「スイミングスクールの練習メニューって、具体的にどんなことをするの?」「初心者がいきなりハードな練習をするのは不安…」
これから水泳を始めようとしている方や、もっと上達したいと考えている方にとって、実際の練習内容はとても気になりますよね。スイミングスクールでは、単に距離を泳ぐだけでなく、目的に合わせた効果的なメニューが組まれています。この記事では、スイミングスクールでよく行われる練習メニューの基本的な流れや、レベル別の具体的な内容、専門用語の意味などをやさしく解説します。
スイミングスクールの練習メニューの基本構成と用語

スイミングスクールで掲示されているホワイトボードや、コーチが説明するメニューには、独特の構成と専門用語があります。まずは、練習の全体像とよく使われる言葉の意味を理解しましょう。これを知っておくだけで、レッスンの流れがスムーズに頭に入ってきます。
W-UP(ウォーミングアップ)の重要性
練習の一番最初に行うのが「W-UP(ウォーミングアップ)」です。いきなり全力で泳ぐと心臓に負担がかかったり、ケガをしたりするリスクがあるため、まずはゆっくりと体をほぐします。
水温に体を慣らしながら、筋肉を温め、関節の可動域を広げるのが目的です。スクールによっては、水に入る前にプールサイドでストレッチを行う時間も含まれます。ここでは「きれいに泳ごう」と意識するよりも、リラックスして水と友達になる感覚が大切です。
キック(Kick)とプル(Pull)の役割
水泳の動きは、足の動作である「キック(Kick)」と、手の動作である「プル(Pull)」に分けられます。多くの練習メニューでは、これらを別々に鍛える時間を設けます。
キックの練習ではビート板を持って足だけで進み、下半身の筋力や推進力を強化します。一方、プルの練習では足に「プルブイ」という浮き具を挟んで下半身を浮かせ、腕の力だけで泳ぎます。それぞれの動きに集中することで、効率の良いフォームを身につけることができるのです。
ドリル(Drill)とスイム(Swim)の違い
メニューの中でよく聞く「ドリル(Drill)」とは、フォーム矯正のための部分練習のことです。「片手だけでクロール」「グーの手で泳ぐ」など、あえて動きを制限したり強調したりして、理想的な体の使い方を覚えます。
一方、「スイム(Swim)」は、手と足を連動させて通常通りに泳ぐことを指します。ドリルの後にスイムを行うことで、「さっきの感覚を実際の泳ぎにどう活かすか」を確認しながら練習することができます。
クールダウン(Down)で疲労を残さない
練習の最後に行うのが「クールダウン(Down)」です。メインのきつい練習で上がった心拍数を落ち着かせ、筋肉に溜まった疲労物質を流すために、ゆっくりと泳ぎます。
ここで手を抜かずにしっかりとリラックスして泳ぐことが、翌日に疲れを残さないためのポイントです。スクールによっては、最後に水中ウォーキングを取り入れる場合もあります。
初心者クラスの練習メニュー:まずは水慣れと基礎から

水泳を始めたばかりの方や、泳ぎに自信がない方のためのクラスでは、距離を泳ぐことよりも「水への安心感」と「基本姿勢」を重視したメニューが組まれます。焦らず基礎を固めることが、上達への近道です。
水への恐怖心をなくす「水慣れ」
初心者クラスの最初のステップは、顔を水につけることへの抵抗感をなくすことです。「バブリング」と呼ばれる、口や鼻から息を吐いてブクブクと泡を出す練習から始まります。
さらに、水中で目を開けたり、プールの底に沈んだリングを拾ったりする遊びの要素を取り入れることもあります。まずは「水の中は楽しい場所」だと体で感じることが、リラックスして泳ぐための第一歩となります。
正しい姿勢を作る「けのび」と「ボビング」
泳ぐための基本姿勢は、水面に対して体が水平になる「ストリームライン(流線型)」です。壁を蹴って体を一直線に伸ばして進む「けのび」の練習を繰り返し行います。
また、リズミカルに水中に潜ってジャンプして呼吸する「ボビング」も重要です。これにより、水圧に対する感覚や、呼吸のタイミング、浮き上がる感覚を自然に養うことができます。これらは上級者になっても欠かせない基礎技術です。
バタ足の基本と呼吸動作の習得
姿勢ができたら、次は推進力を生む「バタ足」の練習です。最初はプールサイドに座って足を動かし、次に壁を持って、最終的にビート板を使って練習します。膝を曲げすぎず、太ももから動かす感覚を覚えます。
そこに「呼吸動作」を組み合わせていきます。クロールの横向きの呼吸や、平泳ぎの正面呼吸など、泳法に合わせた息継ぎのタイミングを、足をついた状態で何度も反復練習します。
中級・上級者向けの練習メニュー:泳力とスピードの向上

ある程度泳げるようになった中級・上級クラスやマスターズコースでは、持久力やスピードを強化するための、より実践的で計画的なメニューが組まれます。ここでは「サークル」という概念が登場し、時計を見ながら自分自身を追い込んでいく楽しさがあります。
サークル練習(ペースクロックの使い方)
プールサイドにある大きな時計(ペースクロック)を使った練習です。「1分サークルで50mを4本」というメニューの場合、50mを泳ぎ終えてから次のスタートまでを「合計1分間」で行います。
例えば、50mを45秒で泳げば15秒休めますが、55秒かかれば5秒しか休めません。これを繰り返すことで、ペース配分の感覚や、短い休憩で回復する能力を養います。最初は計算に戸惑うかもしれませんが、慣れると時計を見るのが習慣になります。
持久力をつけるインターバルトレーニング
心肺機能を高めるためのトレーニングです。一定の距離を、短い休憩を挟みながら何本も繰り返します。「100m × 10本」のように、長い距離を一定のペースで泳ぎ続けるメニューが代表的です。
この練習の目的は、疲れてきてもフォームを崩さずに泳ぎ続ける「基礎体力」をつけることです。苦しい場面でも粘り強く泳ぐことで、長距離を楽に泳げるようになります。
スピードを意識したダッシュとハード
メニュー表に「Hard(ハード)」と書かれていたら、それは「全力に近いスピードで泳ぐ」という意味です。逆に「Easy(イージー)」はゆっくり流すことを指します。
「25m Hard / 25m Easy」のように、全力泳とリラックス泳を交互に行うことで、トップスピードを上げる練習をします。また、本数を重ねるごとに徐々にタイムを上げていく「ディセンディング(Descending)」という高度なメニューもよく取り入れられます。
4泳法のフォーム修正とテクニック向上
ただ速く泳ぐだけでなく、美しく効率的に泳ぐための技術練習も欠かせません。クロール、背泳ぎ、平泳ぎ、バタフライの4泳法それぞれの特性に合わせた専門的な指導が入ります。
コーチは一人ひとりの癖を見抜き、個別の修正ポイントをアドバイスします。「ターン」や「スタート(飛び込み)」の技術練習もこの段階で行われることが多く、レースに出場する人にとってはタイム短縮の鍵となります。
子供と大人で違う?スイミングスクールの練習メニューの特徴

スイミングスクールには「ジュニアコース」と「成人コース」がありますが、それぞれの目的や体の発達段階に合わせて、練習メニューのアプローチは大きく異なります。
子供向けは「楽しさ」と「進級テスト」が中心
子供のクラスでは、水泳を嫌いにならないよう「楽しさ」が最優先されます。特に低年齢のクラスでは、おもちゃを使ったり、ゲーム形式で潜る練習をしたりします。
また、多くのスクールでは20級〜1級などの「進級制度」を導入しています。「今月はこのワッペンをもらうために、クロールの息継ぎを頑張る」というように、明確な目標を持たせることで子供たちのやる気を引き出します。
大人向けは「健康維持」から「マスターズ」まで幅広い
大人のクラスは、参加者の目的が多岐にわたります。「運動不足を解消したい」「腰痛予防のために歩きたい」というフィットネス目的の方から、「大会で自己ベストを出したい」というマスターズスイマーまで様々です。
そのため、大人のレッスンでは「個人のペース」が尊重されます。きついメニューの時は本数を減らす調整ができたり、フォームの理屈を言葉で詳しく説明したりと、納得しながら練習できる環境が整えられています。
個人レッスンとグループレッスンのメニューの違い
通常のグループレッスンでは平均的なレベルに合わせた画一的なメニューになりがちですが、個人レッスン(プライベートレッスン)では完全にオーダーメイドのメニューになります。
「平泳ぎの足だけを徹底的に直したい」「1ヶ月後に25m泳げるようになりたい」といった具体的な要望に対し、ドリル練習を多めにしたり、補助をしながら泳いだりと、密度が全く異なる練習が行われます。
練習メニューに取り入れたい道具とその効果

スイミングスクールのプールサイドには、様々な練習道具(ギア)が置いてあります。これらは単なる補助具ではなく、特定の部位を強化したり、感覚を鋭くしたりするための重要なアイテムです。
ビート板(キックボード)の多様な使い方
最もポピュラーな道具ですが、使い方は多様です。先端を持って顔を上げてキックすれば足の強化になりますし、真ん中を持って顔をつければストリームラインの練習になります。
また、足に挟めば簡易的なプルブイ代わりにもなります。ビート板を使うことで、下半身が沈むのを防ぎ、安心してフォームの修正に取り組むことができます。
プルブイで下半身を浮かせてフォーム集中
太ももや股の間に挟む、ひょうたん型の浮き具です。これを使うと足を使わなくても下半身が浮くため、腕のかき(プル)だけに100%集中できます。
「手だけで泳ぐと疲れる」という方は、普段いかにキックに頼っているか、あるいは姿勢が悪いかに気づくことができます。体幹を安定させるトレーニングとしても効果的です。
パドルとフィンの活用法と注意点
手に装着する「パドル」は、水をかく面積を広げて筋力アップを図ると同時に、正しい手の角度で水を捉えないと外れてしまうため、フォーム矯正にも役立ちます。
足に履く「フィン(足ヒレ)」は、驚くほどのスピード感を体験できる道具です。進む感覚を養うだけでなく、足首の柔軟性を高める効果もあります。ただし、どちらも筋肉への負荷が大きいため、使用する際はコーチの指示に従いましょう。
道具はスクールで借りられる?
ビート板やプルブイはほとんどのスクールで無料貸し出しされています。パドルやフィンは、上級コースでのみ使用許可が出る場合や、持参が必要な場合があるので確認しましょう。
まとめ
スイミングスクールの練習メニューは、初心者から上級者まで、段階を踏んで無理なく上達できるように工夫されています。
初心者は「水慣れ」や「基本姿勢」で恐怖心を取り除くところからスタートし、中級・上級者になると「インターバル」や「ドリル」を組み合わせて、体力と技術の両方を磨いていきます。また、独特の専門用語や練習道具の意味を知ることで、コーチの指示がより深く理解できるようになり、練習の効果もグッと高まります。
「自分についていけるかな?」と不安に思う必要はありません。スクールのコーチは、あなたのレベルや体調に合わせてメニューを調整してくれるプロフェッショナルです。まずは体験レッスンに参加して、実際の練習メニューの楽しさを体感してみてください。



