クロールの息継ぎで沈む原因と解決策!楽に泳ぐためのコツ

クロールの息継ぎで沈む原因と解決策!楽に泳ぐためのコツ
クロールの息継ぎで沈む原因と解決策!楽に泳ぐためのコツ
泳ぎ方のコツ・技術

「クロールを泳いでいると、息継ぎの瞬間に体がズブズブと沈んでしまう」「苦しくてリズムが崩れてしまう」といった悩みをお持ちではありませんか?

スムーズに泳げていたはずなのに、呼吸をしようとした途端にブレーキがかかってしまうと、体力も消耗してしまいますよね。

実は、息継ぎで沈む現象には明確な原因があり、ちょっとしたコツをつかむだけで劇的に改善することができます。

この記事では、なぜ体が沈んでしまうのかという原因から、楽に呼吸をするための具体的な改善方法までをやさしく解説します。

クロールの息継ぎで体が沈む主な原因とは

まずは、なぜ息継ぎの瞬間に体が沈んでしまうのか、そのメカニズムを知ることから始めましょう。沈む原因は一つではなく、いくつかの要素が絡み合っていることが多いです。ここでは代表的な4つの原因について解説します。

頭を上げすぎている

最も多い原因の一つが、呼吸の際に頭を高く上げすぎてしまうことです。
人間は、水中で頭を上げると、その反動で下半身が下がるという「シーソーのような原理」が働きます。

「しっかり空気を吸いたい」という気持ちが強くなると、無意識のうちに顔を正面に向けて水面から大きく出そうとしてしまいます。
しかし、頭という重いパーツが水面から高く出れば出るほど、腰や足は深く沈んでしまいます。
結果として、体が斜めになり、水の抵抗を大きく受けて失速し、さらに沈むという悪循環に陥ってしまうのです。

前の手が落ちている

息継ぎをする瞬間に、前に伸ばしている手が沈んでしまっていることも大きな原因です。
本来、前に伸ばした手は、体を水面近くに浮かせておくための「浮き具」のような役割を果たしています。
しかし、顔を上げようとする反動で、前の手で水を下方向に押さえつけてしまう方が非常に多く見られます。
前の手で水を押し下げてしまうと、その支えを失った体は当然沈んでいきます。
呼吸動作に入るときに、前の手が水面近くに残っているかどうかは、安定した姿勢を保つために非常に重要なポイントなのです。

キックが止まっている

呼吸動作に気を取られて、足の動き(キック)が止まってしまうケースもよくあります。
クロールのキックは推進力を生むだけでなく、下半身を水面に浮かせておく役割も担っています。

息継ぎの瞬間に「よいしょ」と顔を上げることに集中しすぎると、脳からの指令が足まで届かず、足がブラブラとお休みしてしまうことがあります。
キックが止まれば足はすぐに沈み始め、それに引っ張られるように体全体も沈んでしまいます。
呼吸中も足を止めずに動かし続けることは、水平姿勢を維持するために欠かせません。

ローリング不足で顔だけ動かしている

体全体を左右に傾ける「ローリング」が不足していると、沈む原因になります。
クロールの息継ぎは、首の力だけで顔を横に向けるのではなく、体の軸を回転させる動作に合わせて自然に顔が横を向くのが理想です。

しかし、体が平らなまま(お腹がプールの底を向いたまま)顔だけを横に向けようとすると、首の可動域には限界があるため、どうしても頭を持ち上げる動きが混ざってしまいます。
体を一本の丸太のようにイメージし、体ごと横に向ける動作ができていないと、無理な体勢になり沈みやすくなります。

沈まない基本姿勢を作るための視線と頭の位置

原因がわかったところで、次は具体的な改善策を見ていきましょう。まずは、沈まないための「頭の位置」と「視線」のコントロールについてです。これだけで泳ぎの安定感が大きく変わります。

おでこや頭頂部は水に残すイメージ

息継ぎの際、顔全体を水面から出す必要はありません。
「口さえ水面から出ていれば呼吸はできる」と割り切ることが大切です。
具体的には、おでこや頭のてっぺん(頭頂部)は水の中に残したまま、口元だけを空気中に出すようなイメージを持ってください。

頭の半分ほどが水に浸かっていれば、それだけ浮力が働きます。
逆に、耳まで水から出してしまうと、頭の重さがダイレクトに体にかかり、沈む原因になります。
「頭は水に預ける」という感覚を大切にしましょう。

片方のゴーグルを水の中に入れる

頭を上げすぎないための分かりやすい目安として、「片方のゴーグルを水の中に入れたままにする」というテクニックがあります。
息継ぎをする際、下側(水底側)にある目は水面下にある状態をキープし、上側の目で景色を見るようにします。

これを意識すると、顔が真横を向くだけでなく、頭の高さも低く抑えられます。
水面ギリギリのラインで世界を見る感覚は最初は怖いかもしれませんが、慣れてくるとこれが最も浮力を得られる姿勢だと実感できるはずです。
「水面から顔を半分だけ出す」ことを目標にしてみましょう。

視線は真横ではなく「斜め後ろ」

視線の向きも、姿勢の安定に大きく影響します。
息継ぎのとき、真横や少し前を見てしまうと、顎が上がり、頭が起き上がりやすくなります。
おすすめの視線は「斜め後ろ」や「自分の肩越しに天井を見る」ような方向です。
顎を軽く引き、視線を後ろに送ることで、後頭部が背中のラインと一直線になりやすくなります。

頭のてっぺんが進行方向を向いたまま軸がぶれなくなるため、水の抵抗が減り、スーッと進みながら呼吸ができるようになります。
プールのコースロープを見るのではなく、後ろの壁をちらっと見るつもりで顔を回してみてください。

前の手が重要!浮力を維持する腕の使い方

頭の位置と同じくらい重要なのが、前に伸ばしている手(リードハンド)の役割です。この手がしっかりと体を支えていれば、息継ぎの時も体が安定します。

前の手は水面近くでキープする

息継ぎをしている間、前に出している手は「浮き輪」の代わりだと思ってください。
この手が水面近く(水深10〜20cm程度)にあることで、体の上半身が浮きやすくなります。
もしこの手が深く沈んでしまったり、下に向かって水をかき始めてしまうと、支えがなくなって顔も沈んでしまいます。

息を吸い終わって顔が水に戻るその瞬間まで、前の手は我慢して前方に伸ばし続けることがポイントです。
「遠くにある壁をタッチし続ける」ようなイメージを持つと、手が下がりにくくなります。

キャッチの動作を少し待つ

クロールには左右の手を交互に回すリズムがありますが、息継ぎの時だけはリズムを少し変える必要があります。

これを「キャッチアップ(追いつき)気味」にするテクニックと言います。
具体的には、息継ぎをする側の手がリカバリー(空中移動)して水に戻ってくるまで、前の手は水をかかずに待っている状態を作ります。

すぐに水をかき込んでしまうと、体が沈みやすくなるため、一瞬の間を作るのです。
この「待つ時間」ができると、体が伸びている時間が長くなり、安定した呼吸が可能になります。
焦って手を回さず、グーンと伸びる時間を楽しむ余裕を持ちましょう。

腕だけでなく体幹で支える感覚

前の手を伸ばすと言っても、腕の力だけで支えようとすると肩が疲れてしまいます。
大切なのは、背中や脇腹といった「体幹」を使って体を支えることです。
脇の下をしっかり伸ばし、体全体を一直線にする「ストリームライン」を意識すると、自然と前の手にも力が入ります。

腕一本でぶら下がるのではなく、体幹という太い柱で水に乗る感覚です。
この感覚がつかめると、息継ぎの時も体がグラグラせず、どっしりと安定した状態で泳げるようになります。

楽に空気を吸うための呼吸テクニック

姿勢や腕の使い方が整っても、呼吸そのものが苦しいとパニックになってしまいます。ここでは、楽に酸素を取り込むための呼吸法のコツを紹介します。

水中で鼻からしっかり息を吐く

息継ぎが苦しい原因の多くは、「息が吸えていない」ことではなく、「息が吐けていない」ことにあります。

肺の中に古い空気が残っていると、新しい空気を吸い込むスペースがありません。
顔が水中にある間に、鼻から「んー」とハミングするように息を吐き出し続けましょう。
そして、顔を上げる直前には少し強めに吐ききります。

しっかり吐いて肺の中を空っぽにすれば、口が水面に出た瞬間に、体の反射で自然と新しい空気が「シュッ」と入ってきます。
「吸おう」と意識するよりも「吐く」ことに集中してみてください。

「パッ」と短く吸うリズム

水面上で口を開けている時間は、ほんの一瞬です。
大きく口を開けて「ハァー」と深呼吸をする時間はありません。
水中で息を吐ききった後、口が水面に出た瞬間に「パッ」と短く鋭く息を吸い込みます。
イメージとしては、驚いた時に「ハッ」と息を飲むような速さです。

この短い一瞬で必要な酸素を取り込むためには、やはり直前までの「吐く動作」が重要になります。
「ブクブク(吐く)、パッ(吸う)」というリズムを心の中で唱えながら泳ぐと、タイミングが合いやすくなります。

口の位置と水面の関係を知る

上手な人の息継ぎを見ると、口が水面ギリギリのところにある「くぼみ(ボウウェーブ)」を利用して呼吸していることがわかります。

頭が水を切って進むと、頭のすぐ後ろの水面が一瞬低くなり、空気のポケットができます。
顔を高く上げなくても、このポケットに口を合わせれば呼吸ができるのです。
最初は難しいかもしれませんが、スピードに乗って泳げている時は、この現象が起きやすくなります。

無理に顔を高く上げなくても、意外と低い位置に空気があることを知っておくと、恐怖心が薄れるかもしれません。

沈む癖を直すための効果的な練習ドリル

理論がわかったら、次は実践練習です。いきなり長い距離を泳ごうとせず、部分的な練習(ドリル)を取り入れて、体で感覚を覚えましょう。

壁を使った呼吸練習(ボビング)

まずは泳がずに、呼吸のリズムと「吐く」感覚を確認します。
プールサイドの壁を持ち、顔を水につけて鼻から息を吐きます。
そして顔を上げ、口から「パッ」と吸ってまたすぐに沈みます。

これをリズミカルに繰り返す「ボビング」という練習です。
ポイントは、息を止める時間をなくし、常に吐くか吸うかをしていることです。
水中でしっかり鼻からブクブクと泡が出ているかを目で確認しましょう。
この基礎ができていないと、泳ぎながらの呼吸は難しくなります。

サイドキックで姿勢を安定させる

体を横に向けた状態でキックを打ち続け、呼吸の姿勢を安定させる練習です。
片手を前に伸ばし、もう片方の手は体側に添えます。
顔は横を向き、下の耳を水につけ、上の肩を水面から出します。
この状態でバタ足をしながら進みます。

最初は顔を水面に出したままで構いません。慣れてきたら、顔を水につけて息を吐き、横を向いて吸う動作を繰り返します。
「頭を上げずに横を向くだけ」という感覚を養うのに最適なドリルです。
もし沈んでしまう場合は、足ひれ(フィン)を使うと余裕を持って練習できます。

ビート板を使った片手クロール

ビート板を片手で持ち、もう片方の手だけでクロールを泳ぎます。
ビート板が浮力を助けてくれるので、沈む恐怖心が減り、フォームに集中できます。
特に意識したいのは「ローリング」と「息継ぎのタイミング」です。

手をかき終わって後ろに押すタイミングに合わせて体を傾け、顔を横に向けます。
ビート板を持っている手は絶対に沈めないように意識し、支点として使いましょう。
左右それぞれの側で練習し、苦手な側(息継ぎしにくい側)を多めに行うとバランスが整います。

プルブイを使って腕の動作に集中する

足の間に「プルブイ」という浮き具を挟んで泳ぐ練習です。
下半身が強制的に浮くため、キックを打たなくても体が沈みません。
この状態で、腕の動きと息継ぎだけに集中します。

「前の手が落ちていないか」「頭を上げすぎていないか」を一つずつ確認しながら泳げます。
足が沈む心配がないので、リラックスして正しいフォームを体に覚え込ませることができます。
ただし、プルブイに頼りすぎるとキックを忘れてしまうので、感覚をつかんだら通常のスイムに戻して確認しましょう。

まとめ:クロールの息継ぎで沈む悩みを解消して長く泳ごう

まとめ
まとめ

クロールの息継ぎで体が沈んでしまうのは、決して運動神経の問題ではなく、ちょっとしたコツと物理的な理屈を知っているかどうかの違いです。
最後に、今回ご紹介したポイントを振り返ってみましょう。

・頭を上げすぎず、おでこを水面に残すつもりで横を向く
・前の手は浮き輪代わり。息継ぎ中も水面近くで我慢して伸ばす
・息はしっかり吐いてから、一瞬で「パッ」と吸う
・キックを止めずに、体の回転(ローリング)を使って呼吸する

これらのポイントを一気に全て意識するのは難しいかもしれません。
今日は「前の手だけ気をつける」、次は「視線を変えてみる」といったように、一つずつ課題を持って練習に取り組んでみてください。
沈まずにスムーズな息継ぎができるようになると、余計な力を使わずに長い距離を楽に泳げるようになります。
ぜひ、次のプールでの練習で試してみてくださいね。

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