泳げない人は最初何から始める?水泳初心者におすすめの練習ステップ

泳げない人は最初何から始める?水泳初心者におすすめの練習ステップ
泳げない人は最初何から始める?水泳初心者におすすめの練習ステップ
泳ぎ方のコツ・技術

「泳げるようになりたいけれど、まったくのカナヅチで何から手をつけていいかわからない」と悩んでいませんか?大人になってから水泳を始めようとする方にとって、最初の第一歩はとても勇気がいるものです。

しかし、正しい手順とコツさえつかめば、誰でも水への恐怖心を克服し、楽しく泳げるようになります。いきなりクロールで25メートル泳ごうとする必要はありません。まずは水と友達になるところから始めましょう。この記事では、泳げない人が最初にやるべき練習メニューを、段階を追ってひとつずつ丁寧に解説していきます。

泳げない人は最初何から?まずは「水慣れ」と「呼吸」で恐怖心をなくそう

泳げない人が最初にぶつかる壁は「恐怖心」です。足がつかないかもしれない、息ができなくなるかもしれないという不安が、体を硬くさせてしまいます。まずは泳ごうとせず、水の中にいること自体に慣れる「水慣れ」からスタートしましょう。ここでは、水への恐怖心をなくし、リラックスするための基本的なステップを紹介します。

まずは水の中を歩いて水圧と温度を感じる

プールに入っていきなり泳ぎ始めるのではなく、まずは水中ウォーキングから始めましょう。陸上とは異なる環境に体を慣らすことが目的です。水の中には「水圧」があり、立っているだけでも体に圧力がかかっています。また、体温よりも低い水温に触れることで、体は無意識に緊張してしまうものです。

プールの中をゆっくりと歩きながら、水が体に触れる感覚を楽しんでみてください。前向きに歩くだけでなく、横歩きや後ろ歩きをすることで、水の抵抗(重さ)を感じることができます。このとき、腕を大きく振って水を押すようにすると、水流の感覚もつかみやすくなります。

水圧を感じながらバランスを取って歩くことは、これから泳ぐための平衡感覚を養う第一歩です。焦らず、水の中での自分の体重の軽さ(浮力)も感じ取ってみてください。リラックスして歩けるようになるまで、時間をかけて行いましょう。

水中ウォーキングのポイント

・背筋を伸ばして、目線は遠くを見るようにします。

・足の裏全体でプールの床を踏みしめるように歩きます。

・手で水をかき分けるように大きく動かしてみましょう。

顔を水につける練習(洗顔・目を開ける)

水の中を歩くことに慣れたら、次は顔を水につける練習です。泳げない人の多くは、顔が濡れることや、水が目や鼻に入ることを極端に怖がります。まずは手で水をすくって顔を洗う動作から始め、徐々に慣らしていきましょう。

ゴーグルを着用した状態で、勇気を出して顔を水面につけてみます。最初は一瞬で構いません。慣れてきたら、あごまで、鼻まで、とおでこまで、というように段階を踏んで沈めていきます。最終的には、頭全体を水没させられるようになることが目標です。

重要なのは、水中で目を開けることです。ゴーグルをしていれば視界はクリアに見えます。水の中の景色を見ることで「何が起きているかわからない」という恐怖心が薄れます。プールの床のラインや、自分の足先を見てみましょう。視界が確保できるだけで、安心感はぐっと高まります。

「ブクブク」と鼻から息を吐くバブリング

顔を水につけられるようになったら、水泳の基本中の基本である「呼吸法」の練習に入ります。陸上の呼吸とは異なり、水泳では「口で吸って、鼻で吐く」のが鉄則です。これを習得するために行うのが「バブリング(ブクブク)」という練習です。

口から大きく息を吸い込み、顔を水につけたら、鼻から「んー」とハミングするように息を吐き出します。鼻からブクブクと泡が出ていることを確認してください。鼻から息を出し続けることで、水が鼻の穴に入ってくるのを防ぐことができます。

初心者がよくやってしまう失敗は、水中で息を止めてしまうことです。息を止めてしまうと体に力が入り、苦しくなってすぐに顔を上げたくなります。「吐くこと」に意識を集中させましょう。すべての空気を吐き切れば、顔を上げたときに自然と新しい空気が入ってきます。

なぜ鼻から吐くの?

口から息を吐くと、一気に空気が抜けてしまい、浮力の調整が難しくなります。また、鼻から吐く(陽圧をかける)ことで、鼻の奥に水が浸入して「ツーン」となる現象を防ぐことができます。リズミカルな呼吸の第一歩は、鼻から長く吐くことです。

リズミカルに繰り返す「ボビング」で呼吸をマスター

バブリングができたら、それをリズミカルな動作で行う「ボビング」に挑戦しましょう。これは「潜る→息を吐く→ジャンプして顔を出す→息を吸う」という一連の動作を繰り返す練習です。水泳スクールでも必ず最初に行われる、非常に重要なドリルです。

プールの中で軽くジャンプをして、頭まで潜ります。潜っている間に鼻から「んー(ブクブク)」と息を吐き続けます。足が底についたら軽くジャンプをして水上に顔を出し、口で「パッ」と大きく息を吸います。この「ブクブク、パッ」のリズムを止めずに繰り返します。

最初は壁を持ちながらでも構いません。慣れてきたら壁から手を離し、プールの底を蹴ってリズミカルに行います。このボビングができるようになると、水中で息が続くようになり、パニックになることを防げます。また、水圧による呼吸筋のトレーニングにもなり、心肺機能が高まります。

次のステップは「浮くこと」!脱力して水に体を預ける練習

水に慣れて呼吸ができるようになったら、次は「浮く」感覚を身につけます。泳げない人は「体は沈むもの」と思い込んでいますが、正しい姿勢と脱力を覚えれば、人間の体は自然と水に浮くようにできています。ここでは、力を抜いて水に体を預ける練習を行います。

なぜ体は沈むのか?力みと姿勢の関係を知る

練習を始める前に、なぜ体が沈んでしまうのかを理解しておきましょう。最大の原因は「体の力み(緊張)」です。恐怖心から体に力が入ると、筋肉が硬直し、体が縮こまってしまいます。すると、水との接地面が小さくなり、浮力が働きにくくなります。

また、頭の位置も重要です。怖いからといって頭を上げようとすると、シーソーの原理で下半身が沈んでしまいます。人間の体の中で、空気が入っている「肺」が浮き袋の役割を果たします。肺(胸)を重心にして、手足をリラックスさせることが浮くためのコツです。

「沈んでもいいや」くらいの軽い気持ちでいることが、結果的に浮くことにつながります。水という大きなベッドに、全身の力を抜いて寝転ぶようなイメージを持ちましょう。それでは、具体的な浮き身の練習に入っていきます。

だるま浮きで浮力と重心の感覚をつかむ

最初に挑戦するのは「だるま浮き」です。その名の通り、だるまのような丸い形になって水に浮かびます。この姿勢は、最も簡単に浮力を感じることができるポーズです。

大きく息を吸い込んでから水中に潜り、両膝を両手で抱え込みます。おでこを膝に近づけるようにして、背中を丸めます。このとき、背中が水面から少し出るくらいリラックスしてください。肺に空気が溜まっているため、背中がぽっかりと浮いてくるはずです。

もし沈んでしまっても慌てないでください。息を吐ききってしまっているか、体に力が入りすぎている可能性があります。たっぷりと息を吸って止めた状態で、クラゲや風船になったつもりで脱力してみましょう。この練習で「水に浮く」という安心感を得ることが大切です。

だるま浮きの練習手順

・大きく息を吸って、息を止める。

・顔を水につけ、膝を抱えて丸くなる。

・体の力を抜き、背中が浮くのを待つ。

・苦しくなったら足をついて立ち上がる。

伏し浮きでストリームライン(流線型)を作る

だるま浮きができたら、次は体を真っ直ぐに伸ばして浮く「伏し浮き」に挑戦します。これは、実際の泳ぎの姿勢に直結する重要なステップです。手足を伸ばして、水面に対して水平になることを目指します。

壁を背にして立ち、大きく息を吸ってから、水面にうつ伏せになります。両手は頭の上で重ね、腕で耳を挟むようにします。視線は真下のプールの底に向けましょう。前を見ようとして頭を上げると、足が沈んでしまうので注意してください。

足先まで力を抜いて、水面に一直線に浮かんでいる感覚を味わいます。最初は足が沈んでしまっても構いません。大切なのは、上半身がリラックスして浮いていることです。この「一直線の姿勢」は、水泳用語で「ストリームライン」と呼ばれ、水の抵抗を最小限にするための基本姿勢となります。

泳ぎの基本姿勢「けのび」で水の抵抗を減らそう

浮くことに慣れたら、次は少しだけ前に進む動作を加えます。それが「けのび(蹴伸び)」です。けのびは、壁を蹴った勢いを利用して伏し浮きの姿勢で進む動作で、クロールや平泳ぎなど、すべての泳ぎのスタートとなる基本技術です。

けのびとは?泳ぎの土台となる最重要スキル

けのびは、腕をかいたり足をばたつかせたりせず、ただ「スーッ」と水面を滑るように進む技術です。「泳げない人は最初何から?」という問いに対して、多くの指導者が「けのび」と答えるほど重要です。なぜなら、けのびが美しくできれば、それだけで無駄な力を使わずに長く泳げるようになるからです。

泳ぐのが苦手な人は、手足を動かすことに必死になりがちですが、実は「何もしないで進む時間」を作ることが上達の近道です。けのびは、水の抵抗を減らし、効率よく前に進むための姿勢(ストリームライン)を体に覚え込ませるための練習です。

けのびで5メートル以上進むことができれば、その後の泳ぎの習得スピードが格段に上がります。まずは形にこだわって練習しましょう。

正しいけのびの姿勢と手の組み方

美しいけのびをするためには、正しい姿勢を作ることが不可欠です。まず、両手を頭の上で重ねます。手のひらを重ね合わせ(親指をクロスさせてもOK)、腕をしっかりと伸ばして、二の腕で耳を挟むようにロックします。

特に重要なのが「視線」です。

顔を上げて進行方向を見たくなりますが、これではブレーキがかかってしまいます。あごを軽く引き、視線は真下のプールの底を見てください。頭頂部が進行方向を向くイメージです。お腹とお尻の穴を少し引き締めるように意識すると、腰が反りすぎず、きれいな一直線のラインが作れます。

壁を蹴って進む練習の手順

姿勢を理解したら、実際に壁を蹴って進んでみましょう。プールの壁に背を向けて立ち、片足を壁にかけます。両手をセットして頭を水に入れたら、壁にかけている足で「トンッ」と壁を強く蹴り出します。

蹴り出した後は、息を止めて、全身を一本の棒のように伸ばします。このとき、無理に水面に上がろうとしなくて大丈夫です。壁を蹴った勢いと浮力で、自然と体が水面近くまで浮き上がってきます。

勢いがなくなって止まるまで、じっとその姿勢をキープしてみてください。体が水流を切って進む爽快感を感じられれば成功です。もし途中で体が傾いたり沈んだりする場合は、左右のバランスが崩れているか、どこかに力が入っている証拠です。何度も繰り返して、一番抵抗なく進める姿勢を探してみましょう。

前に進む力をつける!バタ足(キック)の正しいやり方

けのびで姿勢が安定したら、いよいよ自力で進むためのエンジン、「バタ足(キック)」の練習に入ります。バタ足はシンプルに見えて奥が深く、間違ったやり方だとすぐに疲れてしまいます。効率よく進むためのポイントを押さえましょう。

太ももの付け根から動かすのがコツ

初心者がやりがちな間違いは、膝を曲げてバシャバシャと水面を叩くようなキックです。これでは水を押すことができず、前に進みません。正しいバタ足は、膝ではなく「足の付け根(股関節)」から動かすのがポイントです。

イメージとしては、足全体を一本のムチのようにしならせて動かします。太ももを上下に動かすことで、その力が膝、足首、足の甲へと伝わり、水を後ろへ押し出します。膝はあえて曲げようとせず、水の抵抗で自然に曲がる程度が理想的です。

プールサイドに座り、足を水に入れて、太ももから動かす練習をしてみましょう。水面を叩くのではなく、水の中で水をかき混ぜるような感覚をつかんでください。

足首の柔軟性と力を抜くこと

バタ足で進むためには、足首の柔らかさが重要です。足首が直角に固まっていると、水を押すことができず、ブレーキになってしまいます。足の甲を伸ばし、バレリーナのように爪先まで一直線になるように意識しましょう。

また、足首の力を抜いて「ブラブラ」にしておくことも大切です。足首がリラックスしていると、キックしたときに足ひれ(フィン)のようにしなり、大きな推進力を生みます。ガチガチに力を入れて蹴るよりも、リラックスしてしなやかに動かす方が、楽に速く進むことができます。

ビート板を使った練習法

水に入っての練習では、ビート板を使いましょう。ビート板の端を両手で持ち、腕を伸ばしてけのびの姿勢をとります。そこからバタ足を開始します。

最初は顔を上げて、前を見ながらキックしても構いませんが、腰が沈みやすくなります。慣れてきたら、顔を水につけて(息継ぎの時だけ顔を上げる)練習しましょう。顔を水につけた方が体が水平になり、キックの力が効率よく推進力に変わります。

メモ:
ビート板に体重をかけすぎないように注意しましょう。ビート板はあくまで補助です。腕でビート板を沈めるのではなく、自分の浮力で浮きながら、手は軽く添えるイメージを持つと姿勢が良くなります。

大人からでも遅くない!上達するための心構えと道具

ここまで技術的なステップを紹介してきましたが、最後に、大人が水泳を始める際のマインドセットと、準備すべき道具についてお伝えします。大人の水泳は「焦らないこと」が何よりも大切です。

自分に合った道具選びで快適さを確保する

快適に練習するためには、適切な道具選びが欠かせません。特に重要なのが「ゴーグル」です。サイズが合わないと水が入ってきて集中できませんし、レンズが曇ると不安感が増します。試着ができるショップで顔の形に合うものを選び、曇り止め加工がされたものを用意しましょう。

水着は、競泳用のピチピチしたものでなくても構いませんが、フィットネス用の水着が動きやすくておすすめです。布が多すぎるレジャー用水着は、水を含んで重くなり、泳ぎの妨げになります。スイムキャップ(帽子)も、髪が顔にかかるのを防ぐために必須です。シリコン製は水を通しませんが蒸れやすく、メッシュ製は水を通しますが快適です。初心者は被りやすいメッシュタイプから始めると良いでしょう。

「周りと比べない」ことが継続の秘訣

スイミングスクールや市民プールに行くと、スイスイ泳いでいる人たちが目に入り、気後れしてしまうかもしれません。しかし、誰でも最初は泳げませんでした。大人になってからの挑戦は、過去の自分との戦いです。

「今日は顔をつけられた」「今日は5メートル進めた」というように、小さな進歩を喜びましょう。周りのペースに合わせる必要はありません。自分のペースで練習を続けることが、結果的に一番の上達につながります。疲れたらすぐに壁を持って休む、無理をしないことも大人の水泳では重要です。

安全第一!無理のない練習頻度で

水泳は全身運動であり、想像以上に体力を消耗します。特に慣れないうちは、水圧や水温の影響でどっと疲れが出ることがあります。最初は週に1回、30分〜1時間程度から始め、体が慣れてきたら頻度を増やしていくのがおすすめです。

また、体調が悪い時や、睡眠不足の時は無理せず休みましょう。水中では足がつるなどのトラブルが事故につながることもあります。準備体操をしっかり行い、水分補給も忘れずに。安全第一で、長く楽しく続けることを目標にしてください。

まとめ:泳げない人は最初何から始めるか明確にして、焦らず上達を目指そう

まとめ
まとめ

泳げない人が最初にやるべきことは、いきなり泳ぐことではなく、水への恐怖心を取り除くことです。以下のステップを順番にクリアしていくことで、確実に泳げるようになります。

水慣れと呼吸:まずは歩いて水圧を感じ、鼻から吐くボビングで呼吸のリズムを作る。

浮く練習:だるま浮きと伏し浮きで、脱力して水に体を預ける感覚をつかむ。

けのび:ストリームラインを作り、水の抵抗を減らして進む姿勢を覚える。

バタ足:太ももの付け根からしなやかに動かし、推進力をつける。

「泳げない人は最初何から?」という疑問への答えは、地味な基礎練習の積み重ねの中にあります。しかし、この基礎をしっかりと固めることこそが、将来的に楽に、長く、美しく泳ぐための最短ルートです。水の中での無重力感や、水と一体になる心地よさを感じながら、焦らずマイペースに練習を楽しんでください。

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