小学生のベストタイムが伸び悩み?原因と親ができるサポートを解説

小学生のベストタイムが伸び悩み?原因と親ができるサポートを解説
小学生のベストタイムが伸び悩み?原因と親ができるサポートを解説
子供・スクール・選手育成

毎日一生懸命練習に通っているのに、なかなかベストタイムが出ない。周りの友達はどんどん速くなっているのに、我が子だけ取り残されている気がする。

そんなふうに悩んでいませんか?今まで順調にタイムが伸びていたからこそ、急に壁にぶつかると、親御さんも本人も焦ってしまいますよね。

でも、安心してください。水泳を続けていれば、誰にでも必ずタイムが止まる時期は訪れます。それは決して悪いことではなく、次のステージへ進むための準備期間かもしれません。

この記事では、小学生スイマーが直面する「伸び悩み」の原因と、その時期に親御さんができる温かいサポート方法について、わかりやすく解説していきます。

小学生の水泳でベストタイムが伸び悩む「プラトー」とは?

今まで毎月のようにベストタイムを更新していたのに、急にパタリと止まってしまう。数ヶ月、あるいは半年以上もタイムが変わらない。

このような状態を、スポーツの世界では「プラトー(高原現象)」と呼びます。まずは、この現象がなぜ起こるのかを知ることから始めましょう。

原因がわからずにただ焦るよりも、仕組みを知ることで気持ちが楽になるはずです。

急にタイムが止まるのは誰にでも起こること

水泳のタイムは、最初から最後まで右肩上がりで伸び続けるわけではありません。階段の踊り場のように、一時的に横ばいになる時期が必ずあります。

これを「スランプ」と呼んでネガティブに捉えてしまいがちですが、実は少し意味合いが違います。スランプは実力が発揮できずに落ち込む状態ですが、プラトーは成長の過程で起こる停滞期です。

脳や身体が、新しく覚えた技術や体力を定着させようと整理している期間だと考えてみてください。この期間があるからこそ、その後にまたグンと伸びる時期がやってきます。

身体の成長と泳ぎのバランスが崩れる時期

小学生、特に高学年になると、身長が急に伸びたり体重が増えたりといった身体の変化が起こり始めます。

身体が大きくなることは水泳にとって有利ですが、急激な変化に神経系が追いつかず、今まで通りの感覚で泳げなくなることがあります。

「手足が長くなった分、どう動かしていいかわからない」という感覚のズレが生じ、一時的にフォームが崩れてタイムが出なくなるのです。

練習への慣れとマンネリ化の影響

スイミングスクールでの練習に慣れてくると、無意識のうちに「楽に泳ぐ方法」を身体が覚えてしまうことがあります。

例えば、苦しくない程度の力で泳いだり、フォームを意識せずにただ距離を消化したりといった状態です。

練習メニュー自体はこなせているのにタイムが伸びない場合は、一本一本の練習の質や集中力が少し低下している可能性も考えられます。

プラトーは飛躍の前触れ

停滞期は「もう伸びない」というサインではなく、「次のレベルに行くためにパワーを溜めている期間」です。この時期に諦めず、コツコツと基礎を積み重ねた選手が、後になって大きく花開きます。

技術的な視点から見るタイム停滞の原因

気持ちや身体の成長だけでなく、泳ぎの技術そのものに課題がある場合も少なくありません。

タイムが伸び悩んでいるときこそ、難しいテクニックよりも「基本」に立ち返ることが大切です。

ここでは、小学生が特におろそかにしがちなポイントを見直してみましょう。

基本フォームの崩れを見直してみる

速く泳ごうとするあまり、力が入りすぎてフォームが崩れていませんか?

特に多いのが、水をかこうとして腕だけで泳いでしまったり、キックが雑になったりするケースです。水泳で最も大切なのは、水の抵抗を減らすことです。

一生懸命手足を動かしていても、身体が沈んでいたり左右にブレていたりすると、それが大きなブレーキになってしまいます。

スタートとターンの技術で差がつく

泳いでいる最中のスピードは変わらなくても、スタートやターンがおろそかになっているとタイムは伸びません。

飛び込みの反応速度、壁を蹴る強さ、ターン後の水中動作(ドルフィンキックなど)。これらは「泳ぎ」以外の部分ですが、トータルのタイムに大きく影響します。

特に小学生のうちは、ターンのたびに顔を上げて呼吸をしてしまったり、壁を蹴ったあとの姿勢が悪かったりすることで、数秒のロスをしていることがよくあります。

ストローク数とテンポの関係性

身体が大きくなってきたら、ストローク(腕を回す回数)にも注目してみましょう。

今までと同じ距離を泳ぐのに、以前よりたくさん腕を回していませんか?もしそうなら、ひとかきで進む距離が短くなっている証拠です。

逆に、丁寧に泳ぎすぎてテンポが遅くなりすぎている場合もあります。ひとかきで進む距離(ストローク長)と、腕を回す速さ(テンポ)のバランスが崩れていないか、コーチと相談してみるのも良いでしょう。

水の抵抗を減らす姿勢の再確認

意外と忘れがちなのが、壁を蹴った直後の「けのび」の姿勢です。

両手を重ねて頭の後ろで組み、身体を一本の棒のように真っ直ぐにする「ストリームライン」。これが一番スピードが出る姿勢です。

泳ぎ始めやターンの後にこの姿勢が崩れていると、せっかくのスピードが死んでしまいます。「基本すぎて今さら?」と思うかもしれませんが、上級者ほどこの姿勢を大切にしています。

技術チェックリスト

・けのびの姿勢で指先から足先まで一直線になっているか

・呼吸のときに頭が上がりすぎていないか

・ターンで壁を強く蹴れているか

・ゴールタッチまで気を抜かずに泳ぎ切っているか

メンタル面がタイムに与える大きな影響

水泳は「メンタルスポーツ」と言われることもあるほど、心の状態がタイムに直結します。

小学生といえども、プレッシャーや不安を感じていると、身体が固くなって本来の力が発揮できません。

ここでは、子供の心の中で起きているかもしれない葛藤について考えてみましょう。

「タイムを出さなきゃ」というプレッシャー

親御さんやコーチの期待に応えようと、お子さん自身が過度なプレッシャーを感じていることがあります。

「ベストを出さないと怒られる」「ガッカリされたくない」という気持ちが強すぎると、レース前に極度の緊張状態に陥ります。

適度な緊張は良いパフォーマンスを生みますが、過度な緊張は筋肉を硬直させ、呼吸を浅くしてしまいます。これでは、練習通りの泳ぎをするのは難しくなります。

周りの友達やライバルとの比較

水泳は順位やタイムが数字ではっきりと出るスポーツです。そのため、どうしても他人と自分を比べてしまいがちです。

「あの子には負けたくない」という気持ちがプラスに働くこともありますが、「あの子はベストが出たのに、自分はダメだ」と自信を喪失してしまうこともあります。

特に、後から入ってきた子や年下の子に抜かされたときのショックは大きく、モチベーションの低下につながることがあります。

練習が楽しくないと感じてしまう燃え尽き症候群

毎日厳しい練習を続けていると、ふと「何のために泳いでいるんだろう」と感じてしまうことがあります。

好きで始めたはずの水泳が、いつの間にか「義務」になってしまうと、楽しさを感じられなくなります。これを「バーンアウト(燃え尽き症候群)」と呼ぶこともあります。

「練習に行きたくない」「お腹が痛い」と言い出したり、泳ぐこと自体に興味を失っているように見えたりする場合は、心の休息が必要なサインかもしれません。

成長期の身体の変化と向き合う方法

小学生の高学年から中学生にかけては、第二次性徴と呼ばれる大きな変化の時期に差し掛かります。

この時期の身体の変化は、水泳のパフォーマンスに一時的なマイナス影響を与えることがあります。

どのような変化が起こるのかを知っておくことで、無用な焦りを防ぐことができます。

身長が伸びる時期特有の感覚のズレ

急激に身長が伸びるとき、骨の成長スピードに筋肉や神経の発達が追いつかないことがあります。

これを「クラムジー(不器用な時期)」と呼びます。今まで無意識にできていた動きがぎこちなくなったり、身体のバランスが取りにくくなったりします。

本人は今まで通り泳いでいるつもりでも、手足の長さが変わったことでタイミングが合わず、水をとらえきれなくなるのです。これは成長痛のようなもので、身体が馴染めば自然と解消されます。

筋肉の付き始めと柔軟性の低下

成長期には筋肉量が増えてパワーがつきますが、同時に身体が硬くなりやすくなります。

骨が縦に伸びる際、筋肉が引っ張られるような状態になるため、関節の可動域が狭くなることがあるのです。

水泳において、肩や足首の柔軟性は非常に重要です。この時期に入念なストレッチを怠ると、可動域が狭まり、フォームが小さくなってタイムが落ちる原因になります。

女子選手に多い身体の変化と悩み

女子選手の場合、体脂肪率の変化や体型の変化が男子よりも早く訪れます。

ふっくらとした女性らしい体つきになることは、成長として喜ばしいことですが、水泳選手としては「水の抵抗が増える」「体重が増えて身体が重い」と感じる要因になります。

この変化に戸惑い、無理なダイエットをしてしまう子もいますが、エネルギー不足は怪我や不調のもとです。新しい体型に合った泳ぎ方を習得するまでの辛抱と考え、焦らず向き合うことが大切です。

親御さんができる具体的なサポートと接し方

タイムが伸び悩んでいるとき、一番辛いのは泳いでいる本人です。

そんなとき、一番近くにいる親御さんはどのように接すれば良いのでしょうか。

ついつい口出ししたくなる気持ちを抑えて、お子さんが安心して水泳に取り組める環境を作ってあげましょう。

結果よりも「過程」や「努力」を褒める

タイムや順位などの「結果」だけで評価をしないことが最も重要です。

「ベスト出なかったね」と声をかけるのではなく、「今日のターン、上手だったよ」「最後まで諦めずに泳いでいたね」と、具体的な行動や努力を認めてあげてください。

親御さんが見ているのは数字だけではないと伝われば、子供は安心して「次も頑張ろう」と思えるようになります。

食事と睡眠で身体の回復を助ける

激しい練習をこなす子供たちの身体は、想像以上に疲労しています。

タイムが伸びない原因が、単なる「疲れ」であることも少なくありません。バランスの良い温かい食事を用意し、早めに寝かせてあげる。

これこそが、親にしかできない最強のサポートです。栄養と睡眠が満たされれば、身体も心も回復し、質の高い練習ができるようになります。

家では水泳の話をしすぎない居場所作り

プールから帰ってきても、家の中でずっと水泳の話や反省会をしていませんか?

家は子供にとって、心からリラックスできる安全基地であるべきです。水泳とは関係のない趣味の話や、学校での出来事など、楽しい会話を心がけましょう。

「家では水泳のことを忘れてのんびりできる」という環境があるからこそ、プールに行ったときにスイッチを入れて頑張ることができるのです。

コーチとの信頼関係を見守る姿勢

熱心な親御さんほど、技術的なアドバイスをしたくなるものです。しかし、それはコーチの役割です。

コーチと言っていることが違うと、子供は混乱してしまいます。「コーチはこう言ってたけど、お母さんはこう言う」と板挟みになると、誰を信じていいかわからなくなります。

技術的な指導はプロであるコーチに任せ、親御さんは「一番のファン」として応援する立場に徹しましょう。コーチへの不満があっても、子供の前では口にしないのがマナーです。

メモ:会話のヒント

練習後の第一声は「どうだった?」と聞くよりも、「お疲れ様!今日のご飯は○○だよ」くらいが丁度いいかもしれません。子供が話したそうなら、相槌を打ちながら聞いてあげましょう。

まとめ:小学生のベストタイム伸び悩みは飛躍の準備期間!

まとめ
まとめ

小学生のスイマーにとって、ベストタイムが伸び悩む時期は、心身ともに大きく成長している証拠でもあります。

「プラトー」と呼ばれる停滞期は、次のステージへ進むために身体がエネルギーを溜めている期間です。決して能力がなくなったわけではありません。

技術的な基本を見直し、成長期特有の身体の変化を受け入れ、メンタルを整えることで、必ず壁を越えられる日が来ます。

親御さんにできることは、焦らずに温かく見守り、美味しいご飯を食べさせて、安心して眠れる場所を作ってあげることです。

「いつかまたタイムは出るよ」と信じて、お子さんの頑張りを一番近くで応援してあげてくださいね。

タイトルとURLをコピーしました