水泳のトレーニングをより楽しく、そして効率的に進めたいと考えている方にとって、スマートウォッチでの水泳計測は非常に便利な手段です。これまで自分の感覚に頼っていた泳ぎを数値で客観的に振り返ることができれば、上達のスピードはぐっと早まります。プールで何メートル泳いだかを数える手間も省けるため、泳ぐことだけに集中できる環境が整います。
この記事では、スマートウォッチを使って水泳計測を行うことで何がわかるのか、どのような機種を選べば失敗しないのかを、初心者の方にも分かりやすく解説します。最新のデバイスがもたらすメリットを理解して、日々のスイミングライフをさらに充実させていきましょう。計測データを活用するコツを知ることで、プールに向かうモチベーションもきっと高まるはずです。
スマートウォッチで水泳計測を行うメリットと記録できる項目

水泳中にスマートウォッチを装着することで、これまでは専門のコーチがいなければ把握できなかったような細かいデータが手元で確認できるようになります。まずは計測によって得られる具体的なメリットと、代表的なデータ項目について見ていきましょう。
泳いだ距離やラップタイムを自動で記録
スマートウォッチを使用する最大のメリットは、泳いだ距離やラップタイムをデバイスが自動でカウントしてくれる点にあります。広いプールで何往復したかを頭の中で数え続けるのは意外と大変な作業です。途中で数を忘れてしまい、目標の距離に達したか不安になった経験がある方も多いのではないでしょうか。
最新のスマートウォッチには、内蔵された加速度センサーが「ターン」の動きを検知する機能が備わっています。壁を蹴って方向転換した瞬間に1ラップと認識し、正確な距離を積み上げてくれます。これにより、泳ぎの途中で余計なことを考えず、ストロークや呼吸のリズムに意識を向けられるようになります。
また、セットごとの休憩時間も自動で計測してくれるモデルが多く、インターバルトレーニングの際にも役立ちます。運動中の心拍数と合わせてラップタイムを振り返ることで、どの程度の負荷で泳げているかを客観的に判断できるようになります。記録が積み重なっていく様子を見るだけでも、運動の達成感を強く味わえるでしょう。
泳法判定機能でフォームのバランスをチェック
スマートウォッチには、腕の動きから「クロール」「平泳ぎ」「背泳ぎ」「バタフライ」といった泳法を自動で判別する機能が搭載されています。特別な設定をしなくても、今自分がどのスタイルで泳いでいるかを記録してくれるため、トレーニングの振り返りが非常にスムーズに行えます。
この機能が特に役立つのは、複数の泳法を組み合わせるメドレー形式の練習を行うときです。後からスマートフォンの専用アプリでデータを確認すると、各泳法でどれくらいの距離を泳ぎ、どの種目が最も速かったのかが一目でわかります。自分の得意な種目と、改善が必要な種目を明確にするための材料として活用できます。
さらに、1ストロークで進む距離(ストローク長)の変化を追うことで、効率的なフォームで泳げているかを確認できます。疲れが出てくるとストローク数が無意識に増えてしまうことがありますが、スマートウォッチのデータを見ればその傾向がはっきりと示されます。フォームの乱れを数値で早期に発見できるのは、独学で泳ぐスイマーにとって心強い味方です。
泳法判定の精度は、腕の動かし方によって左右されることがあります。できるだけ丁寧で大きな動作を心がけることで、デバイスが正しく判別しやすくなり、正確なデータの蓄積につながります。
水中での心拍数計測による負荷管理
以前は水中での心拍数計測は難しいとされてきましたが、最近のスマートウォッチは光学式心拍計の進化により、水泳中でも高い精度で拍動を捉えられるようになっています。心拍数は、そのトレーニングが自分にとってどれくらいハードだったかを示す重要な指標です。
例えば、ダイエット目的で泳いでいる場合は、最大心拍数の60〜70%程度の「脂肪燃焼ゾーン」を維持できているかが重要です。一方で、持久力アップを目指すなら、さらに高い心拍数でのトレーニングが必要になります。スマートウォッチがあれば、泳いでいる最中や休憩中に現在の心拍ゾーンを確認し、ペースを調整することが可能です。
水中での運動は陸上よりも体温が上がりにくく、主観的な疲労感と実際の心臓への負担がズレてしまうことがあります。オーバーワークを防ぎ、安全に運動を続けるためにも、心拍数に基づいた負荷管理は欠かせません。毎日のコンディションを数値で見守ることで、無理のない範囲で着実にステップアップしていくことができます。
水泳計測に最適なスマートウォッチを選ぶためのチェックポイント

水泳で使うスマートウォッチを選ぶ際には、一般的な健康管理用とは異なるいくつかの基準があります。過酷な水中環境に耐え、正確なデータを取得するために、購入前に必ず確認しておきたいポイントをご紹介します。
防水性能の規格「5ATM」や「IPX8」の確認
水泳でスマートウォッチを使用する際、最も重要なのは防水性能です。スペック表を見ると「5ATM」や「IPX8」といった表記がありますが、水泳には「50メートル防水(5ATM)」以上の性能を持つモデルを選びましょう。これは静止した状態で50メートルの水深に耐えられることを示しています。
よくある誤解として「生活防水」程度のモデルをプールで使ってしまうことがありますが、泳ぐ時の腕の動きによる衝撃(動水圧)は想像以上に強いため、故障の原因となります。「スイミング対応」と明記されているか、5ATM以上の基準を満たしているかを必ずチェックしてください。最近では、より深いダイビングにも対応した高い防水性を持つモデルも増えています。
また、防水性能は経年劣化することにも注意が必要です。パッキンの劣化を防ぐため、真水以外の成分が含まれる水域での使用後は適切なお手入れが必要です。防水性能がしっかりしているモデルであれば、水泳中の安心感が大きく変わります。自分の用途に合わせて、余裕を持ったスペックのものを選ぶのが賢明です。
プールの長さ設定が可能かどうか
室内プールで正確な距離を計測するためには、デバイス側で「プールの長さ」を正しく設定できる必要があります。多くの公認プールは25メートルや50メートルですが、中には20メートルのスクール用プールや、海外仕様のヤード単位のプールも存在します。これらに柔軟に対応できる機種が望ましいです。
この設定ができないモデルや、あらかじめ決められた長さしか選べないモデルだと、泳いだ距離が実際とは大きくズレて表示されてしまいます。加速度センサーによる自動計測は、設定された距離を元に計算を行うため、この基本設定の正確さがデータの信頼性を左右します。購入前に設定メニューの自由度を確認しておくと安心です。
また、ターンを認識する感度が調整できるモデルや、特定のドリル練習(ビート板を使ったキックなど)を手動で記録できる機能があるかどうかもチェックポイントです。腕を動かさないキック練習では自動計測が働かないため、こうした補助機能があることで、全体の練習量をより正確に記録できるようになります。
装着感と操作性の良さ(ボタン操作の有無)
水泳中の操作性は、意外と見落としがちなポイントです。多くのスマートウォッチはタッチパネル式ですが、画面が濡れていると反応が悪くなったり、水中では全く操作できなかったりすることがあります。そのため、物理ボタンによる操作が可能かを確認することが非常に重要です。
トレーニングの開始や一時停止、ラップの取得などをボタン一つで確実に行えるモデルは、水中でのストレスが大幅に軽減されます。また、泳いでいる最中に手首を返した際、画面がスムーズに点灯して情報を読み取れるかどうかも快適さを左右します。明るい屋外プールで使用する場合は、視認性の高いディスプレイを採用しているかも確認しましょう。
装着感についても、シリコン製の柔らかいバンドが使われているものや、激しいストロークでもズレにくい軽量なモデルがおすすめです。バンドが硬すぎると手首の動きを妨げてしまい、フォームに悪影響を与える可能性があります。自分の手首にしっかりフィットし、かつ不快感のないデザインを選ぶことが、長く使い続けるための秘訣です。
水泳計測データに出てくる専門用語の正しい読み解き方

スマートウォッチで計測を始めると、画面やアプリに見慣れない言葉が並ぶことがあります。これらの用語の意味を理解することで、自分の泳ぎの状態をより深く分析できるようになります。代表的な4つの指標を解説します。
効率の指標となるSWOLF(スウォルフ)とは
水泳計測において最も特徴的な指標が「SWOLF」です。これは「Swimming」と「Golf」を組み合わせた造語で、ゴルフのようにスコアが低いほど効率が良いことを意味します。計算式は非常にシンプルで、「一定の距離を泳ぐのにかかった時間」+「その時のストローク数」で算出されます。
例えば、25メートルを20秒で泳ぎ、15回ストロークした場合、SWOLFスコアは35となります。同じタイムであっても、少ないストローク数で泳げればスコアは下がり、より「効率的な泳ぎ」ができていると判断されます。パワー任せに腕を回すのではなく、一かきでどれだけ効率よく進めているかを知るための重要な物差しです。
SWOLFスコアを意識することで、フォーム改善の成果を数値で実感しやすくなります。スコアが良くなっているときは、水をつかむ感覚が向上しているか、水の抵抗を減らす姿勢が作れている証拠です。日々の練習の中でこの数値を追いかけることで、無駄のない洗練された泳ぎを目指すことができます。
SWOLFスコアは身長や腕の長さによって個人差が出るため、他人と比較するのではなく、過去の自分と比較して成長を確認するためのツールとして活用しましょう。
ストローク数とストロークレートの違い
「ストローク数」は、その名の通り一定距離を泳ぐ間に腕を何回回したかを示す数値です。一方で「ストロークレート」は、1分間あたりのストローク数を表します。自転車でいうところのケイデンス(回転数)に近い概念だと考えると分かりやすいでしょう。この2つの数値の関係性を理解することが上達の鍵となります。
ストローク数が少ないということは、一かきで進む距離が長いことを意味し、効率の良さを示します。しかし、あまりにゆっくりかきすぎると失速してしまうため、適切なストロークレートを維持することも重要です。トップスイマーは、高いストロークレートを保ちながらも、一かきあたりの推進力を落とさない技術を持っています。
スマートウォッチで自分の平均的なストローク数とレートを把握しておけば、疲れによるフォームの崩れに気づくことができます。練習の後半にストローク数が増えてきたら、フォームを意識し直すサインです。数値を見ながら、自分にとって最もスピードが出て疲れにくいバランスを見つけていきましょう。
インターバル計測と休息時間の管理
競泳のトレーニングでは、決まった距離を何度も泳ぎ、その間に短い休息を挟む「インターバルトレーニング」が一般的です。スマートウォッチにはこの練習をサポートする機能が備わっており、泳いでいる時間と休んでいる時間を別々に、あるいはセットとして記録してくれます。
休息時間を正確に管理することは、トレーニングの強度をコントロールする上で欠かせません。例えば、「30秒休んで次の本数をスタートする」というメニューを組む際、デバイスがカウントダウンやアラートで知らせてくれれば、時計をじっと見つめ続ける必要がなくなります。心拍数の回復具合を見ながら次のスタートを切るなど、より高度な管理も可能です。
アプリでの振り返り時には、各本数ごとのタイムのバラツキを確認できます。10本泳いでもタイムが落ちていなければ持久力がついている証拠ですし、後半に急激にタイムが落ちている場合は、ペース配分やスタミナに課題があることがわかります。このように、インターバル計測は自分の実力を客観視するのに最適です。
100メートルあたりのペース(平均ペース)の見方
水泳では、ランニングの「時速」や「1kmあたりの分」に相当するペース指標として「100メートルあたりの時間」をよく使います。例えば「1:45/100m」と表示されていれば、100メートルを1分45秒のペースで泳いでいることを意味します。この数値を見ることで、自分の泳力の現在地を知ることができます。
平均ペースは、長距離を泳ぐ際に非常に役立ちます。例えば、1500メートルを一定の速度で泳ぎ切りたい場合、スマートウォッチで現在のペースをチェックすることで、オーバーペースを防いだり、遅れを挽回したりすることができます。一定のペースを刻む感覚を養うことは、レースに出場するスイマーにとっても非常に重要な訓練となります。
また、過去のデータと比較して、平均ペースが少しずつ速くなっていることを確認できれば、練習の成果を実感できて大きな励みになります。単に「今日はたくさん泳いだ」という満足感だけでなく、「先月より5秒速いペースで泳げるようになった」という具体的な成長指標を持つことで、練習の質は飛躍的に高まります。
人気メーカー別の水泳計測機能の強みとおすすめモデル

現在、多くのメーカーから水泳計測に対応したスマートウォッチが登場しています。それぞれのブランドがどのような特徴を持ち、どんなスイマーに向いているのかを比較してみましょう。
本格派スイマーに支持されるGarmin(ガーミン)
スポーツウォッチの代名詞とも言えるガーミンは、水泳計測においても世界中のアスリートから絶大な信頼を得ています。その最大の特徴は、圧倒的なデータの詳細さと分析能力にあります。水泳専用モデルである「Garmin Swim 2」などは、その名の通りスイマーが必要とする機能を凝縮した一台です。
ガーミンのデバイスは、ドリル練習の記録機能や、設定したペースを振動で知らせる「ペースアラート」など、現場での使い勝手が非常に優れています。また、独自の「Garmin Connect」アプリは、計測したデータをグラフ化したり、プロのトレーニングプランをダウンロードしたりすることができ、本格的に記録を伸ばしたい方には最適です。
上位モデルになると、トライアスロンやオープンウォータースイミングにも対応し、海でのGPS計測精度も非常に高いのが魅力です。ボタン操作が基本となっているため、水中での誤作動の心配もほとんどありません。機能性、耐久性、データの深さのすべてにおいて妥協したくない方におすすめの選択肢と言えます。
直感的な操作とライフログに強いApple Watch
Apple Watchは、普段使いの利便性と水泳計測のしやすさを高い次元で両立させたデバイスです。最新のモデルであればすべて高い防水性能を備えており、標準搭載されている「ワークアウト」アプリで簡単に水泳の記録が始められます。プールに入ると自動的に画面をロックする機能もあり、浸水による誤作動を防ぐ工夫も万全です。
Apple Watchの強みは、なんといっても画面の美しさと直感的な操作感にあります。計測データはAppleの「ヘルスケア」アプリに集約され、日々の歩数や睡眠データと一緒に一元管理できるのが魅力です。また、「MySwimPro」などのサードパーティ製アプリをインストールすることで、より詳細な分析やトレーニングメニューの提案を受けることも可能です。
健康管理の一環として水泳を取り入れている方や、iPhoneとのスムーズな連携を重視する方には最適な一台です。他のスマートウォッチに比べてバッテリーの持ちはやや短い傾向にありますが、毎日の生活に溶け込む洗練されたデザインと多機能さは、唯一無二の存在感を放っています。
手軽に計測を始められるFitbitやHUAWEI
「まずは手軽に水泳の記録を始めたい」という方には、FitbitやHUAWEIといったメーカーの製品が適しています。これらのブランドのスマートウォッチやアクティビティトラッカーは、比較的リーズナブルな価格ながら、基本的な水泳計測機能をしっかりと網羅しているのが特徴です。
Fitbitは健康管理機能が充実しており、泳いだ後の心拍数の推移や消費カロリーを分かりやすく表示してくれます。シンプルでスリムなデザインのモデルが多く、泳ぎの邪魔になりにくい点もメリットです。一方、HUAWEIの製品は驚異的なバッテリー持ちを誇るモデルが多く、数日から1週間以上充電なしで使用できるため、充電の手間を減らしたい方に支持されています。
これらのモデルでも、距離やタイム、SWOLFスコアなどの基本データは十分に取得可能です。高度な専門機能までは必要ないけれど、自分の運動量を可視化してモチベーションにつなげたいという初心者スイマーにとって、コストパフォーマンスの高い選択肢となるでしょう。
| メーカー | 主な特徴 | おすすめの層 |
|---|---|---|
| Garmin | 専門的な指標が豊富、高い分析力 | 本格的な競泳・トライアスロン層 |
| Apple | 操作性抜群、アプリ連携が強力 | iPhoneユーザー、健康管理重視層 |
| Fitbit/HUAWEI | コスパが良い、バッテリーが長持ち | 初心者、手軽に記録を始めたい層 |
プールでのスマートウォッチ使用時に気をつけるべきマナーと注意点

スマートウォッチは非常に便利な道具ですが、プールで使用する際にはいくつか守らなければならないルールやマナーがあります。周囲のスイマーとトラブルにならず、デバイスを長く大切に使うためのポイントを確認しましょう。
施設によって使用禁止の場合があるため要確認
最も注意しなければならないのが、施設ごとの利用ルールです。実は、公共のプールや民間のスポーツクラブの中には、安全面への配慮からスマートウォッチの着用を禁止している場所がまだ多く存在します。他の人と接触した際に、デバイスの硬い素材が相手を傷つけてしまうリスクを懸念しているためです。
最近では「保護カバーを装着すればOK」や「指定されたシリコンバンドならOK」という形で許可される施設も増えてきましたが、事前確認は必須です。プールの受付やウェブサイトで、スマートウォッチ(ウェアラブル端末)の使用が可能かどうかを必ずチェックしてください。ルールを守ることは、すべてのスイマーが気持ちよく泳ぐための基本です。
もし使用が許可されている場合でも、混雑しているコースでは特に注意が必要です。腕を振り回すクロールやバタフライでは、予期せぬ接触が起こる可能性があります。周囲との距離を常に意識し、安全を第一に考えて計測を行いましょう。マナーを守ってスマートに使いこなすことが、ガジェットを楽しむ大人のスイマーの嗜みです。
ターンが不明瞭だと距離がずれることがある
スマートウォッチの計測ロジックは、加速度センサーが「ターンの際の勢いや動きの変化」を捉えることで距離を加算します。そのため、ターンが緩やかすぎたり、途中で立ち止まったり、あるいはコースの途中で他の人を追い越すために急加速したりすると、計測にズレが生じることがあります。
例えば、壁にタッチしてゆっくりと向きを変えるだけだと、デバイスが「新しいラップに入った」と認識してくれない場合があります。できるだけ壁をしっかり蹴って加速する「クイックターン」や「タッチターン」を行うことで、計測の精度を高めることができます。機械の特性を理解して、デバイスが検知しやすい動きを意識することも正確なデータ取得には必要です。
もし泳いでいる最中に大きな誤差が出たと気づいても、泳ぎながら修正しようとするのは禁物です。集中力が途切れてしまいますし、さらなる誤作動を招く恐れもあります。記録のズレは後からアプリ上で修正できるモデルもあるため、泳いでいる最中はあまり数値を気にしすぎず、ゆったりとした気持ちでトレーニングを続けましょう。
使用後のお手入れ(真水での洗浄)を忘れずに
スマートウォッチを長持ちさせるために、泳いだ後のメンテナンスは欠かせません。プールの水には消毒用の塩素が含まれており、これが長時間デバイスに付着したままだと、バンドの劣化や本体の腐食、センサーの反応低下を招くことがあります。また、海で泳いだ場合は塩分が大きなダメージ源となります。
使用後は必ず真水で丁寧に洗い流してください。ボタンの隙間や心拍センサーの窓、充電端子の部分は特に汚れや成分が残りやすい場所です。優しく水洗いした後は、柔らかい布で水分をしっかりと拭き取り、風通しの良い場所で乾燥させましょう。濡れたまま充電器にセットするのは、ショートや故障の原因になるため絶対に避けてください。
特にシリコンバンドは汗や塩素でベタつきやすいため、時々中性洗剤を薄めた水で洗うのも効果的です。清潔に保つことは、肌トラブルを防ぐことにもつながります。高い買い物だからこそ、日々のひと手間を惜しまずにメンテナンスを行うことで、最高の相棒として長く付き合っていくことができます。
水泳計測データを日々のトレーニングに活用して速くなるコツ

ただ記録を取るだけではもったいないのがスマートウォッチのポテンシャルです。蓄積されたデータをどのように分析し、実際の泳ぎに活かしていけば良いのか、その具体的なステップをご紹介します。
過去のデータと比較して成長を実感する
最もシンプルで強力な活用法は、「過去の自分」との比較です。トレーニングを始めたばかりの頃のデータと、数ヶ月後のデータを並べて見てみましょう。同じ距離を泳ぐのにかかった時間の短縮や、平均心拍数の低下など、目に見える変化が見つかるはずです。
自分の感覚では「あまり変わっていないな」と思っていても、データは正直にあなたの努力の結果を映し出します。例えば、以前は25メートル泳ぐのに25回かかっていたストローク数が、22回に減っていれば、それは確実にフォームが改善され、推進効率が上がった証拠です。この小さな「成功の証拠」を見つけることが、モチベーションを維持する最大の秘訣となります。
また、週あたりの合計走行距離や消費カロリーの推移を確認することも有効です。自分の頑張りが数字として積み上がっていく様子は、何にも代えがたい達成感を与えてくれます。アプリのカレンダーが練習の記録で埋まっていくのを見るだけで、次の練習が楽しみになるという好循環が生まれます。
目標設定機能を活用してモチベーションを維持
多くのスマートウォッチには、その日の目標(距離、時間、カロリーなど)を設定する機能が備わっています。漠然と泳ぎ始めるのではなく、「今日は合計1000メートル泳ぐ」や「30分間は止まらずに泳ぐ」といった具体的な目標をデバイスに入力してからプールに入りましょう。
目標を設定すると、達成までの進捗状況をリアルタイムで確認できるため、あと少しの粘りが効くようになります。「あと200メートルで今日の目標達成だ」と分かれば、疲れが出てきた後半でももう一度踏ん張る力が湧いてきます。目標を達成した瞬間にデバイスが振動でお祝いしてくれる演出は、地味ながらも嬉しいものです。
さらに、月間や年間での目標を立てるのもおすすめです。大きな目標を達成するために必要な日々の積み重ねを、スマートウォッチが常に管理・サポートしてくれます。自分一人では甘えが出てしまうような時でも、手首のデバイスがリマインダーとなって、あなたのトレーニングを支えてくれるでしょう。
SNSやコミュニティで仲間と記録を共有する
一人で黙々と泳ぐのも水泳の醍醐味ですが、時には誰かと刺激し合うことも上達への近道です。多くのスマートウォッチアプリには、他のユーザーと繋がれるソーシャル機能があります。自分の記録を公開したり、友人の記録に「いいね」を送ったりすることで、連帯感が生まれます。
例えば、Garmin ConnectやStravaといったプラットフォームでは、世界中のスイマーとランキングを競ったり、特定のチャレンジに参加したりすることができます。他人の練習量やペースを見ることで、「自分も負けていられない」という前向きな刺激を受けることができるでしょう。アドバイスを交換し合える仲間ができれば、練習の質もさらに向上します。
もちろん、無理に競う必要はありません。自分と同じような目標を持つ人たちの記録を眺めるだけでも、新しい練習メニューのヒントが得られることがあります。孤独になりがちな個人スポーツだからこそ、デジタルな繋がりを上手に活用して、スイミングライフの輪を広げていきましょう。
プライバシー設定には十分注意し、自宅付近や特定の施設を特定されたくない場合は、データの公開範囲を適切に制限して活用しましょう。
データをもとにトレーニングメニューを改善する
ある程度データが溜まってきたら、それを元に練習内容をアップデートしてみましょう。例えば、SWOLFスコアが伸び悩んでいる場合は、筋力で解決しようとするのではなく、一度基本に戻ってストロークの形を見直すドリル練習の比重を増やすべき時期かもしれません。
心拍数データも重要なヒントをくれます。同じペースで泳いでいるのに以前より心拍数が上がらなくなってきたなら、それは心肺機能が向上した証拠です。次はもう少しペースを上げるか、インターバルの時間を短く設定するなど、負荷を一段階上げる時期だと判断できます。このように、感覚ではなく客観的な根拠に基づいてメニューを組めるのがスマートウォッチの強みです。
また、体調や睡眠のデータと水泳のパフォーマンスを照らし合わせることで、自分に最適な練習の時間帯や頻度も見えてきます。無理な練習で怪我をするリスクを避けつつ、最大限の効果を引き出すための「自分専用のコーチ」としてスマートウォッチを使い倒しましょう。データに基づいた確かな一歩が、あなたを理想の泳ぎへと導いてくれます。
スマートウォッチを活用した水泳計測で泳ぎの質を高めよう
スマートウォッチを使った水泳計測は、単なる記録の自動化にとどまらず、自分の泳ぎを科学的に理解し、楽しみながら上達するための強力なツールです。距離やタイム、ストローク数、心拍数といった多角的なデータを手軽に取得できることで、これまで見えてこなかった改善点や成長の足跡がはっきりと形になります。
自分にぴったりの一台を選ぶためには、防水性能や操作性、そして自分がどのようなデータを重視したいかを整理することが大切です。本格的な分析を求めるなら専用機、日常の健康管理も兼ねるならライフスタイル系のモデルと、選択肢は広がっています。施設のマナーを守り、適切なお手入れを心がけることで、スマートウォッチはあなたの水泳生活に欠かせない良きパートナーとなってくれるでしょう。
計測データは、過去の自分を超えるための地図のようなものです。数値を励みにモチベーションを維持し、効率的なフォームを追求していく過程は、水泳の新しい楽しみ方を教えてくれます。ぜひ今日からスマートウォッチを腕に、さらに充実したスイミングライフをスタートさせてください。


