで、わかりやすく解説していきます。用語の意味を理解して、より深く、より楽しくスイミングライフを充実させていきましょう。

泳ぎの基本!まずはここから覚えたい水泳基本用語

水泳の世界に足を踏み入れると、まず最初に耳にするのが泳ぎ方や基本的な動作に関する用語です。これらは水泳の土台となる部分であり、スクールや練習会でも頻繁に使われます。用語の意味を正しく理解することで、コーチのアドバイスが頭に入りやすくなり、自分の身体をどう動かせば良いのかイメージしやすくなるはずです。ここでは、最も基礎的な4つの泳法から、泳ぎの各局面を表す言葉まで、絶対に知っておきたい重要単語を紹介します。

4泳法(Fr・Ba・Br・Fly)

水泳競技で公式に認められている4つの泳ぎ方を「4泳法」と呼びます。練習メニューのボードなどでは、英語の頭文字を取った略称で書かれることが一般的ですので、セットで覚えておくと便利です。

まず「Fr(フリー)」はフリースタイル、つまり自由形のことを指しますが、一般的にはクロールを意味します。最も速く泳げる泳法として親しまれています。次に「Ba(バック)」はバックストローク、背泳ぎのことです。唯一仰向けで泳ぐため、呼吸が確保しやすいのが特徴です。

「Br(ブレスト)」はブレストストローク、平泳ぎを指します。カエルのような足の動きが特徴的で、最も古くからある泳法と言われています。最後に「Fly(フライ)」はバタフライです。両腕を同時に回し、イルカのようなドルフィンキックを使う、ダイナミックで難易度の高い泳ぎ方です。

これらの略称は、毎日の練習メニュー表に必ずと言っていいほど登場します。「今日はBrの練習か」とパッと見て分かるようになれば、脱初心者の第一歩と言えるでしょう。

メニュー表では「Fr 50m」や「Fly 25m」のように表記されます。略称を覚えておくとスムーズに練習に入れます。

ストリームライン(けのび)

水泳において最も重要と言っても過言ではない基本姿勢が「ストリームライン」です。日本語では「けのび」とも呼ばれますが、単に壁を蹴って進むことだけを指すのではありません。水の抵抗を極限まで減らすために作る、一直線の姿勢のことを指します。

具体的には、両手を頭の上で重ね、腕で耳を挟むようにして真っ直ぐ伸ばし、足先までピンと一直線にします。この姿勢が美しく作れるかどうかで、泳ぎの効率は大きく変わります。どんなに力強いキックやプルができても、このストリームラインが崩れていては、水の抵抗を受けてしまい前に進みません。

上級者ほど、壁を蹴った後のストリームラインを維持する距離が長く、スゥーっと水の中を滑るように進んでいきます。練習中、「ストリームラインを意識して!」とコーチから声がかかるのは、抵抗を減らす基本姿勢が崩れているサインかもしれません。泳ぎ出す前、ターンした後など、あらゆる場面で基本となる姿勢です。

キャッチ・プル・プッシュ・リカバリー

腕の動き(ストローク)は、役割ごとに4つの局面に分けられます。これらを理解すると、自分がどこの動作でつまずいているのかを分析しやすくなります。

まず「キャッチ」は、入水した手で水を捉える瞬間のことです。指先で水の重みを感じ、これから後ろへ運ぶ水を確保する重要な動作です。ここが上手くいかないと、手が水をすり抜けてしまいます。

次に「プル」は、キャッチした水を体の下へ引き寄せる動作です。広背筋などの大きな筋肉を使い、水を抱え込むようにして運びます。推進力を生む前半のパートと言えます。
続いて「プッシュ」は、引き寄せた水を体の後ろへ押し出す動作です。腕を伸ばしきる最後まで水を押し切ることで、大きな推進力が得られます。多くの初心者がこのプッシュをおろそかにしがちですが、加速には欠かせない要素です。

最後に「リカバリー」は、水を押し終わった腕を空中で(平泳ぎの場合は水中で)前方に戻す動作です。できるだけ脱力し、次のストロークに備えてリラックスすることがポイントです。この一連の流れをスムーズにつなげることが、綺麗な泳ぎへの近道です。

自由形(フリー)と個人メドレー(IM)

「自由形」と聞くとクロールを思い浮かべる人が多いですが、正確には「どんな泳ぎ方でも良い」という種目名です。しかし、現状ではクロールが最も速い泳法であるため、競技会では全員がクロールを選択します。そのため、実質的に「自由形=クロール」として定着していますが、ルール上は犬かきでも横泳ぎでも構いません。

一方、「個人メドレー」は、1人の選手が4つの泳法を順番に泳ぐ過酷かつ華やかな種目です。英語ではIndividual Medleyと呼ばれ、略して「IM(アイエム)」や「コンメ」と表記されます。泳ぐ順番は決まっており、バタフライ→背泳ぎ→平泳ぎ→自由形の順です。

練習メニューでも「200m IM」といった指示が出ることがあります。これは4泳法すべてをバランスよく習得していないと泳ぎ切れないため、総合的な泳力を測るバロメーターともなります。初心者のうちは全ての泳法を覚えるのが大変ですが、IMを泳げるようになることを一つの目標にすると、練習のモチベーション維持にもつながります。

練習メニューが読める!プールでよく使うカタカナ用語

プールサイドに置かれたホワイトボードや、コーチから配られるメニュー表には、独特のカタカナ用語や数字が並んでいます。これらは練習の効率を高めるための共通言語であり、知っているだけで「次はどうすればいいの?」という不安が解消されます。ここでは、毎日の練習で頻出する、トレーニングに関する用語を解説します。数字や時間の管理に関する言葉が多いので、少しずつ慣れていきましょう。

サークル(サイクル)

水泳の練習で最も特徴的で、初心者が最初に戸惑うのがこの「サークル」という概念です。別名「サイクル」とも呼ばれます。これは「1本を泳ぐのに与えられた持ち時間」のことを指します。
例えば、「50m×4本 1分サークル(1’00″)」というメニューがあったとします。これは「50mを泳ぎ、休憩を含めて1分経過したら、強制的に2本目をスタートする」という意味です。もし50mを40秒で泳げば、残りの20秒が休憩時間(レスト)になります。しかし、55秒かかってしまった場合は、休憩はわずか5秒しかありません。

つまり、速く泳げば泳ぐほど休憩時間が長くなり、遅くなると休憩が減って苦しくなるというシステムです。時計の秒針を見ながら、例えば「60(00)秒、15秒、30秒、45秒」といった区切りの良いタイミングで次々とスタートを切ります。この管理方法により、集団での練習がスムーズに進み、かつ個々の泳力に応じた負荷をかけることができるのです。

例:1分10秒サークルの場合

1本目スタート:0分00秒
2本目スタート:1分10秒
3本目スタート:2分20秒

セットとレスト

筋力トレーニングと同様に、水泳の練習も「セット」で組まれることが一般的です。数本の泳ぎをひとまとまりにしたものを1セットと数えます。

例えば、「(50m×4本)×3セット」というメニューなら、50mを4回泳ぐという塊を、間に休憩を挟んで3回繰り返すことになります。合計で12本泳ぐことになりますが、セット間には長めの休憩が入るのが普通です。

この休憩のことを「レスト」と呼びます。メニュー表には「Set Rest 2’00″(セット間休憩2分)」のように書かれます。レストは単に休むだけでなく、水分補給を行ったり、コーチからのアドバイスを聞いたり、次のセットに向けて心拍数を整えたりするための重要な時間です。

サークル内の短い休憩と、セット間の長いレストを区別して認識することで、全力を出すべきタイミングと、呼吸を整えるべきタイミングのメリハリがつきます。適切なレストを取ることは、質の高い練習を維持するために不可欠です。

イージー(Easy)とハード(Hard)

練習メニューには、泳ぐ距離や時間だけでなく、どのくらいの強さで泳ぐかという「強度」の指定も頻繁に登場します。その代表的なものが「イージー(Easy)」と「ハード(Hard)」です。
「ハード(H)」と書かれていたら、その名の通り全力に近いスピードで、一生懸命泳ぐことを意味します。心拍数を上げ、筋肉に負荷をかけるトレーニングです。ダッシュと言い換えられることもあります。

対して「イージー(E)」は、ゆっくりリラックスして泳ぐことを指します。しかし、これは単にサボって良いという意味ではありません。ハードで乱れた呼吸を整えたり、フォームが崩れていないか確認したりしながら、流すように泳ぐ「積極的休養」の時間です。
メニューでは「50m×4本 (1H/1E)」のように組み合わされることもあります。これは「1本ハードで泳いだら、次の1本はイージーで」という繰り返しを意味します。この緩急をつけることで、持久力やスピードの切り替え能力を養うことができます。

ディセンディング(DES)とビルドアップ(B-UP)

ペース配分に関する専門用語として、ぜひ覚えておきたいのがこの2つです。どちらも徐々にスピードを上げていく練習ですが、そのアプローチが異なります。

「ディセンディング(Descending)」は、本数を重ねるごとにタイムを速くしていく練習法です。略して「DES」と書かれます。例えば「50m×4本 DES」なら、1本目より2本目、2本目より3本目と、徐々にタイムを上げていき、最後の4本目で最高速度を出します。自分のペース感覚を養うのに最適な練習です。

一方、「ビルドアップ(Build-up)」は、1本の泳ぎの中で徐々にスピードを上げていく方法です。略して「B-UP」です。例えば「200m B-UP」なら、最初の50mはゆったり入り、次の50mは少し速く、ラスト50mは全力で泳ぐといった具合です。

これらは単に速く泳ぐだけでなく、コントロール能力を高める高度な練習です。「前半飛ばしすぎて後半バテた」という失敗を防ぐためにも、意図的にスピードを変化させる技術は非常に役立ちます。

ディセンディングは「本数ごと」、ビルドアップは「距離の中」でスピードを上げる、と覚えましょう。

水泳独自の道具をマスター!アイテムに関する用語

プールサイドを見渡すと、色とりどりの板や不思議な形をした道具が置かれています。水泳には練習効果を高めるための専用グッズがいくつかあり、それぞれに名称と目的があります。これらの道具を適切に使いこなすことで、特定の筋肉を鍛えたり、フォームの弱点を修正したりすることができます。ここでは、初心者がまず揃えるべき基本アイテムから、ステップアップのための道具までを紹介します。

プルブイ・ビート板(キックボード)

最もポピュラーな練習道具が「ビート板」です。英語圏や競泳の現場では「キックボード」とも呼ばれます。主にキック練習の際に使用し、両手で持って上半身を浮かせ、足の動きだけに集中するために使います。初心者にとっては、顔を上げたまま息継ぎなしでキックを確認できる頼もしい相棒です。

一方、数字の8のような形をした発泡スチロール製の道具が「プルブイ」です。これは太ももや股の間に挟んで使用します。プルブイを挟むと下半身が浮くため、キックを打たずに腕の動き(プル)だけで泳ぐ練習ができます。

多くのプールでは、ビート板とプルブイは備え付けのものが自由に使えます。メニューに「Kick(キック)」とあればビート板を、「Pull(プル)」とあればプルブイを用意するのが一般的な流れです。これらを使い分けることで、手と足それぞれの動きを分解して強化することが可能になります。

パドル・フィン

中級者以上がフォーム矯正や筋力アップのために使うのが「パドル」と「フィン」です。
「パドル」は手のひらに装着するプラスチック製のプレートです。素手よりも面積が広くなるため、水を捉える感覚(キャッチ感)が鋭くなり、より多くの水をかくための筋力トレーニングになります。ただし、正しいフォームでかかないと水の抵抗でズレてしまうため、技術練習としても非常に有効です。

「フィン」はいわゆる足ひれのことです。これを装着すると、驚くほど楽にスピードが出ます。足首の柔軟性を高めたり、正しいキックの打ち方を体に覚え込ませたりするのに役立ちます。また、スピードが出ることで、レースペースに近い感覚で体の姿勢(ボディポジション)を確認する練習にもなります。

これらの道具は、プールによっては使用が禁止されている時間帯やレーンがあるため、使用前には必ず施設のルールを確認しましょう。

スイムキャップ(メッシュ・シリコン)・ゴーグル

水泳の必須アイテムである帽子とメガネにも、種類と呼び名があります。
スイムキャップには主に「メッシュキャップ」と「シリコンキャップ」の2種類があります。メッシュキャップは網目状の生地でできており、水抜けが良く蒸れにくいのが特徴です。価格も安く耐久性があるため、日々の練習用に最適です。一方、シリコンキャップはゴム製で頭にぴったりフィットし、水の抵抗を最小限に抑えます。髪が濡れにくいというメリットもありますが、主な目的はレースでのタイム短縮です。練習ではメッシュ、大会ではシリコンと使い分ける人が多いです。

ゴーグルにも、クッションが付いているタイプと、付いていない「ノンクッション」タイプがあります。ノンクッションは競技用として水の抵抗を減らす設計になっていますが、長時間つけると目の周りが痛くなることもあります。初心者はまず、着け心地の良いクッション付きを選ぶのが無難でしょう。色付きのレンズやミラー加工など、デザインも豊富なので、ウェアに合わせて選ぶ楽しみもあります。

フォーム改善に役立つ!体の動きと姿勢に関する用語

水泳は「抵抗との戦い」と言われるほど、水の抵抗をいかに減らすかが重要なスポーツです。そのため、体の姿勢や細かな動きを表す専門用語が数多く存在します。コーチから「もっとロールして」「ハイエルボーで」とアドバイスされた時、その言葉が体のどの部分をどう動かすことを指しているのか理解できれば、上達への近道となります。ここでは、より美しく効率的に泳ぐための動作に関する重要ワードを解説します。

グライド・伸び

クロールや平泳ぎなどで、ストローク(手のかき)とストロークの間に生まれる、スーッと進む時間のことを「グライド」または「伸び」と呼びます。

初心者の泳ぎと上級者の泳ぎの決定的な違いは、このグライドの有無にあります。初心者は沈むのを怖がって手を絶え間なく回しがちですが、これでは水の抵抗が増え、すぐに疲れてしまいます。一方、上級者は一度かいた力を利用して、体を真っ直ぐに伸ばし、惰性で進む時間を大切にします。

特に平泳ぎでは、キックを打った後にしっかりと体を一直線にして「伸びる」時間を作ることが必須です。クロールでも、片手が前にある時にもう片方の手がリカバリーしてくるまで、前の手でしっかりと水を捉えつつ「伸び」を感じることが大切です。
「泳ぐ」のではなく「滑る」感覚を掴むことが、グライド習得のコツです。焦らず、水に乗る感覚を養いましょう。

ハイエルボー

「ハイエルボー」とは、文字通り「肘(エルボー)を高く(ハイ)保つ」技術のことです。主にクロールの水中の動作(プル)と、水上の動作(リカバリー)の両方で使われる言葉ですが、特に水中でのキャッチからプルにかけての動作で重要視されます。

水中で水をかく際、肘が下がって手首だけで水を撫でてしまうと、力が逃げてしまいます。肘を高い位置に保ち、肘から先を内側に向けて「面」を作ることで、腕全体を使って大量の水を後ろへ押し出すことができます。これがハイエルボーキャッチです。

また、リカバリー(腕を前に戻す動作)の際も、肘を高く引き上げることで、指先が水面ギリギリを通り、無駄なエネルギーを使わずに腕を前へ運ぶことができます。肩甲骨の柔軟性が必要な動きですが、推進力を最大化し、かつ肩への負担を減らすために非常に重要なテクニックです。

スカーリング

「スカーリング」は、手のひらで水を「撫でる」ように動かし、揚力(浮く力)や推進力を生み出す技術練習のことです。英語のScull(小舟を漕ぐ)が語源です。

通常、水泳では水を後ろに押して進みますが、スカーリングでは手を横に滑らせたり、八の字を描いたりして、水の感触を確かめます。この練習をすることで、「水をつかむ(キャッチ)」感覚が鋭くなります。水を単なる液体としてではなく、重みのある物体として捉えられるようになると、ストロークの効率が劇的に向上します。

練習では、身体の前で小さく手を動かす「フロントスカーリング」や、体の後ろで行う「リアスカーリング」などがあります。地味な動きに見えますが、トップスイマーほどこのスカーリングが上手く、水感(すいかん)と呼ばれる能力に優れています。

ロール(ローリング)

クロールや背泳ぎにおいて、体を左右に回転させる動きを「ローリング」または「ロール」と呼びます。水泳では体をフラットに保つのが基本ですが、それは「左右に振れない」という意味ではありません。

実際には、右手を入水させる時には体全体を左に傾け、左手を入水させる時には右に傾けるというように、体の軸を中心に丸太のように回転運動を行っています。このローリングを行うことで、腕を遠くへ伸ばすことができ(ストローク長が伸びる)、背中の大きな筋肉を使って力強く水をかくことが可能になります。

また、呼吸動作もスムーズになります。首だけで横を向こうとすると姿勢が崩れますが、ローリングに合わせて体ごと横を向けば、自然と口が水面上に出て呼吸ができます。ただし、過度なローリングはバランスを崩す原因になるため、適度な角度(一般的には45度程度まで)を保つことが大切です。

大会やルールに関わる水泳用語

練習に慣れてくると、「いつかは大会に出てみたい」という目標が生まれるかもしれません。また、世界水泳やオリンピックなどのテレビ観戦をする際にも、ルールや競技特有の用語を知っていると面白さが倍増します。ここでは、スタートからゴール、そして失格に関するルールなど、競技会や公認記録会で必ず耳にする用語について解説します。ルールを知ることは、自分の泳ぎを正しく評価するためにも大切です。

スタートとターン

競泳のスタートには、飛び込み台から飛び込む方法と、水中からスタートする方法の2種類があります。クロール、平泳ぎ、バタフライは飛び込みスタートです。現在は、陸上競技のように足を前後に開いて構える「クラウチングスタート」が主流です。一方、背泳ぎだけは水中の壁にあるグリップを握ってスタートします。

また、プールの壁に到達した際の方向転換を「ターン」と呼びます。クロールや背泳ぎでは、壁の手前で前転して足で壁を蹴る「クイックターン」が一般的です。これに対し、平泳ぎとバタフライでは、必ず両手で同時に壁にタッチしてから回る「タッチターン」を行うというルールがあります。

これらのスタートやターンの技術は、タイムを縮めるための大きな要素です。特に短水路(25mプール)の大会では、ターン回数が多いため、ここでの技術差が勝敗を分けることも少なくありません。

フライングとDQ(失格)

競技において最も避けたいのが「失格」です。結果速報の掲示板に「DQ」や「DSQ」という文字が表示されると、それはDisqualified(失格)を意味します。

最も分かりやすい失格理由は「フライング」です。スタートの合図より早く動いてしまうことで、現在は「1発失格」のルールが採用されています。誰か一人がフライングをしても号砲は鳴り止まずレースは続行されますが、レース後に失格が告げられます。

その他のDQ理由としては、「泳法違反」があります。例えば、平泳ぎで足の裏以外で水を蹴った(あおり足)、バタフライで手の動きが左右非対称だった、背泳ぎのターン直前でうつ伏せになってからストロークをしすぎた、などが挙げられます。公式大会でなくとも、普段の練習から正しいルールを意識して泳ぐことが、綺麗なフォーム作りにもつながります。

短水路と長水路

水泳のプールには、長さによって2つの規格があります。25mプールを「短水路(たんすいろ)」、50mプールを「長水路(ちょうすいろ)」と呼びます。

一般的に、日本のスイミングスクールやジムの多くは25mの短水路です。一方、オリンピックや世界水泳などの大きな国際大会は、50mの長水路で行われます。
面白いことに、同じ選手の同じ種目でも、短水路と長水路ではタイムが異なります。短水路の方が壁を蹴る(ターンする)回数が多いため、その分加速のチャンスが増え、タイムが速くなる傾向があります。これを「短水路記録」と呼びます。

「ベストタイムは?」と聞かれた際、水泳経験者は「短水路(ショート)で○○秒、長水路(ロング)で○○秒」と使い分けて答えることがよくあります。自分の泳ぐプールがどちらなのかを意識すると、目標タイムの設定もしやすくなります。

タッチ(片手・両手)

レースの最後、ゴールを決める瞬間の動作を「タッチ」と言います。たかが壁に触れるだけと思いがちですが、ここにも厳格なルールが存在します。
自由形(クロール)と背泳ぎは、身体のどの一部でも良いので壁に触れればゴールと認められます。通常は片手でタッチします。
しかし、平泳ぎとバタフライは違います。ルール上、「両手同時に」かつ「離れた状態で」壁にタッチしなければなりません。片手が先に着いてしまったり、手が重なった状態でタッチしたりすると、せっかく泳ぎ切っても失格(DQ)となってしまいます。
疲れてくるとタイミングが合わず、つい片手で触れてしまいそうになりますが、最後まで気を抜かずに両手でしっかりタッチすることが求められます。練習中から「ラストは両手タッチ!」と意識する習慣をつけることが大切です。

まとめ:水泳基本用語を理解してスイミングライフを充実させよう

まとめ
まとめ

今回は、水泳を始めたばかりの方が知っておきたい「水泳基本用語」について詳しく解説してきました。最初は聞き慣れないカタカナや略語に戸惑うこともあるかもしれませんが、意味が分かってくると、練習メニューの意図が理解できるようになり、水泳の奥深さに気づくことができます。

今回紹介したポイントの振り返り:

  • 4泳法と略称:Fr(クロール)、Ba(背泳ぎ)、Br(平泳ぎ)、Fly(バタフライ)は基本中の基本。
  • 練習メニュー用語:サークル(持ち時間)、レスト(休憩)、イージー・ハード(強度)を理解して練習効率アップ。
  • 道具と動作:プルブイやビート板の使い分け、ストリームラインやハイエルボーなどの技術用語を意識してフォーム改善。
  • ルール:タッチの方法や失格事項を知ることで、競技への興味や正しい泳ぎの習得につなげる。

言葉を覚えることは、単なる知識の蓄積ではなく、あなたの身体感覚を研ぎ澄ませるためのツールを手に入れることです。コーチのアドバイスが「なるほど!」と腑に落ちる瞬間が増えれば、水泳はもっと楽しく、もっと快適になります。ぜひ、これらの用語をプールサイドで使いながら、素敵なスイミングライフを送ってください。

タイトルとURLをコピーしました