プールで楽しく泳いだ後、お気に入りの水着が薄くなったり、ゴムが伸びてしまったりしてガッカリした経験はありませんか。実は、その原因の多くはプールに含まれる「塩素」にあります。プールの衛生を保つために欠かせない塩素ですが、水着の繊維にとっては非常に強い刺激となり、徐々にダメージを蓄積させてしまうのです。
せっかく選んだお気に入りの水着ですから、できるだけ長く、きれいな状態で使い続けたいものですよね。この記事では、水着が塩素で劣化する具体的な仕組みから、今日からすぐに実践できる簡単なお手入れ方法、さらには劣化に強い水着の選び方までを分かりやすく詳しく解説します。
正しい知識を身につけて、塩素ダメージを最小限に抑えることができれば、水着の寿命はぐんと延びます。水泳をより快適に楽しむために、まずは水着の性質を知ることから始めてみましょう。毎日のケアを少し変えるだけで、驚くほど水着の状態が変わるのを実感できるはずです。
水着が塩素で劣化する仕組みと生地に現れるサイン

水着がなぜプールの水でダメージを受けるのか、その理由を正しく理解することは、効果的な対策への第一歩です。ここでは、塩素が生地に与える影響と、劣化が始まったときに見られる具体的な症状について詳しく見ていきましょう。
なぜプールに使われる塩素が生地を傷めるのか
プールの水には、雑菌の繁殖を抑えて衛生状態を保つために「次亜塩素酸ナトリウム」などの塩素系消毒剤が含まれています。この塩素には強い酸化作用があり、水着の繊維に含まれる成分と反応して、組織を少しずつ破壊してしまう性質があります。
特に影響を受けやすいのが、水着のストレッチ性を生み出している「ポリウレタン」という素材です。ポリウレタンはゴムのような伸縮性を持ちますが、化学的に繊細な素材でもあります。塩素はこのポリウレタンの分子結合を切り離してしまい、弾力を失わせる原因となります。
また、塩素は染料を分解する力も持っているため、鮮やかな色の水着が徐々に色あせてしまうこともあります。泳ぐたびにこの酸化反応が繰り返されることで、生地全体の強度が低下し、最終的には破れや透けといった致命的なダメージにつながってしまうのです。
劣化が進んだ水着に見られる代表的な症状
水着の劣化は、ある日突然起こるのではなく、少しずつサインが現れます。最も分かりやすい兆候は、「生地の薄れ」と「透け」です。お尻のあたりや股の部分など、摩擦が起きやすい場所の生地が薄くなり、裏地が見えるようになってきたら注意が必要です。
次に、弾力性の低下も代表的な症状です。新品のときは体にぴったりフィットしていた水着が、濡れると妙に重く感じたり、お尻周りがダボついたりするのは、中のポリウレタン糸が切れてしまっている証拠です。一度伸びきった生地は、乾かしても元の形には戻りません。
また、乾いた水着を左右に引っ張ったときに、パチパチという細かい音がしたり、白い粉のようなものが出てきたりすることがあります。これは劣化したポリウレタンが粉砕されて出てきたものです。このような状態になった水着は寿命が近く、本来のサポート機能も失われています。
ポリウレタン素材が持つ寿命と特性
一般的な水着の多くには、フィット感を高めるためにポリウレタンが使われています。ポリウレタンは非常に優れた伸縮性を持ちますが、実は塩素だけでなく、熱や水分、紫外線、さらには空気中の酸素によっても自然に劣化が進む「経年劣化」という特性を持っています。
一般的に、頻繁にプールで泳ぐ場合、ポリウレタンを含む水着の寿命は約1年、着用回数にして100回程度と言われています。もちろんお手入れ次第で前後はしますが、素材自体の性質として「永久に使えるものではない」ということを知っておく必要があります。
もし、週に何度も練習する本格的なスイマーであれば、より耐久性の高い素材を選ぶか、数着をローテーションして使うことが推奨されます。素材の特性を理解していれば、無理に長く使い続けて型崩れした水着で泳ぐストレスを避け、適切な買い替え時期を判断できるようになります。
ダメージを放置すると起こるトラブル
劣化に気づきながらも「まだ着られるから」と対策をせずに放置していると、思わぬトラブルを招くことがあります。最も困るのは、泳いでいる最中に生地が完全に伸びきってしまい、水着がズレたり脱げそうになったりすることです。これは集中力を削ぐだけでなく、安全面でも不安が残ります。
また、生地が薄くなったことに気づかず入水し、水に濡れたことで肌が透けて見えてしまうという失敗も少なくありません。プールの明るい照明の下では、自宅の鏡でチェックしたときよりも透けが目立ちやすいため、早めのチェックが欠かせません。
さらに、劣化した繊維の破片がプールのフィルターを詰まらせる原因になったり、水質に影響を与えたりすることもあります。自分自身の快適さのためだけでなく、プールを利用するみんなが気持ちよく過ごすためにも、劣化した水着は早めに対処することがマナーと言えるでしょう。
プールに入る前から始めたい塩素ダメージの予防習慣

水着を守るためのケアは、泳ぎ終わった後だけでなく、実は「泳ぐ前」から始まっています。事前に対策をしておくことで、塩素が生地に浸透するスピードを遅らせることが可能です。ここでは、入水前に行うべき大切な習慣について解説します。
泳ぐ前に真水でしっかり水着を濡らす理由
プールの水に入る前に、シャワーで水着をたっぷりの真水で濡らしておくことは非常に効果的です。これには「スポンジの原理」が関係しています。乾いた状態の水着は、水分を吸収しやすいスポンジのような状態になっており、そのままプールに入ると塩素を含んだ水を一気に吸い込んでしまいます。
あらかじめ真水で繊維の隙間を満たしておくことで、後から入ってくるプールの水(塩素水)が浸透するスペースを減らすことができます。このひと手間で、繊維の芯まで塩素が染み込むのを防ぐことができるのです。シャワーを浴びる際は、表面を濡らすだけでなく、手で軽く押さえて中まで水分を行き渡らせるのがコツです。
公共のプールでは衛生上の理由から入水前のシャワーが義務付けられていますが、これは水着を守るという観点からも非常に理にかなった行動です。水着を長持ちさせたいなら、シャワー室でしっかりと全身と水着を濡らしてから、プールサイドへ向かうようにしましょう。
塩素除去剤配合のプレケア用品の活用
最近では、水着の劣化を防ぐために開発された専用のプレケア用品も販売されています。これらは、入水前に水着にスプレーしたり、あらかじめ馴染ませておいたりすることで、塩素の酸化作用を中和するバリアのような役割を果たしてくれます。
特に高価な競技用水着や、お気に入りのおしゃれな水着を絶対に守りたいという場合には、こうしたアイテムを取り入れるのも一つの手です。スプレータイプであれば持ち運びも簡単で、シャワーを浴びた後にシュッと吹きかけるだけで済むため、手間もそれほどかかりません。
ただし、施設によっては薬品の使用に制限がある場合もあるため、事前に確認が必要です。基本的には真水で濡らすだけでも十分な効果がありますが、さらに万全を期したい方は、スポーツショップなどで「水着守るくん」のような名称で売られているケア用品をチェックしてみてください。
水着のサイズ選びが耐久性に与える影響
水着の劣化とサイズ選びは、一見関係がないように思えるかもしれません。しかし、自分の体に合っていない小さすぎるサイズを無理に着ることは、生地を常に最大限まで引き伸ばした状態にすることを意味します。この「過度なテンション」は、塩素によるダメージを加速させます。
引き伸ばされた繊維は隙間が広がり、塩素がより深くまで入り込みやすくなります。また、小さな動きでも繊維に強い負荷がかかるため、ポリウレタン糸が切れやすくなってしまうのです。特に肩紐や股ぐりの部分は負担が集中しやすく、サイズが合っていないとすぐに伸びてしまいます。
水着を選ぶときは「きつすぎず、かつフィットするもの」を選ぶのが理想です。試着の際に、体をひねったりしゃがんだりしても、生地が無理に引っ張られている感じがしないかを確認しましょう。適正なサイズ選びは、着心地の良さだけでなく、水着の寿命を左右する重要なポイントです。
脱衣所での脱ぎ方一つで変わる生地の負担
泳ぎ終わった直後、疲れているとついつい乱暴に水着を脱いでしまいがちですが、ここでも注意が必要です。濡れた状態の水着は、乾いているときよりも摩擦に弱く、また塩素によって一時的に繊維がデリケートな状態になっています。
無理に引っ張って脱いだり、爪を立てて生地を掴んだりすると、それだけで繊維が傷つき、劣化の引き金になります。特に競泳用のフィット感が強い水着は脱ぎにくいものですが、少しずつずらすようにして、丁寧に脱ぐ習慣をつけましょう。
また、脱いだ後の水着を床に直に置いたり、強く絞ったりするのも避けてください。脱衣所の床には滑り止めのザラザラした加工がされていることが多く、それが生地を傷める原因になります。脱いだらすぐに真水ですすぐか、清潔なタオルに包んで保護するように心がけてください。
水着を着る際、日焼け止めがつかないように注意しましょう。日焼け止めの成分もポリウレタンを劣化させる原因になります。プールで許可されている場合でも、水着の縁に付着しないよう塗るのが長持ちの秘訣です。
泳いだ直後が重要!塩素をしっかり落とす正しい洗い方

プールから上がった後の「最初の数分間」が、水着の寿命を決めると言っても過言ではありません。生地に染み込んだ塩素をいかに早く、効率よく取り除けるかが勝負です。ここでは、正しい洗い方の手順とポイントを詳しく解説します。
プールから上がったらすぐに真水で揉み洗い
泳ぎ終わってシャワー室に入ったら、まずは着たままの状態でしっかりと真水を浴びましょう。その後、脱いだ水着をすぐに真水ですすぎます。このとき、ただ水に流すだけでなく、優しく「押し洗い」や「揉み洗い」をするのがポイントです。
生地の中に閉じ込められた塩素を押し出すイメージで、両手で数回プレスしてください。流水に当てるだけでは、繊維の奥に入り込んだ塩素まではなかなか落ちません。最低でも2〜3回は水を替えて、しっかりとすすぎを繰り返すことが大切です。
もしプールサイドに水着専用の脱水機が設置されている場合は、すすいだ後に短時間使用しても構いません。しかし、まずは「真水で薄める・流す」という工程を最優先にしてください。この初動が早いほど、塩素による酸化ダメージを最小限に抑え込むことができます。
脱水機は短時間で!生地を傷めないコツ
プールの脱衣所にある脱水機は便利ですが、使い方を間違えると水着を傷める原因になります。水着の繊維は非常に細く、強力な遠心力が長時間かかると、繊維同士が擦れたり伸びたりしてしまいます。脱水機を使う場合は、長くても「30秒から1分程度」に留めておきましょう。
また、水着をそのまま放り込むのではなく、できれば小さめの洗濯ネットに入れるのが理想です。ネットに入れることで、回転時の摩擦や、他の人の衣類との接触によるダメージを防ぐことができます。ネットがない場合は、水着を内側に丸めて、型崩れしにくい状態で入れる工夫をしましょう。
なお、家庭用の全自動洗濯機で脱水まで行う場合は、さらに注意が必要です。標準コースではなく「弱」や「ソフト」コースを選び、やはり短時間で切り上げるようにしてください。過度な脱水は生地の伸縮性を奪うだけでなく、パッドなどの付属品が変形する原因にもなります。
持ち帰り時の濡れた状態を最小限にする工夫
プールから自宅に帰るまでの間、水着をビニール袋に入れたまま放置していませんか。濡れたまま密閉された状態は、塩素の反応が進みやすく、雑菌が繁殖して臭いの原因にもなる最悪の環境です。特に夏場の車内などは高温になるため、劣化が急激に進んでしまいます。
持ち帰る際は、乾いたタオルで水着を包み、水分を吸い取らせながら運ぶのがベストです。タオルに包むことで通気性が少し確保され、水着同士の摩擦も防げます。ビニール袋に入れる場合も、口をしっかり縛らずに少し隙間を開けておくか、メッシュ素材のバッグを活用するのがおすすめです。
もし帰宅までに時間がかかる場合は、保冷バッグなどを利用して温度が上がるのを防ぐのも一つのアイデアです。とにかく「高温多湿」な状態を避けることが、塩素ダメージを長引かせないための重要なポイントになります。帰宅したら、すぐにバッグから取り出すことを習慣にしましょう。
中性洗剤を使った丁寧な手洗いの手順
帰宅後は、改めて丁寧に洗います。基本は「真水での手洗い」で十分ですが、皮脂汚れやプールの臭いが気になる場合は、おしゃれ着用の中性洗剤を使いましょう。強アルカリ性の洗剤や漂白剤は、塩素以上に生地を傷めるため絶対に使用しないでください。
【正しい手洗いのステップ】
1. 洗面器に30度以下のぬるま湯(または水)を張り、中性洗剤を薄く溶かします。
2. 水着を裏返しにして入れ、20回ほど優しく「押し洗い」をします。こすり洗いは厳禁です。
3. 水を替えて、洗剤が完全に抜けるまでしっかりとすすぎます。
4. 最後に乾いたタオルに挟み、上からポンポンと叩くようにして水分を取ります。
洗濯機を使いたい場合は、必ず洗濯ネットに入れ、「手洗いモード」や「ドライコース」を選択してください。しかし、水着は非常にデリケートなため、やはり長く持たせたいのであれば手洗いが最も安心です。毎回の丁寧なケアが、1年後の水着の状態を大きく変えることになります。
生地を傷めないための乾燥方法と保管時の注意点

きれいに洗った後も、油断は禁物です。「乾かし方」を間違えると、これまでの努力が水の泡になってしまうこともあります。水着にとって最も優しい乾燥方法と、長持ちさせるための保管のコツについてお伝えします。
直射日光は厳禁!日陰干しが基本の理由
早く乾かしたいからといって、天気の良い日に直射日光の下で干すのは避けましょう。太陽光に含まれる紫外線は、塩素と同じくらいポリウレタンの天敵です。紫外線を浴びることで繊維の酸化が進み、あっという間に生地がボロボロになってしまいます。
水着を干すときは、「風通しの良い日陰」が鉄則です。日陰であっても、風があれば十分に乾きます。室内であれば、扇風機の風を当てたり、浴室乾燥機の「送風」機能を使ったりするのがおすすめです。直射日光を避けるだけで、色あせや生地の硬化を防ぐことができます。
また、冬場など乾きにくい時期でも、ドライヤーの熱風を当てたり、ストーブの近くに置いたりするのは絶対にやめてください。ポリウレタンは熱に非常に弱く、高温にさらされると繊維が溶けたり、変形したりして元に戻らなくなってしまいます。あくまで「自然な風」で乾かすのが最も安全です。
タオルドライで水分を吸い取る正しいやり方
乾燥時間を短縮するために最も有効なのが、干す前の「タオルドライ」です。水着を洗った後、水が滴る状態で干すと、水の重みで生地が伸びてしまいます。まずは大きな乾いたバスタオルの上に水着を広げ、端からクルクルと巻いていきましょう。
そのまま軽く手で押さえて、タオルの繊維に水着の水分を移します。このとき、雑巾のように絞るのは厳禁です。強くねじる力は、水着の繊維をブチブチと引きちぎってしまう原因になります。あくまで「吸い取る」という意識で、優しく圧力をかけるのがコツです。
十分に水分が取れたら、形を整えて干す工程に移ります。この段階で水分がしっかり抜けていれば、日陰干しでも数時間で乾かすことができます。タオルドライは水着への負担が最も少なく、かつ効率的な水分の除去方法ですので、ぜひ毎回取り入れてみてください。
形を崩さないハンガーの選び方と干し方
水着を干す際、細い針金ハンガーなどを使うと、肩紐の部分に負担がかかり、型崩れの原因になります。特に水を含んで重くなった水着を細いハンガーにかけると、その部分だけが極端に伸びてしまいます。できれば厚みのあるハンガーを使うか、平干しネットを利用するのが理想です。
ハンガーにかける場合は、水着を裏返したままにし、肩紐を直接かけるのではなく、ウエスト部分で二つ折りにしてかけるなどの工夫をすると、重みが分散されます。また、カップ付きの水着は、カップの形が潰れないように整えてから干すことも忘れないでください。
上下に分かれたセパレートタイプの場合は、ボトムスを洗濯バサミで吊るすと、挟んだ跡がついたり、重みでウエストゴムが伸びたりすることがあります。ピンチハンガーを使う際は、ゴムの部分ではなく、裏地の目立たない場所を挟むか、やはり平干しにするのが最も生地に優しい方法です。
長期間保管する際の環境と湿気対策
シーズンオフなどで水着をしばらく使わないときは、保管場所にも気を配りましょう。せっかく綺麗に洗って乾かしても、保管環境が悪いと「加水分解」という現象により、次に使おうとしたときにベタベタになっていたり、粉を吹いていたりすることがあります。
保管に最適なのは、「湿気が少なく、光が当たらない涼しい場所」です。プラスチック製の密閉容器やビニール袋に入れっぱなしにすると、湿気がこもりやすいため避けましょう。不織布などの通気性の良い袋に入れ、引き出しの中にゆったりと収納するのがおすすめです。
また、防虫剤を直接触れさせないよう注意してください。一部の防虫剤の成分は水着の繊維と反応し、変色を招く恐れがあります。長期間保管した後は、着用前に一度水通しをして、生地の状態を確認してから使い始めるようにしましょう。こうしたちょっとした気遣いが、お気に入りの水着を次のシーズンも輝かせてくれます。
塩素に強い水着の選び方と素材による違い

どんなに丁寧にお手入れをしていても、塩素の影響をゼロにすることはできません。そこで、これから新しい水着を購入する予定がある方は、「最初から塩素に強い素材」を選ぶというのも賢い選択です。ここでは、耐久性に優れた水着の選び方をご紹介します。
耐塩素性に優れた「ポリエステル100%」の魅力
一般的に水着の劣化の主な原因は、伸縮素材であるポリウレタンにあります。つまり、「ポリウレタンを含まない水着」を選べば、塩素による劣化を劇的に抑えることができます。その代表が、ポリエステル100%で作られた水着です。
ポリエステルは塩素に対して非常に強く、酸化によるダメージをほとんど受けません。そのため、毎日練習する競泳選手や、アクアビクスなどで頻繁にプールに入る方にとっては、驚くほど長持ちする「神素材」と言えます。数ヶ月で伸びてしまう一般的な水着に対し、1年以上経っても型崩れしないことも珍しくありません。
ただし、ポリエステル100%の水着は、一般的な水着のような「びよん」とした伸びがありません。着脱に少しコツが必要だったり、人によってはフィット感が硬く感じられたりすることもあります。しかし、最近は編み方の工夫により、ポリエステル100%でも十分な動きやすさを持つ製品が増えています。
最新の形状記憶・高耐久素材(タフスーツ等)の特徴
スポーツブランド各社からは、塩素への強さを追求した独自素材の水着が多数登場しています。例えば、デサント(アリーナ)の「タフスーツ」シリーズなどは、耐塩素性に特化した練習用水着の代名詞として非常に人気があります。
これらの高耐久素材は、ポリウレタンを使用せずに高いストレッチ性を実現していたり、特殊なコーティングで繊維を保護していたりするのが特徴です。通常のファッション水着に比べると価格はやや高めですが、「買い替えの頻度が減る」ことを考えれば、コストパフォーマンスは非常に高いと言えます。
タグや商品説明に「耐塩素」「練習用」「リピーテクス」といったキーワードが記載されているものは、劣化しにくい設計になっています。長くハードに使い込みたいのであれば、こうした機能性素材を積極的に選ぶのが、結果として最も安上がりで快適な選択になるでしょう。
フィット感と耐久性のバランスをどう取るべきか
水着選びで迷うのが、「動きやすさ(伸縮性)」と「丈夫さ(耐久性)」のどちらを優先するかです。レジャーでたまに泳ぐ程度であれば、ポリウレタン配合の柔らかい水着の方が着心地が良く、脱ぎ着も楽でストレスがありません。
一方で、週に2〜3回以上プールに通うのであれば、ある程度の「硬さ」は覚悟してでも、耐久性の高いモデルを選ぶのが現実的です。柔らかい水着は最初こそ快適ですが、塩素で劣化し始めるとすぐに生地が伸び、泳いでいる最中のフィット感が急激に損なわれてしまうからです。
自分の利用頻度を考え、「週1回以下なら伸縮性重視」「週2回以上なら耐久性重視」といった基準を持っておくと選びやすくなります。最近では、耐久性を高めつつも肌触りを改良したバランスの良いモデルも増えているので、店頭で実際に生地を触って比較してみるのが一番です。
買い替え時期を見極めるチェックリスト
「まだ着られそうだけど、そろそろ寿命かな?」と迷ったときは、以下のチェックリストを参考にしてください。一つでも当てはまる項目があれば、それは塩素による劣化が限界に近づいているサインかもしれません。
| チェック項目 | 劣化のサイン |
|---|---|
| 生地の質感 | 乾いているのに表面がザラザラしたり、粉っぽかったりする |
| フィット感 | 濡れると生地が波打ち、お尻やウエストに隙間ができる |
| 見た目 | 裏地の白さが目立つようになった、または色が極端に薄い |
| ゴム部分 | 肩紐や足口のゴムが波打っている、または固まっている |
特に生地が薄くなってからの「透け」は、自分ではなかなか気づきにくいものです。お風呂場で水に濡らして、光に透かしてチェックしてみるのが最も確実です。完全にダメになってから慌てるよりも、少し劣化を感じ始めたタイミングで次の一着を探し始めるのが、スマートなスイマーの嗜みです。
水着の塩素劣化を最小限に抑えて快適な水泳を楽しもう
水着にとって塩素は避けられない大敵ですが、その性質を正しく知り、適切に対処することで、劣化のスピードは確実に遅らせることができます。お気に入りの一着を長く愛用するために、この記事でご紹介したポイントを最後におさらいしましょう。
まず大切なのは、泳ぐ前に真水でしっかり水着を濡らすことです。このひと手間で、繊維への塩素浸透を大幅に軽減できます。そして泳ぎ終わったら、一分一秒でも早く真水ですすぎ、生地の中に残った塩素を揉み出すように洗い流してください。持ち帰り時の「濡れたままの放置」は厳禁です。
自宅でのお手入れは、中性洗剤を使った優しい手洗いが基本です。脱水機は短時間にとどめ、直射日光を避けた風通しの良い日陰で乾かしましょう。また、頻繁にプールを利用する方は、ポリウレタンを含まないポリエステル100%の素材や、高耐久な練習用水着を選ぶことで、買い替えのストレスを減らすことができます。
水着は決して安い買い物ではありませんし、何より自分の体にフィットしたお気に入りのデザインには愛着が湧くものです。日々のちょっとしたケアを習慣にして、塩素ダメージから大切な水着を守ってあげてください。手入れの行き届いた清潔で丈夫な水着があれば、プールへ行く足取りもさらに軽くなるはずです。


