バタフライ筋トレで泳ぎが変わる!陸上でできる強化メニューとポイント

バタフライ筋トレで泳ぎが変わる!陸上でできる強化メニューとポイント
バタフライ筋トレで泳ぎが変わる!陸上でできる強化メニューとポイント
筋トレ・陸トレ・体作り

水泳の4泳法の中でも、特にダイナミックで華やかなバタフライ。しかし、その一方で「体力が続かない」「腕が上がらなくなる」「うねりがうまく作れない」といった悩みを抱えている方は非常に多いです。バタフライは全身の筋肉を連動させて泳ぐ種目であるため、水中の練習だけでなく、陸上で行うトレーニングがパフォーマンス向上に大きく貢献します。

この記事では、バタフライに必要な筋肉を効果的に鍛えるための具体的な筋トレ方法を、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。自宅で手軽にできる自重トレーニングから、ジムでのマシン活用法、そして柔軟性を高めるストレッチまで網羅しました。自分に合ったメニューを取り入れて、より楽に、より速く泳げる体を作っていきましょう。

バタフライ筋トレで鍛えるべき主要な部位とその役割

バタフライを楽に、そして力強く泳ぐためには、どこの筋肉がどのように使われているのかを理解することが大切です。やみくもに体を鍛えるのではなく、バタフライの動きに直結する部位をターゲットにすることで、トレーニングの効率は格段に上がります。

ここでは、バタフライの泳ぎを構成する主要な筋肉と、それが実際の泳ぎの中でどのような役割を果たしているのかを詳しく見ていきましょう。それぞれの部位の重要性を知ることで、トレーニング時の意識が変わります。

広背筋(水をかき寄せる推進力の源)

広背筋は背中の大きな筋肉で、水泳において最も重要と言っても過言ではない部位です。バタフライにおいては、両手で水をキャッチしてから体の下へとかき込んでくる「プル動作」の主力となります。この筋肉が強いと、一度のストロークで進む距離が伸び、結果としてストローク数を減らして体力を温存することにもつながります。

初心者の多くは、腕の力だけで水をかこうとしてすぐに疲れてしまいます。しかし、広背筋を使って背中から腕を動かす意識を持つことで、より大きな力を長時間発揮できるようになるのです。特に、腕を広げて水を捉える「キャッチ」から、お腹の下あたりまで水を運ぶ局面で、広背筋はフル稼働します。

広背筋を意識するには、脇の下から背中にかけての筋肉が収縮しているかを確認しながらトレーニングを行うのがコツです。

大胸筋(力強いインスイープを生む)

胸の筋肉である大胸筋は、バタフライ特有の動きである「インスイープ」で重要な役割を果たします。インスイープとは、体の外側にある水を体の中心に向かってかき込む動作のことです。このとき、腕を内側に閉じる動きが必要になりますが、そこで大きな力を発揮するのが大胸筋です。

また、大胸筋はリカバリー(腕を水上に出して前方へ戻す動作)から着水する際にも、衝撃を受け止めつつ次の動作へスムーズに移行するための安定性を保つのに役立ちます。ここが弱いと、水を抱え込む力が弱くなり、推進力が逃げてしまいます。

日常生活では腕を前に押し出す動作で使われますが、水泳では「抱え込む」動作として使われることを意識してトレーニングすることが大切です。

上腕三頭筋(フィニッシュの押し切り)

上腕三頭筋は「二の腕」の裏側にある筋肉で、肘を伸ばす動作で使われます。バタフライにおいてこの筋肉が活躍するのは、ストロークの最後、つまり「プッシュ」から「フィニッシュ」の局面です。水を後ろへ強く押し出し、その反動で体を前方へ加速させる最後のひと押しを担っています。

フィニッシュでしっかりと肘を伸ばしきり、水を後ろへ弾くように押し出すことで、スムーズなリカバリー動作へとつながります。上腕三頭筋が疲労してくると、最後までの押し切りが甘くなり、リカバリーで腕が水面から上がりにくくなる原因になります。

レース後半で腕が重くなる原因の多くは、この上腕三頭筋のスタミナ不足や筋力不足に関係しています。

腹筋群・体幹(うねりと姿勢の安定)

バタフライの最大の特徴である「うねり(ウェーブ)」を生み出す中心となるのが、腹直筋や腹斜筋を含む腹筋群と、体の深層部にある体幹です。手足の動きを連動させ、イルカのように波打つ動きを作るには、お腹周りの筋肉で骨盤をコントロールする必要があります。

また、呼吸動作で頭を持ち上げた際に、腰が反りすぎて下半身が沈んでしまうのを防ぐのも体幹の役割です。フラットな姿勢を保ち、水の抵抗を最小限に抑えるためには、強靭な体幹が欠かせません。ここが安定していないと、手足の力がうまく水に伝わらず、空回りしたような泳ぎになってしまいます。

臀部・ハムストリングス(第2キックのパワー)

お尻の筋肉(大臀筋など)と太ももの裏側(ハムストリングス)は、バタフライのキック、特に「第2キック」や「アップキック」において重要です。バタフライのキックは膝を曲げて打つだけでなく、振り下ろした足を水面まで持ち上げる動作(アップキック)も次への準備として欠かせません。

また、水を蹴り下ろす際も、膝から下だけでなく、股関節から大きく脚を動かす必要があります。このダイナミックな動きを支えるのが臀部とハムストリングスです。この裏側の筋肉をしっかり使うことで、腰の位置が高い、抵抗の少ない泳ぎを実現することができます。

自宅でできる!バタフライのための自重トレーニング

ジムに行かなくても、自宅で自分の体重を利用したトレーニングを行うだけで、バタフライに必要な基礎筋力は十分に養うことができます。特に水泳初心者の場合、まずは自重トレーニングで正しい体の使い方を覚えることが上達への近道です。

ここでは、特別な器具を使わずに畳一畳分のスペースがあれば実践できるメニューを紹介します。まずは正しいフォームで行うことを最優先し、回数よりも質を重視して取り組んでみてください。

ナロープッシュアップ(腕立て伏せ)

通常の腕立て伏せよりも手幅を狭くして行う「ナロープッシュアップ」は、バタフライのフィニッシュ動作に必要な上腕三頭筋と、インスイープに関わる大胸筋の内側を重点的に鍛えることができます。

【やり方】

1. 床にうつ伏せになり、手をつきます。

2. 手の幅は肩幅よりも狭くし、親指と人差し指で三角形を作るようなイメージで置きます。

3. 体を一直線に保ったまま、肘を曲げて体を沈めます。脇は締めた状態で行います。

4. 床ギリギリまで下げたら、手で床を強く押して元の位置に戻ります。

ポイントは、お尻が落ちたり上がったりしないように体幹を固定することです。肘を開いてしまうと大胸筋の外側に効いてしまうため、必ず脇を締めて、二の腕の裏側に刺激が入っていることを感じながら行ってください。10回~15回を3セット目安に行いましょう。

バックエクステンション(背筋運動)

バタフライの呼吸動作や、リカバリーで腕を前に戻す際に必要な背面の筋肉を鍛えるトレーニングです。脊柱起立筋を中心に、お尻やハムストリングスにも刺激を入れることで、体全体を使ったうねりの動きを強化します。

床にうつ伏せになり、両手を頭の後ろ、または前方に伸ばします。息を吸いながら上半身と両足を同時に持ち上げます。このとき、反動を使わずに筋肉の収縮を感じながらゆっくりと上げることが大切です。頂点で1秒キープし、息を吐きながらゆっくりと下ろします。

あごを上げすぎると首を痛める原因になるので、視線は斜め前の床を見るようにしましょう。

スクワット・ジャンプ

壁を蹴るスタートやターン後の壁キック、そして力強いドルフィンキックの瞬発力を養うために効果的なのがスクワットジャンプです。下半身全体の筋力アップはもちろん、心肺機能への負荷もかけられるため、持久力の向上も期待できます。

【やり方】

1. 足を肩幅程度に開いて立ちます。

2. 股関節を折り曲げるようにして、太ももが床と平行になるまで腰を下ろします。

3. 全身のバネを使って、真上に高くジャンプします。

4. 着地と同時に再び腰を沈め、次のジャンプへとつなげます。

着地の際は膝への負担を減らすため、つま先から着地して膝を柔らかく使いましょう。ドスンと着地しないようにコントロールすることが大切です。10回~15回を目安に、リズミカルに行います。

フロントブリッジ(プランク)

泳ぎの中で腰が沈まないようにする「ストリームライン(けのび姿勢)」を維持するための体幹トレーニングです。動きのない地味なトレーニングに見えますが、バタフライにおいて最も重要な「軸」を作るために欠かせません。

床にうつ伏せになり、肘を肩の真下について前腕とつま先で体を支えます。頭からかかとまでが一直線になるように姿勢をキープします。お尻が上がったり、腰が反って落ちたりしないように、お腹に力を入れ続けてください。

まずは30秒キープから始め、慣れてきたら45秒、1分と時間を延ばしていきましょう。呼吸を止めないことがポイントです。この姿勢が水中で維持できるようになると、水の抵抗が劇的に減少します。

ゴムチューブを使ったバタフライ特化の筋トレ

自重トレーニングに慣れてきたら、ゴムチューブ(トレーニングチューブ)を取り入れてみましょう。チューブを使う最大のメリットは、実際の水をかく動作に近い負荷をかけられることです。水中の動きを陸上でシミュレーションすることで、筋力だけでなく神経系の連動も鍛えることができます。

チューブは強度を選べるので、最初は柔らかめのものから始め、フォームが崩れない範囲で徐々に強度を上げていくのがおすすめです。柱やドアノブなど、丈夫な場所にチューブを固定して行います。

ストレートアーム・プルダウン

バタフライの「キャッチ」から「プル」の初期段階を強化する種目です。肘をあまり曲げずに腕全体でチューブを引くことで、広背筋にダイレクトに刺激を入れることができます。遠くの水を捉える感覚を養いましょう。

【やり方】

1. チューブを高い位置(頭より上)に固定します。

2. チューブに向かい合って立ち、少し前傾姿勢をとります。

3. 腕を伸ばした状態でチューブを持ち、太ももの前あたりまで一気に引き下ろします。

4. 戻すときはチューブの張力を感じながらゆっくりと戻します。

腕だけで引こうとせず、肩甲骨を下げて背中で引く意識を持つことが重要です。水泳のキャッチ動作と同様に、手のひらが常に体の方を向くようにコントロールしてください。

チューブ・バタフライプル

実際のバタフライのストローク軌道をなぞるように行うトレーニングです。キャッチ、インスイープ、プッシュ、フィニッシュまでの一連の流れをチューブの負荷がかかった状態で行うことで、実践的な筋持久力を養います。

前傾姿勢をとり、ストリームラインに近い状態からスタートします。肘を立てて(ハイエルボー)水をキャッチする形を作り、胸の前で腕を内側に絞り込むように引き、最後は太ももの横までしっかり押し切ります。

このトレーニングでは、スピードよりも軌道の正確さを重視してください。特に後半のプッシュ動作で力が抜けやすいので、最後まで押し切ることを意識しましょう。1セット20回程度、フォームが崩れない回数で行います。

チューブ・インターナルローテーション

肩のインナーマッスル(回旋筋腱板)を鍛える地味ながら重要なトレーニングです。バタフライは肩を大きく回すため、肩関節への負担が大きい種目です。インナーマッスルを強化することで、肩の安定性が増し、怪我の予防につながります。

チューブを肘の高さ程度に固定し、横向きに立ちます。チューブに近い方の手でグリップを持ち、脇にタオルなどを挟んで肘を90度に曲げます。その状態から、肘を支点にして前腕をお腹の方へ閉じるように動かします。

大きな筋肉を使うのではなく、肩の奥にある小さな筋肉を意識して、小さく丁寧に動かすのがコツです。

ジムで本格強化!マシン・ウエイトトレーニング

スポーツジムに通っている方は、マシンやフリーウエイトを使ってより高い負荷をかけることで、爆発的なパワーを手に入れることができます。特に短距離種目や、スピードアップを目指すスイマーには効果的です。

ただし、重すぎるウエイトはフォームの崩れや怪我の原因になります。水泳に必要なのは「使える筋肉」ですので、動きのスピードや可動域を意識しながらトレーニングを行うことが大切です。

ラットプルダウン

広背筋を鍛える代表的なマシン種目です。懸垂(チンニング)と同様の効果がありますが、マシンを使うことで重量調整がしやすく、フォームの習得も容易です。バタフライのプル動作のパワーアップに直結します。

バーを肩幅より広めに握り、胸を張って座ります。鎖骨のあたりに向かってバーを引き下げます。このとき、腕で引くのではなく、肘を脇腹にぶつけるようなイメージで肩甲骨を寄せながら引くのがポイントです。

戻すときも力を抜かず、広背筋がストレッチされるのを感じながらゆっくり戻します。猫背になったり、反動をつけて引いたりしないように注意しましょう。

ダンベル・プルオーバー

ベンチに仰向けになり、ダンベルを両手で持って頭の後ろから胸の上まで持ち上げる種目です。広背筋と大胸筋、さらに肋骨周りの筋肉(前鋸筋など)を同時に鍛えることができます。縦方向の動きであるため、水泳のストローク動作と非常に親和性が高いです。

【やり方】

1. ベンチに仰向けになり、一つのダンベルを両手で持ちます。

2. 腕を天井に向けて伸ばした状態からスタートします。

3. 肘を軽く曲げたまま、頭の後ろへ大きな円を描くようにダンベルを下ろしていきます。

4. 背中や脇の下が十分に伸びたところで、胸の上まで引き戻します。

可動域を広くとることで、筋肉の柔軟性向上も期待できます。ただし、肩に不安がある方は無理に深く下ろさないようにしてください。

デッドリフト

「筋トレの王様」とも呼ばれるデッドリフトは、背中、お尻、ハムストリングスなど、体の背面全体を一度に鍛えることができます。バタフライのうねり動作や、スタート・ターンの蹴り出しなど、全身の連動性が求められる動きのベースを作ります。

バーベルを床に置き、肩幅程度に足を開いて立ちます。背筋を伸ばしたまま股関節と膝を曲げてバーを握り、お尻と太ももの裏の力を使って持ち上げます。腰が丸まると腰痛の原因になるため、常に背筋を真っ直ぐに保つことが絶対条件です。

高重量を扱う場合は、必ずトレーナーの指導を受けるか、ベルトを着用して安全に行ってください。

柔軟性も必須!バタフライのパフォーマンスを上げるストレッチ

バタフライは「筋力」と同じくらい、あるいはそれ以上に「柔軟性」が求められる泳ぎです。特にかたい体で無理に両腕を回そうとすると、水の抵抗が増えるばかりか、肩や腰を痛める原因になります。筋トレの前後やお風呂上がりには、必ずストレッチを行いましょう。

可動域が広がれば、より遠くの水をキャッチできるようになり、しなやかなうねり動作が可能になります。ここでは特に重要な3つの部位のストレッチを紹介します。

肩甲骨周りのストレッチ

肩甲骨の動きが悪いと、リカバリーで腕が水面に引っかかったり、スムーズなキャッチができなくなったりします。肩甲骨は「剥がす」ようなイメージで、あらゆる方向に動かせるようにしておくのが理想です。

簡単な方法として、両手を肩に置き、肘で大きな円を描くように回す運動があります。前回し、後ろ回しをそれぞれ行いましょう。また、背中で両手を組んで後ろへ伸ばしたり、タオルの両端を持って頭上から背中側へ下ろしたりする動作も効果的です。

肩甲骨がスムーズに動くと、腕の重さを感じにくくなり、楽に腕を回せるようになります。

胸郭(胸椎)のストレッチ

バタフライのうねりを作るには、腰だけでなく「胸郭(肋骨を含めた胸の部分)」の柔らかさが重要です。ここが硬いと、呼吸時に頭を高く上げようとして腰が反ってしまい、腰痛の原因になります。胸から反る動きができるようになると、重心移動がスムーズになります。

【やり方】

1. 四つん這いになり、手をできるだけ前の方につきます。

2. お尻の位置はそのままに、胸を床に近づけるように沈めていきます。

3. 脇の下と胸の前が伸びているのを感じながら、深呼吸をして20秒キープします。

ストレッチポールがある場合は、ポールの上に仰向けに乗って胸を開くのも非常に効果的です。

股関節・足首のストレッチ

しなやかなドルフィンキックを打つためには、股関節の伸展(後ろに伸ばす動き)と足首の柔軟性が欠かせません。足首が硬いと、足の甲で水をうまく捉えられず、推進力が半減してしまいます。

正座の状態から片足を後ろに伸ばすストレッチや、仰向けになって片膝を抱えるストレッチで股関節周りをほぐしましょう。足首に関しては、正座をして膝を持ち上げることで足の甲を伸ばすストレッチが有効です。フィンを使って泳ぐ練習も、足首の柔軟性を高めるのに役立ちます。

バタフライ筋トレで理想の泳ぎを手に入れよう

まとめ
まとめ

バタフライを楽に、速く泳ぐための筋トレについて解説してきました。バタフライはパワーが必要な泳法ですが、単に筋肉を大きくすれば良いというわけではありません。水を捉える「広背筋」、腕を閉じる「大胸筋」、うねりを生む「体幹」、そしてキックを支える「下半身」と、それぞれの部位が連動して初めてスムーズな泳ぎが生まれます。

まずは自宅でできる「腕立て伏せ」や「プランク」などの自重トレーニングから始めてみてください。それだけでも、水中で体が安定し、ストロークが力強くなるのを実感できるはずです。慣れてきたらチューブやジムでのトレーニングを取り入れ、さらなるレベルアップを目指しましょう。

そして忘れてはならないのが、柔軟性の維持です。筋トレとストレッチはセットで考え、しなやかで強い体を作ることが、バタフライ上達の近道です。焦らずコツコツと継続して、理想のバタフライを手に入れてください。

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