スイマーにとって欠かせないアイテムといえば、吸水性抜群のセームタオルですよね。普通のタオルと違って、絞ればすぐに吸水力が復活する魔法のような道具ですが、意外と悩むのがセームタオルの乾かし方や日々のお手入れ方法ではないでしょうか。
練習が終わった後、濡れたままケースに入れておいていいのか、それともカラカラに乾かすべきなのか、判断に迷うことも多いはずです。間違った方法で乾かしてしまうと、嫌な臭いが発生したり、カビが生えてしまったり、最悪の場合は生地がボロボロになってしまうこともあります。
この記事では、水泳を楽しむ皆さんがセームタオルを清潔に、そして長く愛用できるように、正しい乾かし方の基本から、臭いやカビを防ぐメンテナンス術まで詳しく解説します。素材の特性を理解して、毎日の水泳ライフをもっと快適にしていきましょう。
セームタオルの乾かし方の基本と練習後の正しいルーティン

セームタオルを長持ちさせるためには、練習が終わった直後から帰宅後までの扱いが非常に重要です。まずは、もっとも一般的なPVA(ポリビニルアルコール)素材のセームタオルを想定した、基本的な乾かし方の流れを押さえておきましょう。
練習直後の正しい絞り方と一時保管のコツ
プールでの練習が終わったら、まずはセームタオルをしっかりと水ですすぎます。プールの水に含まれる塩素は、長時間付着していると生地を傷める原因になるからです。しっかりすすいだ後は、両手でギュッと絞って水分を飛ばしましょう。
このとき、雑巾のように力任せにねじり絞りをするのは避けてください。セームタオルはデリケートなスポンジのような構造をしているため、強いねじれによって繊維がちぎれてしまうことがあります。手のひらで包むようにして、押し出すように絞るのが理想的です。
練習直後は、付属のプラスチックケースやビニール袋に入れて持ち帰るのが一般的です。ただし、この状態は非常に蒸れやすく、雑菌が繁殖しやすい環境です。帰宅するまでの短時間であれば問題ありませんが、カバンの中に入れっぱなしにすることだけは絶対に避けましょう。
練習後のクイックチェック
1. 真水で塩素をしっかり洗い流す
2. ねじらずに「押し絞り」で水分を切る
3. ケースに入れたら、できるだけ早く帰宅して取り出す
自宅での干し方は「陰干し」が鉄則
家に帰ったら、できるだけ早くケースから取り出して広げましょう。セームタオルの乾かし方において、最大のポイントは「直射日光を避けて陰干しにする」ことです。太陽の光(紫外線)に直接当ててしまうと、素材が急激に劣化し、ひび割れや色あせの原因になります。
風通しの良い室内や、日が当たらないベランダの軒下などが最適な場所です。ピンチハンガーを使って吊るす際は、一点に重さがかからないように、複数箇所を留めて重みを分散させると型崩れを防げます。完全に乾燥させると板のように硬くなりますが、これはPVA素材の正常な反応ですので心配いりません。
もし、次に使うまでの時間が短い場合は、完全に乾かしきらずに少し湿った状態で保管する方法もありますが、衛生面を考えると一度しっかりと乾かすのが基本です。生乾きの状態で放置するのがもっとも臭いの原因になりやすいため、乾かすなら一気に、湿らせるなら清潔な状態で、というメリハリが大切です。
急いで乾かしたい時にやってはいけないNG行動
「明日の朝も練習があるから早く乾かしたい」という時でも、やってはいけないNG行動がいくつかあります。まず、ヘアドライヤーの熱風を当てるのは厳禁です。セームタオルの主原料であるPVAは熱に弱く、高温にさらされると素材が硬化しすぎてしまい、水に戻しても柔らかくならなくなる恐れがあります。
同様の理由で、衣類乾燥機に入れるのも避けてください。乾燥機の熱と回転による摩擦は、セームタオルの寿命を一気に縮めてしまいます。また、アイロンをかけることも絶対にやめましょう。溶けてアイロンに付着したり、タオルが修復不可能なダメージを受けたりします。
早く乾かしたい場合は、扇風機の風を直接当てるのがもっとも安全で効果的です。室内の空気を循環させるサーキュレーターも有効です。熱を加えず、空気の移動を利用して水分を飛ばすのが、セームタオルを傷めずに乾かすコツといえるでしょう。
セームタオルは「熱」に非常に弱い素材です。お湯で洗う際も40度以下を心がけ、乾燥時も自然な空気の流れを利用するようにしてください。
セームタオルを乾かして保管するか濡れたままにするかの判断基準

セームタオルの取り扱いで多くの人が悩むのが、「カチカチに乾かして保管すべきか、湿ったままケースに入れておくべきか」という点です。これは使用頻度や好みの使い心地によって変わります。それぞれのメリットとデメリットを理解して、自分に合ったスタイルを選びましょう。
完全に乾かして保管するメリットとデメリット
セームタオルを完全に乾かすことの最大のメリットは、雑菌の繁殖を抑えて清潔に保てることです。水分がなくなれば細菌は増殖しにくいため、嫌な臭いやカビの発生を最小限に抑えられます。長期間使わない場合や、週に数回程度の利用であれば、乾燥保管が推奨されます。
一方でデメリットは、次に使うときにそのままでは使えないという点です。乾いたセームタオルは板のように硬くなっており、そのまま肌に当てると擦り傷を作ってしまうほどです。使用前に必ず水に浸して柔らかく戻す手間が必要になります。
また、何度も「乾燥と給水」を繰り返すことで、わずかではありますが繊維に負荷がかかります。しかし、衛生面での安心感は非常に高く、スポーツバッグの中が湿っぽくならないという利点もあります。基本的には、練習が終わったら一度しっかり乾かすのが、もっともトラブルの少ない管理方法です。
濡れたまま(湿った状態)で保管する場合の注意点
毎日練習がある選手の中には、あえて完全に乾かさず、少し湿った状態でケースに入れて保管する人もいます。この方法のメリットは、プールサイドですぐに使い始められる機動力です。水に浸して戻す時間を短縮できるため、忙しい練習の合間には便利です。
ただし、この方法は非常にカビが生えやすいという大きなリスクを伴います。高温多湿な環境は雑菌にとって天国です。もし湿ったまま保管するのであれば、必ず事前に真水で完璧に汚れを落とし、固く絞った状態にしてください。また、週に一度は必ず天日を避けた場所で全乾燥させ、リセットすることが不可欠です。
もしケースの中に水分が溜まっているような状態であれば、それは不衛生なサインです。ケース自体も定期的に洗浄し、乾燥させる必要があります。少しでも酸っぱい臭いや違和感を感じたら、すぐにこの保管方法は中止し、しっかりとした洗浄と乾燥に切り替えてください。
最近人気の「乾いても硬くならない」タイプの特徴
従来のPVAセームタオルとは別に、最近は「乾いても硬くならない」タイプのセームタオルも増えています。これらは主にポリエステルやナイロンを使用したマイクロファイバー系の素材で作られており、普通のタオルに近い肌触りでありながら、セームタオルのような吸水力を備えています。
このタイプの最大の利点は、乾かし方をあまり気にしなくて良いという点です。普通の洗濯物と一緒に干すことができ、乾いた後も柔らかいままなので、そのままバッグに入れて持ち運べます。PVA素材のように「使う前に水で戻す」というステップが不要なため、非常に手軽です。
ただし、吸水した後の「絞れば何度でも復活する」という能力については、PVA素材の方が一段階上である場合が多いです。マイクロファイバータイプは一度に吸える水の量には限界があり、びしょ濡れの状態から体を拭き切るには、何度もしっかり絞る必要があります。自分の好みの肌触りと、使い勝手のバランスで選ぶと良いでしょう。
ライフスタイルに合わせた最適な保管場所の選び方
セームタオルをどこに置いておくかも、乾かし方と同じくらい重要です。一人暮らしで部屋干しが多いのか、家族と一緒に住んでいて脱衣所にスペースがあるのかなど、環境によって最適な場所は異なります。理想は「風が通り、湿気がこもらない場所」です。
お風呂場に吊るしっぱなしにするのは、もっともやってはいけない例です。お風呂場は常に湿度が高く、たとえ換気扇を回していてもセームタオルが完全に乾くのを妨げ、カビの温床になります。脱衣所も湿気が溜まりやすいため、できればリビングの端や廊下など、空気が動く場所がベストです。
また、収納する際は他の衣類と密着させないようにしましょう。乾燥したセームタオルは硬いため、他のデリケートな衣類を傷つける可能性があります。専用のケースに入れるか、100円ショップなどで売っているメッシュポーチを活用して、通気性を確保しながら保管するのが賢い方法です。
臭いやカビを防ぐための洗濯と除菌のポイント

どれだけ丁寧にセームタオルを乾かしていても、長く使っているとどうしても気になってくるのが「臭い」と「カビ」です。これらは、目に見えない皮脂汚れや石鹸カスの残り、そして空気中の雑菌が原因です。ここでは、清潔な状態をキープするためのディープケアについて解説します。
日常のお手入れは「洗剤なしの真水洗い」で十分?
毎日の練習後は、基本的には真水(水道水)で念入りに揉み洗いするだけで十分です。セームタオルの細かい気泡に入り込んだ塩素や汗を、外に押し出すイメージで数回水を替えて洗います。これだけで、日常的な汚れの大部分は落とすことができます。
ただし、週に1回程度は、中性洗剤(おしゃれ着洗い用の洗剤など)を薄く溶かしたぬるま湯で優しく洗うことをおすすめします。水だけでは落ちきらない皮脂汚れが蓄積すると、それが雑菌のエサとなり、結果として嫌な臭いの発生源になるからです。
このとき、絶対に「柔軟剤」は使わないでください。柔軟剤に含まれるコーティング成分がセームタオルの吸水孔を塞いでしまい、驚くほど水気を吸わなくなってしまいます。あくまで「汚れを落とすこと」に特化した洗い方を心がけましょう。
洗剤を使う際は、すすぎを徹底してください。洗剤が残っていると、それがまたカビの原因になったり、肌トラブルを引き起こしたりすることがあります。
嫌な臭いが発生した時の解消法と除菌テクニック
「しっかり乾かしたはずなのに、水に濡らすと嫌な臭いがする」という場合は、セームタオルの内部で雑菌が繁殖しています。そんな時は、酸素系漂白剤(ワイドハイターなど)を使ったつけ置き洗いが非常に効果的です。塩素系漂白剤は生地を傷めすぎるため、必ず「酸素系」を選んでください。
ぬるま湯(40度以下)に規定量の酸素系漂白剤を溶かし、そこにセームタオルを30分から1時間ほど浸しておきます。その後、水がきれいになるまでしっかりとすすいでから、いつも通り陰干ししてください。これでほとんどの臭いは解消されるはずです。
また、煮沸消毒を考える方もいるかもしれませんが、PVA素材にとって沸騰したお湯は熱すぎます。生地が溶けたり、著しく劣化したりするリスクが高いため、熱湯消毒はおすすめしません。あくまで「ぬるま湯+酸素系漂白剤」の組み合わせが、セームタオルにとってのセーフティな除菌方法です。
カビが生えてしまった時の対処と予防策
セームタオルに黒いポツポツとした斑点ができてしまったら、それは黒カビです。残念ながら、セームタオルの内部深くまで根を張った黒カビを完全に除去するのは非常に困難です。漂白剤である程度薄くすることは可能ですが、生地の劣化も進んでいるため、買い替えを検討するタイミングかもしれません。
カビを防ぐための最強の予防策は、やはり「使用後の即時洗浄」と「完全な乾燥」の徹底です。特に練習バッグの中に放置するのが一番危険です。もしどうしてもすぐに干せない場合は、一度きれいな水で洗ってから、ジップロックなどの密閉袋に入れ、一時的に冷蔵庫に入れておくという裏技もあります。菌の活動を低温で抑えるためです。
しかし、これはあくまで応急処置。家に帰ったらすぐに袋から出し、流水で洗ってから風通しの良い場所に干すという基本に立ち返りましょう。カビは一度発生すると厄介ですので、「生やさない」ための日々のルーティンが何よりの特効薬です。
カビ予防の3原則
・汚れたままケースに長時間放置しない
・定期的(週1回)に中性洗剤で皮脂を落とす
・湿度の高いお風呂場などに放置しない
洗濯機や乾燥機を使ってもいいのかの判断基準
結論から言うと、PVA素材のセームタオルについては洗濯機や乾燥機の使用は推奨されません。洗濯機の強い水流や遠心力は、セームタオルの繊維をバラバラにしてしまう可能性がありますし、他の衣類のボタンやファスナーに引っかかって破れてしまう事故も多いです。
どうしても洗濯機を使いたい場合は、必ず細かな網目の洗濯ネットに入れ、「手洗いコース」や「弱水流」を選択してください。そして、脱水時間は最短(1分程度)に設定します。しかし、手で押し絞りするのと手間はあまり変わらないため、基本的には手洗いがベストです。
一方で、先述した「乾いても硬くならない」マイクロファイバー系のセームタオルであれば、洗濯機の使用が可能なモデルが多いです。製品のタグにある洗濯表示を確認し、洗濯機OKのマークがあれば、ネットに入れて通常通り洗っても問題ありません。素材によって扱いが180度異なるため、自分の持っているタオルの種類を把握しておくことが大切です。
乾いて硬くなったセームタオルを柔らかく戻す方法

正しい乾かし方を実践していると、セームタオルは必ずと言っていいほどカチカチになります。初めて使う人は「壊れてしまったのではないか」と驚くかもしれませんが、これがセームタオルの本来の姿です。使う前に適切な手順で戻すことで、あの独特のぷるぷるした質感が復活します。ここでは、生地を傷めない戻し方の手順を確認しましょう。
水に浸してゆっくり戻す基本の手順
硬くなったセームタオルを戻す際は、焦らずにたっぷりの水に浸すことから始めます。洗面ボウルやプールサイドの水道で、タオル全体が水に浸かるようにします。表面だけでなく、芯まで水が浸透するのを待つのがポイントです。
無理に広げようとすると、乾燥して強度が落ちている部分がパリッと割れてしまうことがあります。水に浸すと、外側から徐々に柔らかくなっていきますので、指先で優しく感触を確かめながら、自然に開くのを待ちましょう。完全に柔らかくなったら、一度ギュッと絞れば使用準備完了です。
冬場など水が冷たい時期は、少し戻るのに時間がかかることがあります。そんな時は、タオルの上から軽く水をかけ続けるか、水の中で優しく揉むようにすると吸水が早まります。ただし、力任せに引っ張ることだけは避けてください。
お湯を使う際の温度制限と注意点
水よりもお湯の方が早く戻るのではないか、と考える方も多いでしょう。確かにぬるま湯を使えば、水分子の動きが活発なため、戻るスピードは早まります。しかし、ここで注意が必要なのが「温度」です。繰り返しになりますが、セームタオルは熱に弱い性質を持っています。
戻す際に使うお湯の温度は、最高でも40度程度(お風呂の温度くらい)に留めておきましょう。50度を超えるような熱湯をかけてしまうと、PVAの分子構造が変化し、表面がベタついたり、逆にカサカサになって吸水力が落ちたりすることがあります。
特に給湯器から出るお湯を直接かける場合は、設定温度に注意してください。もし温度調節が難しい場合は、安全のために水で戻すのが一番確実です。数分程度の差ですので、大切なタオルを守るためにも無理な高温は避けましょう。
「戻すときは水、洗うときもぬるま湯」がセームタオルの鉄則です。熱湯は寿命を縮める最大の原因と覚えておきましょう。
劣化のサインと買い替え時期の見極め方
どれだけ丁寧にメンテナンスをしていても、セームタオルは消耗品です。長く使っていると、徐々に劣化のサインが現れてきます。まずわかりやすいのが「吸水力の低下」です。以前よりも水を吸うスピードが遅くなった、あるいは絞ってもあまり水が切れないと感じたら、繊維がへたっている証拠です。
次に「表面の質感の変化」です。表面がボロボロと剥がれてきたり、小さな穴が空き始めたりしたら、寿命が近づいています。また、乾燥させたときに以前よりも硬さが弱くなり、スカスカした感触になるのも劣化のサインです。このような状態になると、拭いたときに肌に繊維が残るようになり、使い心地が悪くなります。
また、衛生面でのサインも見逃せません。洗っても取れない臭いが定着してしまった、あるいは広範囲にカビが広がってしまった場合は、肌トラブルを防ぐためにも潔く買い替えましょう。一般的には、週に数回の利用で1年から2年程度が買い替えの目安と言われていますが、お手入れ次第でそれ以上持たせることも、数ヶ月でダメにしてしまうこともあります。
長持ちさせるための日々のちょっとした工夫
セームタオルを少しでも長く使うための秘訣は、日々の「摩擦」を減らすことにあります。体を拭く際、ゴシゴシと肌を擦るように使うのではなく、肌にポンポンと押し当てるようにして水分を吸収させるのが、もっともタオルに優しい使い方です。
擦る動作は、セームタオルの表面を削り取り、摩耗を早めてしまいます。これは肌への負担を減らすことにも繋がるため、一石二鳥です。また、絞る際も毎回最大筋力で絞る必要はありません。次に吸水できる程度の余裕があれば十分ですので、腹八分目ならぬ「八分絞り」を意識してみてください。
さらに、予備のセームタオルを持ってローテーションさせるのも一つの手です。1枚を酷使するよりも、乾燥させる時間をしっかり確保できるため、結果として1枚あたりの寿命が伸びます。お気に入りの色やデザインを数枚持っていれば、練習のモチベーションアップにも繋がるでしょう。
| ケア項目 | 長持ちさせるポイント | NG行動 |
|---|---|---|
| 洗い方 | 真水で優しく押し洗い | 柔軟剤の使用・洗濯機で強脱水 |
| 乾かし方 | 風通しの良い場所で陰干し | 直射日光に当てる・乾燥機 |
| 戻し方 | 40度以下の水・ぬるま湯 | 熱湯をかける・無理に引き剥がす |
| 使い方 | 肌に押し当てて吸水 | 雑巾のように肌を強く擦る |
乾かしやすさや手入れのしやすさで選ぶセームタオルの種類

これから新しいセームタオルを購入しようと考えている方、あるいは今使っているものが扱いにくいと感じている方のために、乾かしやすさやお手入れのしやすさという視点で、主要なタイプを比較してみましょう。自分の性格や練習頻度に合ったものを選ぶのが、一番のストレスフリーへの近道です。
吸水力抜群の定番!PVA素材タイプ
スポーツショップで最もよく見かける、スポンジのような質感のタオルがPVA素材タイプです。スピード(Speedo)やミズノ(MIZUNO)などの大手ブランドが展開しており、その吸水力は折り紙付きです。絞ればすぐにまた水を吸えるため、髪の長い方や全身をしっかり拭きたいスイマーに最適です。
お手入れの面では、先述の通り「乾燥すると硬くなる」という特性があるため、使用前の準備が必要です。この手間を「本格的な道具を扱っている」と楽しめる人にはおすすめですが、面倒に感じる人には不向きかもしれません。しかし、「圧倒的な吸水スピード」を求めるなら、やはりこのタイプが最強です。
乾かし方は陰干しが基本で、正しいケアをすれば非常に長く使えます。汚れが目立ちにくい濃いめの色を選ぶと、長く愛用しても見た目の清潔感を保ちやすいというメリットもあります。迷ったらまずはこのタイプを選んで、セームタオルの基本を体感してみるのが良いでしょう。
速乾性に優れたマイクロファイバータイプ
最近、急速に普及しているのが、薄手の生地でできたマイクロファイバー(ポリエステル混紡)系のセームタオルです。アリーナ(arena)などのブランドからも発売されており、見た目は薄い布のようです。このタイプの最大のメリットは、なんといっても「普通のタオルと同じように扱える」手軽さにあります。
乾いても硬くならず、洗濯機で丸洗いできるため、お手入れのハードルは非常に低いです。また、素材自体が非常に薄いため、畳むと非常にコンパクトになり、荷物を減らしたいスイマーにも支持されています。乾くスピードも速く、練習後にサッと干しておけば短時間で乾きます。
ただし、PVA素材ほどの「一度に吸い取る水の量」や「絞った直後の復活感」はありません。どちらかというと、普通のタオルの上位互換といった使い心地です。手入れの楽さを重視する方や、ジムでの軽い水泳がメインの方には、このマイクロファイバータイプがもっともストレスなく使い続けられるはずです。
タイプ別おすすめ診断
・とにかく吸水力重視、しっかり全身拭きたい → PVAタイプ
・手入れを楽にしたい、洗濯機を使いたい → マイクロファイバータイプ
・荷物を極限までコンパクトにしたい → 薄手マイクロファイバータイプ
抗菌加工付きモデルの効果と選び方
セームタオルの中には、製造段階で「抗菌・防臭加工」が施されているモデルもあります。これは、繊維に銀イオンなどの抗菌剤を練り込んだり、表面をコーティングしたりすることで、細菌の繁殖を抑える仕組みです。乾かし方が不十分になりがちな遠征時や、梅雨時期などには非常に心強い味方になります。
「抗菌」と聞くと全く臭わないと思われがちですが、あくまで「菌の増殖を抑える」ものであり、完全に防ぐわけではありません。汚れが溜まれば効果は薄れるため、通常のタオルと同様にお手入れは必要です。しかし、加工がないものに比べれば、生乾き特有の臭いが発生するまでの時間は格段に長くなります。
選ぶ際のポイントは、パッケージに「SEKマーク(抗菌防臭加工の認証)」などの表示があるか確認することです。少し価格は上がりますが、特に夏場や、部活動などで毎日ハードに使う学生スイマーにとっては、衛生面での保険として非常にコスパの良い選択肢となるでしょう。
初心者におすすめのサイズと厚みのバランス
最後に、乾かしやすさにも直結する「サイズ」と「厚み」についてです。セームタオルには大判サイズと小判サイズがありますが、初心者の方はまず「40cm×30cm程度の小判サイズ」から始めるのがおすすめです。理由は、扱いやすく乾かしやすいからです。
大きいサイズは吸水量は多いですが、絞るのに力が要りますし、干すスペースも取ります。また、乾いて硬くなったときに場所をとるため、収納にも困ることがあります。小判サイズでも、セームタオルは「絞れば復活する」ため、全身を拭くのには十分事足ります。
厚みに関しては、厚いものほどクッション性が高く肌触りが良いですが、その分乾くのに時間がかかります。薄いものは吸水量は劣りますが、速乾性に優れ、絞るのも楽です。まずは標準的な厚みのものを選び、自分の好みに合わせて2枚目以降で調整していくのが、失敗しない選び方のコツです。
迷った時は、まずは大手メーカーの中判(Mサイズ相当)のPVAタイプを1枚持っておきましょう。それが水泳の世界での標準的な使い心地を知る近道になります。
セームタオルの乾かし方とお手入れのまとめ
セームタオルの乾かし方を中心に、長く清潔に使い続けるためのポイントを解説してきました。最後に、大切な要点をおさらいしましょう。
まず、もっとも重要なのは「練習後は真水で塩素を洗い流し、直射日光を避けて陰干しする」ことです。熱に弱いため、ドライヤーや乾燥機、直射日光は厳禁です。カチカチに乾くのは素材の特性ですので、使う前に水で戻せば問題ありません。
次に、衛生面を保つためには、週に一度程度のぬるま湯と中性洗剤での洗浄、そして臭いが気になるときは酸素系漂白剤でのつけ置きが有効です。カビが生えてしまうと完全な除去は難しいため、濡れたまま放置せず、早めに乾燥させる習慣をつけましょう。
セームタオルの種類によっても乾かし方や扱いは異なります。吸水力重視ならPVA素材、手軽さ重視ならマイクロファイバー素材と、自分のスタイルに合ったものを選ぶことで、日々のケアもずっと楽になります。
正しい知識を持ってセームタオルをお手入れすれば、1枚のタオルを長く、気持ちよく使い続けることができます。水泳をより楽しむために、今日からぜひ、正しいセームタオルの乾かし方を実践してみてください。清潔なタオルで、心身ともにリフレッシュした泳ぎを楽しみましょう。


