背泳ぎのコツを初心者向けに解説!楽に泳ぐための基本と練習法

背泳ぎのコツを初心者向けに解説!楽に泳ぐための基本と練習法
背泳ぎのコツを初心者向けに解説!楽に泳ぐための基本と練習法
泳ぎ方のコツ・技術

「背泳ぎに挑戦したいけれど、すぐに沈んでしまう」「鼻に水が入るのが怖くて続かない」といった悩みをお持ちではありませんか?背泳ぎは顔が水面に出ているため、本来は息継ぎがしやすく、とてもリラックスできる泳ぎ方です。

コツさえ掴めば、長時間楽に泳ぎ続けることも夢ではありません。この記事では、水泳初心者の方が背泳ぎをマスターするために必要な基本姿勢、キック、手の回し方、そして鼻に水が入らないための対策までを、やさしく丁寧に解説します。正しいフォームを身につけて、水と一体になる心地よさを体感しましょう。

背泳ぎのコツは初心者がまず覚えるべき「浮き身」の姿勢から

背泳ぎがうまくいかない最大の原因は、実は「泳ごう」として体に力が入りすぎていることにあります。背泳ぎで最も大切なのは、手足を動かすことよりも、まずは水に浮く姿勢、すなわち「浮き身」を安定させることです。正しい姿勢が取れていれば、体は自然と水面に浮かび上がり、沈む心配がなくなります。

耳の位置と目線で頭を安定させる

初心者が背泳ぎで沈んでしまう一番の理由は、頭が持ち上がっていることです。顔に水がかかるのを恐れて頭を持ち上げると、シーソーの原理で下半身が沈んでしまいます。これを防ぐためには、耳が完全に水の中に入るまで頭を寝かせることが重要です。

具体的には、プールの天井を真っ直ぐ見上げるようにします。アゴを引きすぎると頭が上がり、逆アゴを上げすぎると鼻に水が入りやすくなります。自分の真上を見るような自然な目線を保ちましょう。「枕に頭を乗せる」ような感覚で、頭の重さをすべて水に預けてしまうのがコツです。頭の位置が決まれば、背泳ぎの土台は8割完成したと言っても過言ではありません。

腰の位置とお腹の意識

頭の位置が正しくても、腰が折れて「くの字」になってしまうと、お尻から沈んでいきます。これを防ぐためには、おへそを水面ギリギリまで持ち上げる意識を持ちましょう。イメージとしては、お腹の少し下あたりを天井から糸で吊り上げられているような感覚です。

ただし、お腹を突き出そうとしすぎて腰を反らせてしまうのはNGです。腰痛の原因になります。大切なのは「反る」のではなく「伸ばす」こと。背骨を長く伸ばすようなイメージを持ち、お尻の穴をキュッと締めるように力を入れると、骨盤が安定し、フラットで綺麗な姿勢(ストリームライン)を作りやすくなります。この姿勢が取れると、水の抵抗が最小限になり、少しの力でスーッと進むようになります。

リラックスすることの重要性

水泳全般に言えることですが、特に背泳ぎでは「脱力」が浮力を生み出す鍵となります。筋肉が緊張してガチガチになっていると、体は重くなり沈みやすくなります。逆に、深呼吸をして体の力を抜けば、肺に空気が溜まり、浮き輪のような役割を果たしてくれます。

初心者のうちは、水に対する恐怖心からどうしても肩や首に力が入ってしまいがちです。まずは壁を持って仰向けに浮かび、大きく息を吸って肺を空気で満たしてみてください。そして、水に体を委ねる感覚を覚えましょう。「水は自分を支えてくれるベッドだ」と思い込むくらいのリラックス感が、美しい背泳ぎへの第一歩です。

なぜ頭を上げると足が沈むの?これは「重心」と「浮心」の関係によるものです。人間の体は肺のある胸付近が浮きやすく(浮心)、おへそ付近に重さの中心(重心)があります。頭という重いパーツを水面から持ち上げると、バランスを取ろうとしてシーソーのように反対側の足が沈んでしまうのです。頭を水没させて重心位置を調整することが、水平姿勢を保つ物理的なコツです。

足が沈む悩みを解決!進むためのキックのポイント

姿勢ができたら、次は推進力を生むためのキック(バタ足)です。背泳ぎのキックは、クロールのバタ足と似ていますが、仰向けで行うため感覚が少し異なります。多くの初心者が陥る「足が沈んで進まない」という悩みを解決するための、正しい足の使い方を解説します。

膝を曲げすぎないで自転車こぎを卒業する

背泳ぎが苦手な方に最も多く見られるのが、膝を大きく曲げてまるで自転車をこぐように足を動かしてしまう動作です。膝が水面から大きく飛び出してしまうようなキックでは、水を押すことができず、逆に抵抗が増えて体が沈んでしまいます。

理想的なキックは、膝をリラックスさせて伸ばし気味に保つことです。完全に棒のように伸ばしきる必要はありませんが、膝の曲がりは最小限に抑えます。膝が水面から出るのではなく、膝下の足先が水面近くで動くように意識しましょう。「膝で水を蹴る」のではなく、「足全体で水を鞭(ムチ)のようにしならせる」イメージを持つと、スムーズな動きになります。

足の甲で水を捉えて蹴り上げる

背泳ぎのキックで実際に前に進む力(推進力)を生み出すのは、足を下から上へ蹴り上げる「アップキック」の瞬間です。この時、足の甲(足の表側)で水をすくい上げるように蹴ることがポイントです。

サッカーボールをインステップで蹴る時のように、足の甲をしっかりと伸ばして水を捉えます。足首が硬くて直角になっていると、水を上手に蹴り上げることができず、ブレーキがかかってしまいます。足首の力を抜き、バレリーナのように足先を伸ばすことを心がけてください。水面に向かって水を押し上げる感覚を掴むと、驚くほど楽に進むようになります。

太ももの付け根から大きく動かす

キックは膝下だけでちょこちょこと動かすのではなく、太ももの付け根(股関節)から足全体を動かすのが基本です。股関節を支点にして、足全体を長い一本の棒のように使います。

太ももから動かすことで、大きな筋肉を使って力強いキックが打てるようになります。また、太ももを上下させることでお尻の筋肉も使われ、下半身全体が浮きやすくなる効果もあります。最初は動きが大きくゆっくりでも構いません。太ももが水に触れる感覚を意識しながら、ダイナミックに足を動かしてみましょう。

水面を泡立てるくらいのイメージ

足の位置が深すぎると、どれだけ一生懸命キックをしても体が斜めになり、抵抗が増えてしまいます。キックをする際は、足先が水面ギリギリ、あるいは水面を少し泡立てるくらいの高さをキープしましょう。

「洗濯機が水をかき回している」ようなイメージで、水面付近でバシャバシャと音を立てるくらいが初心者にはちょうど良い目安です。足先が水面に出てくるということは、それだけ下半身が高い位置にあるという証拠です。ただし、空気を蹴りすぎるとスカスカして進まないので、「水面直下で水を沸騰させる」ような感覚を目指すと、最も効率よく進むことができます。

キックのチェックポイント

・膝が水面から飛び出していないか?
・足首は伸びているか?
・太ももの付け根から動いているか?
・足先で水面を捉えているか?

スイスイ進むための手の回し方と入水の角度

キックで体が安定したら、次は腕の動き(ストローク)です。背泳ぎの手の動きは、肩の柔軟性と回転(ローリング)が重要になります。無理な力任せのストロークは肩を痛める原因にもなるため、正しい軌道を知っておくことが大切です。

小指から入水する理由

手を水に入れる(入水)際は、必ず「小指」から水に入るように意識してください。これは背泳ぎの鉄則とも言えるポイントです。小指から入水することで、手のひらが外側を向き、水をキャッチしやすい体勢が自然に作れるからです。

もし親指から入水してしまうと、手のひらが内側や上を向いてしまい、水を撫でるだけで力が伝わりません。また、肩関節にも無理な負担がかかってしまいます。腕を耳の横へ真っ直ぐ伸ばし、チョップをするような形で小指からスパッと水に切り込んでいくイメージです。時計の針で言うと、右手は1時、左手は11時の方向へ入水すると、肩が詰まらずスムーズに入れます。

親指から抜く動作とリカバリー

水をかき終わって手を水から出す(リカバリー)時は、逆に「親指」から抜くのが基本です。太ももの横までしっかり水を押しきったら、手首を返して親指を天井に向け、そのまま親指がリードする形で空中に持ち上げます。

空中で腕を運ぶ際は、腕を天井に向かって真っ直ぐ伸ばします。初心者のうちは肘を曲げずに、大きな円を描くように回す「ストレートアーム」という方法がおすすめです。腕の重さを利用して、遠心力でぐるんと回すような感覚です。リラックスして、親指から抜いて小指から入れる、この手のひらの返しをリズムよく行いましょう。

肩のローリングを活用する

背泳ぎでは、体全体を一枚の板のように平らにしたまま腕だけで泳ごうとすると、肩が窮屈になり、手も深く入りません。そこで重要なのが「ローリング」と呼ばれる、体を左右に傾ける動作です。

右手を水に入れる時は右肩を少し沈め、左肩を水面に出します。左手を入れる時はその逆です。このように肩を交互に回転させることで、腕をより遠くへ伸ばすことができ、深い位置の重たい水をしっかりとかくことができます。ただし、顔まで一緒に動いてしまうとバランスを崩すので、顔は天井に向けたまま固定し、肩から下だけをローリングさせるのがコツです。

鼻に水が入らないようにする呼吸と対策

背泳ぎ初心者にとって最大の恐怖であり、挫折の原因となりやすいのが「鼻に水が入ること」です。ツーンとするあの痛みは誰でも嫌なものです。しかし、適切な呼吸法と少しの工夫で、この問題は解決できます。

鼻から息を吐き続ける「んー・パッ」のリズム

水泳の呼吸の基本は「鼻から吐いて、口から吸う」ですが、背泳ぎでは特に鼻から息を吐き続けることが身を守る盾となります。顔が水面に出ているからといって油断して息を止めていると、波がかかった瞬間に鼻へ水が侵入してしまいます。

常に鼻から「んー」とハミングをするように微量の息を出し続けましょう。こうすることで鼻の内側からの空気圧がかかり、物理的に水が入ってこなくなります。そして、腕がリカバリーして空中に上がったタイミングで「パッ」と口から息を吸います。「んー(吐く)、パッ(吸う)」のリズムを一定に保つことが大切です。

アゴの引き具合で調整する

姿勢のセクションでも触れましたが、アゴの位置は鼻への水の入りやすさに直結します。アゴが上がりすぎて顔が天井と平行になりすぎると、鼻の穴が直接波を受け止める形になり、水が入りやすくなります。

逆にアゴを引きすぎると、口や鼻が水没してしまいます。ポイントは「少しだけアゴを引いて、鼻の穴を下方向(足元方向)に向ける」意識です。薄目を開けて自分の胸やおへそが少し見えるくらいの角度だと、鼻に水が入りにくくなります。自分にとって一番水が入りにくい「安全な首の角度」を、練習の中で探ってみてください。

鼻栓(ノーズクリップ)の活用

どれだけ練習しても鼻に水が入るのが怖い、痛くて集中できないという場合は、無理せず鼻栓(ノーズクリップ)を使うことを強くおすすめします。これは決して恥ずかしいことではありません。トップアスリートやシンクロナイズドスイミング(アーティスティックスイミング)の選手も使用している立派なアイテムです。

鼻栓を使えば、鼻からの水の侵入を物理的に100%防ぐことができます。呼吸のことや鼻の痛みを気にせず、手足の動きやフォームの改善に全神経を集中させることができるため、実は上達への近道でもあります。慣れてきて泳ぎに自信がついてから、徐々に外して練習すれば良いのです。

メモ:
「んー」とハミングするときは、強く吐く必要はありません。ろうそくの火を消さない程度に、細く長く息を漏らすだけで十分水圧に対抗できます。

初心者でも実践できる効果的な練習メニュー

理屈がわかったところで、実際の練習手順をご紹介します。いきなり長い距離を泳ごうとせず、段階を追って練習することで、悪い癖がつかずスムーズに上達できます。

けのび(背面浮き)の練習

まずは一切動かず、水に浮く感覚だけを養います。壁を蹴って仰向けになり、両手を頭の上で重ねて一直線の姿勢(ストリームライン)を作ります。この時、5秒~10秒間、手足を動かさずに浮いていられるか確認しましょう。

もし足が沈むようなら、頭の位置やお腹の力を再確認します。パートナーがいる場合は、腰の下に手を添えて支えてもらうと、正しい浮き姿勢の感覚が掴みやすくなります。「浮くこと」に自信が持てれば、背泳ぎの恐怖心はほとんどなくなります。

キックのみ(板キック)

次に、腕を使わずに足だけで進む練習をします。最初はビート板をお腹の上で抱える「ラッコ浮き」スタイルでキックを打ってみましょう。ビート板の浮力があるので、安心してキックの動作に集中できます。

慣れてきたらビート板なしで、手を体側に気をつけした状態、あるいは頭の上で組んだ状態(ストリームライン)でキックを行います。手で水をかかなくても、キックだけでスーッと進む感覚を養うことが大切です。膝が水面から出ないように注意しながら、水面を沸騰させるようなキックを続けましょう。

片手ずつのプル練習

最後に手の動きを練習しますが、いきなり両手を回すとバランスを崩しやすいです。まずは片手ずつ練習しましょう。右腕だけを回し、左腕は体側に添えたまま(あるいは頭上に伸ばしたまま)にします。25メートル泳いだら、次は左腕だけで泳ぎます。

片手ずつ行うことで、「小指から入れて親指から抜く」という手のひらの返しや、ローリングのタイミングを落ち着いて確認できます。左右それぞれの動きがスムーズになってから、両手を交互に回すコンビネーションスイム(通常の背泳ぎ)に移行しましょう。

上達へのステップアップ

1. 背面浮き(10秒キープ)
2. ビート板を抱えてキック
3. 手を万歳してキック
4. 片手背泳ぎ
5. 両手で背泳ぎ

背泳ぎのコツを初心者もマスターして楽しく泳ぎましょう

まとめ
まとめ

背泳ぎは、一度コツを掴んでしまえば、息継ぎの苦しさから解放され、空を見上げながら優雅に泳ぐことができる素晴らしい泳法です。初心者が上達するためのポイントは、以下の通りです。

  • 姿勢:耳を水に入れ、おへそを水面に近づけて「浮く」ことを最優先する。
  • キック:膝を曲げすぎず、足の甲で水を蹴り上げ、水面近くでキックする。
  • 腕の動き:小指から入水し、親指から抜く。肩のローリングをうまく使う。
  • 呼吸:鼻から常に少しずつ息を吐き、鼻への水の侵入を防ぐ。
  • マインド:リラックスして、水に体を預ける感覚を楽しむ。

最初はうまく進まなかったり、水飲んでしまったりすることもあるかもしれませんが、焦る必要はありません。まずは「浮くこと」を楽しみ、次に「キックで進む感覚」を味わう。そうやって一つひとつステップアップしていけば、必ず気持ちよく泳げるようになります。プールで天井を眺めながらスイスイ泳ぐ自分をイメージして、ぜひ次回の練習で実践してみてくださいね。

タイトルとURLをコピーしました