平泳ぎの息継ぎがうまくいかない!沈まずに泳ぐためのコツと練習法

平泳ぎの息継ぎがうまくいかない!沈まずに泳ぐためのコツと練習法
平泳ぎの息継ぎがうまくいかない!沈まずに泳ぐためのコツと練習法
泳ぎ方のコツ・技術

平泳ぎの練習をしていて、一番の壁になるのが「息継ぎ」ではないでしょうか。「顔を上げようとすると体が沈んでしまう」「鼻に水が入って痛い」「タイミングが合わなくて苦しい」といった悩みを抱えている方は非常に多いです。実は、平泳ぎの息継ぎには、力任せではなく「タイミング」と「姿勢」にちょっとしたコツがあります。

このコツさえ掴んでしまえば、驚くほど楽に、そして長く泳ぎ続けられるようになります。この記事では、平泳ぎの息継ぎが苦手な方のために、沈まないためのポイントや具体的な練習方法を、初心者の方にもわかりやすく丁寧に解説していきます。一緒に、快適なスイミングライフへの第一歩を踏み出しましょう。

平泳ぎの息継ぎで失敗してしまう主な原因とは

平泳ぎの息継ぎがうまくいかないとき、そこには必ず原因があります。多くの人が陥りやすいパターンを知ることで、自分の泳ぎのどこを直せばよいのかが見えてきます。まずは、なぜ苦しくなってしまうのか、そのメカニズムを整理してみましょう。

タイミングがずれてしまっている

平泳ぎが他の泳ぎと大きく違うのは、手と足の動きが同時ではなく、別々のタイミングで行われる点です。息継ぎが苦手な方の多くは、手で水をかく動作と、足で水を蹴る動作が一緒になってしまっています。手と足が同時に動くと、推進力が打ち消し合ってしまい、前に進まないどころか体が沈む原因になります。特に、顔を上げたい一心で手足をバタバタさせてしまうと、余計に水中でバランスを崩してしまいます。「手でかいてから、足で蹴る」というリズムが崩れることが、息継ぎ失敗の大きな要因の一つです。

首の力だけで顔を上げようとしている

「息を吸わなきゃ!」と焦るあまり、首を無理やり後ろに反らして顔を上げようとしていませんか?首の力だけで頭を持ち上げようとすると、頭の重みで腰が下がり、下半身がズブズブと沈んでしまいます。水泳では「シーソーの原理」が働きます。頭が高い位置に上がれば上がるほど、反対側にある足は沈んでいくのです。スムーズな息継ぎに必要なのは、首の筋力ではなく、腕のかきによって生まれる「浮力」と、背中の筋肉をうまく使うことです。首を痛める原因にもなるので、顎を上げすぎる動作には注意が必要です。

息を十分に吐ききれていない

息継ぎが苦しいと感じる最大の理由は、「酸素が足りない」ことよりも「二酸化炭素が体内に溜まっている」ことにあります。水中で息を十分に吐き出していない状態で、水面で息を吸おうとしても、肺の中に空気が残っているため新しい空気(酸素)が入ってきません。結果として、浅い呼吸になり、すぐに息苦しさを感じてしまいます。また、肺に空気がパンパンに入った状態だと浮力は高まりますが、姿勢の制御が難しくなることもあります。まずは「吸う」ことよりも「吐く」ことに意識を向ける必要があります。

息継ぎのタイミングを完全攻略!4つのステップ

平泳ぎの息継ぎをマスターするには、一連の動作を分解して理解するのが近道です。ここでは、息継ぎの動作を4つのステップに分けて解説します。この流れを頭の中でイメージしながら練習することで、驚くほどスムーズに呼吸ができるようになります。

ステップ1:水をキャッチして体を持ち上げる準備

まずは、伸びている腕を外側に広げながら、水を捉える「キャッチ」の動作から始まります。このとき、手のひらを外側に向け、少し斜め下に向かって水を押さえるようなイメージを持ちましょう。まだ顔は上げません。水を押さえることで、体には上向きの力(揚力)が働き始めます。焦って顔を上げようとせず、まずはしっかりと水を捉える感覚を大事にしてください。この「溜め」の時間が、次の動作でのスムーズな浮上につながります。

ステップ2:脇を締めながら一瞬で息を吸う

水をかき込み、脇を締めるタイミングに合わせて、上半身が自然と水面に持ち上がります。この瞬間が息継ぎのチャンスです。顔全体を水面から出す必要はありません。口が水面から出れば十分です。腕の動きと連動して、体が「フワッ」と浮き上がる力を利用しましょう。この時、口を大きく開けて「パッ」と短く、素早く息を吸います。時間がかかりすぎると体が沈み始めてしまうため、コンパクトに行うのがポイントです。視線は正面ではなく、斜め前の水面を見るようにしましょう。

ステップ3:腕を前に戻して頭を水に入れる

息を吸ったら、すぐに腕を前に伸ばします(リカバリー)。ここで重要なのは、腕を前に出すのと同時に、頭も素早く水の中に戻すことです。息を吸い終わっても顔を上げ続けていると、下半身が沈んでしまい、ブレーキがかかります。両腕の間に頭を隠すようなイメージで、スムーズに潜り込みましょう。この「腕を戻す」動作と「頭を入れる」動作をセットにすることで、水の抵抗を最小限に抑えることができます。

ステップ4:キックを打って「伸びる」時間を作る

腕が前に伸びきり、頭が水に入ったタイミングで、ようやく足のキックを行います。そして、キックを打った後は、体全体を一直線にして「伸びる(グライド)」時間を作ります。実は、平泳ぎで最も進むのはこの「伸びている時間」です。息継ぎで乱れた姿勢をリセットし、次の動作への準備をする大切な時間でもあります。ここで慌てて次の動作に移らず、2〜3秒ほどじっと我慢して進む感覚を味わってください。この「伸び」が安定した呼吸のリズムを生み出します。

沈まないための「視線」と「姿勢」の黄金ルール

息継ぎのたびに体が沈んでしまう人は、視線と姿勢を少し修正するだけで劇的に改善することがあります。水の中での体は、頭の位置ひとつでバランスが大きく変わるものです。ここでは、楽に浮き続けるためのポイントをお伝えします。

視線は「斜め前」が基本

息継ぎの際、プールの壁や天井を見ようとしていませんか?顔を正面や上に向けてしまうと、顎が上がり、頭の重みで腰が沈んでしまいます。これを防ぐための正解は「斜め前の水面」を見ることです。だいたい自分の体から1〜2メートル先を見るようなイメージです。顎を軽く引いた状態で、首の後ろを長く保つように意識しましょう。そうすることで、頭頂部から背中までのラインがスムーズになり、下半身が沈むのを防ぐことができます。水泳選手が水面スレスレで呼吸しているのは、この視線を守っているからです。

テニスボール1個分のスペースを意識する

顎の角度は非常にデリケートです。引きすぎても、上げすぎてもいけません。そこでイメージしてほしいのが「顎と鎖骨の間にテニスボールを1個挟んでいる」感覚です。息継ぎのために顔を上げるときも、水中に潜るときも、このテニスボールを落とさないように、かつ潰さないように保ちます。この絶妙な角度が、気道を確保しつつ、水の抵抗を受けにくい理想的な姿勢を作ってくれます。練習中に「ボール、落ちてないかな?」と心の中で確認してみてください。

ストリームライン(けのび姿勢)に戻る

どんなにきれいな息継ぎができても、その後の姿勢が悪ければブレーキがかかります。息継ぎが終わるたびに、必ず基本の「ストリームライン(けのびの姿勢)」に戻ることを徹底しましょう。両腕で頭を挟み、指先から足先までが一直線になるように意識します。この姿勢が取れているときは、水の抵抗が最も少なく、体も浮きやすくなります。「息継ぎ」はあくまで通過点であり、最終的にはこの「一直線の姿勢」に戻ることがゴールだと考えてください。毎回ここに戻ることで、リズムも一定に保たれます。

呼吸を楽にする「吐く」意識の重要性

「息継ぎ」というと、どうしても「吸う」ことばかりに意識がいきがちですが、実は「吐く」ことの方が重要です。正しい呼吸法を身につけることで、苦しさが激減し、リラックスして泳げるようになります。水泳特有の呼吸リズムを覚えましょう。

鼻から吐いて口から吸う

水泳の基本呼吸は「鼻から吐いて、口から吸う」です。水中で口から息を吐こうとすると、誤って水を飲んでしまうリスクがありますし、細く長く吐く調整が難しくなります。鼻から「ンー」とハミングするような感覚で、一定のペースで息を吐き出しましょう。そして、水面に出た瞬間に口から「パッ」と吸います。鼻に水が入って痛いという方は、水中で鼻から少しずつ空気を出し続けることで、水の侵入を防ぐことができます。この「鼻・口」の使い分けを無意識にできるまで練習しましょう。

「ブクブク・パッ」のリズムを刻む

呼吸のタイミングを体に覚えさせるために、心の中で「ブクブク・パッ」と唱えながら泳いでみましょう。水中にいる間は「ブクブク」と鼻から息を吐き続けます。そして、顔を上げる瞬間に、残っている息を「パッ」と一気に吐き出し、その反動で自然に空気を吸い込みます。この「パッ」という破裂音のような吐き方がポイントです。肺の中の空気を瞬時に入れ替えることができ、短い時間で効率よく酸素を取り込めます。リズムよく繰り返すことで、泳ぎ全体にメリハリがつきます。

息を完全に吐ききらない工夫

「しっかり吐きましょう」とお伝えしましたが、実は肺の中の空気を100%すべて吐き切ってしまうと、浮力がなくなって体が沈みやすくなります。特に初心者の方は、肺に少しだけ空気を残しておくイメージを持つと、体が浮きやすくなり、楽に泳げます。感覚としては、吸った空気の7〜8割を吐き出し、2〜3割は浮き輪として体内に残しておくようなイメージです。これにより、胸の位置が高く保たれ、次回の息継ぎ動作に入りやすくなります。自分の浮力に合わせて、吐く量を調整してみてください。

陸上と水中でできる効果的な練習方法

理論がわかったところで、次は実践です。いきなりプールで泳ぎながら修正するのは難しいので、まずは陸上でのシミュレーションや、簡単な水中ドリルから始めましょう。段階を踏んで練習することで、着実に上達できます。

陸上での「鏡」を使ったフォームチェック

プールの外でも練習はできます。鏡の前に立ち、平泳ぎの手の動きと呼吸のタイミングを合わせてみましょう。前傾姿勢になり、手を前に伸ばした状態からスタートします。手を広げながら(キャッチ)、まだ顔は下を向けたまま。脇を締めると同時に顔を上げ、素早く口を開けて「パッ」。すぐに手を前に戻しながら顔を伏せます。この一連の動きを鏡で見ながら確認します。特に「手が伸びてから顔を伏せる」のではなく、「手と顔が同時に戻る」タイミングを体に覚え込ませることが大切です。

水中で行う「ボビング(ジャンプ呼吸)」

プールに入ったら、まずは泳がずに「ボビング」で呼吸の感覚を養います。プールの底を蹴ってジャンプし、水面から顔が出たら「パッ」と息を吸い、水中に潜ったら鼻から「ブクブク」と息を吐きます。これをリズミカルに繰り返します。このとき、手で水を下に押して浮き上がる感覚も意識すると、平泳ぎの息継ぎの予行演習になります。顔についた水を拭いたくなりますが、手を使わずに呼吸を続けることに慣れましょう。恐怖心を取り除くのに最適な練習です。

ビート板を使った「顔上げキック」

ビート板を持って平泳ぎのキックを行いながら、息継ぎの練習をします。手はビート板に乗せたまま動かしません。この練習の目的は、「キックの推進力」ではなく、「顔の上げ下げ」と「呼吸のリズム」に集中することです。顔を上げるときに、ビート板を下に押し込まないように注意しましょう。ビート板に頼りすぎず、背筋を使って顔を上げる感覚を掴みます。また、顔を水に戻したときに、しっかりと後頭部まで水に入れることを意識してください。

「2回キック・1回プル」ドリル

通常の平泳ぎは「1回かいて、1回蹴る」ですが、あえて「2回蹴って、1回かく」という練習を行います。1回目のかきとキックで息継ぎをした後、顔を水につけたまま、もう一度キックだけを行います。これにより、強制的に「長く伸びる時間」を作ることができます。平泳ぎで最も大切な「グライド(伸び)」の感覚を養うのに非常に効果的です。焦って次の動作に移ってしまう癖がある方には、特におすすめのドリルです。水の中を滑るような気持ちよさを感じてください。

まとめ

まとめ
まとめ

平泳ぎの息継ぎは、タイミングとちょっとしたコツさえ掴めば、決して難しいものではありません。今回ご紹介したポイントを振り返ってみましょう。

平泳ぎの息継ぎを成功させるポイント

タイミング:手と足の動作を分け、手でかいてから足で蹴る。

視線と姿勢:斜め前を見て、顎を上げすぎず、ストリームラインに戻る。

呼吸法:鼻から吐いて、水面で「パッ」と短く吸う。

意識:焦らずに「伸びる時間」をしっかりと作る。

最初からすべてを完璧にこなそうとする必要はありません。「今日は視線だけ気をつけてみよう」「次は吐くことだけ意識しよう」というように、一つずつ課題をクリアしていくのが上達への近道です。沈んでしまったり、水が入ってしまったりしても、それは上達の過程で誰もが通る道です。焦らず、リラックスして水と友達になる感覚で練習を続けてみてください。きっと、驚くほど楽に、そして優雅に泳げる日が来るはずです。

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